兵庫県芸術文化センターで佐渡音楽監督の元で公演する喜歌劇「こうもり」の助っ人としてウィーンフィルから派遣来日したM.SAGATが長い練習と「こけらおとし」の間のまる一日休みに加古川に再び訪れてくれた。
前回は息子の「慶滋」と初対面を果たしたが、今回は娘の「弓」と、びっくり初対面となった。
歓迎ランチパーティーは祇園祭が始まった処なので、旬の鱧の湯引き梅肉合えと照り焼き、それに明石鯛や大トロの刺身の前菜から料理して振る舞った。
メインは穴子押し寿司に夏の貝やカンパチの寿司。播州揖保の糸素麺。イカ素麺のごま油卵黄ソース合え。日生エビに赤穂の天然塩で焼き物などフルコースを作った。
食後に奏楽堂へ移動し、かつてニューヨークフィルがウィーンに来たときにMilanが買った、その二週間後に偶々ウィーンに行った私が気に入ってしまい、無理矢理買上てウイーンから持ち帰ってしまった曰わく付きのフィオリーニとご対面。「買い戻したい!」と私に交渉し始めたが・・・・。折角、来られるならば弟子達のレッスンをしてもらおうと急遽コントラバスセミナーin Kakogawa JAPANとして公開(後悔)レッスンが始まった。
なんと贅沢にも音楽高校2年生がウィーンフィルやウィーン八重奏団、ビーダマイヤーアンサンブルで活躍した世界トップ奏者から直々の指導を受け、その幸運を見守るお母様は勿体ない幸せと不安を背中に娘の成長を見届けた。
緊急レッスンに参加した幸せ者たち。貴重なアドバイスに大きな成長が期待できます。
一番サガトのレッスンを受けたかった美幸ちゃんは欧州一ヶ月半の旅行を終え、フランスドゴール空港から関空に到着し直接加古川に直行したが、一時間前にサガトは翌日からの連続オペラ公演の為、大阪のホテルに帰った所でした。それでも、笑顔でレッスンを受けた同僚や後輩を祝福できたのは流石です。
そうです。近年の人間社会は自分が徳をしたり地位や名誉を得るため、又は報酬を得る為ならば、人を蹴落としてでも這い上がる世の中ですが、私が弟子達に伝えたかったのは技術だけでなく、同僚や仲間と一緒に向上し、日本のコントラバスレベルを世界トップクラスに引き上げる仲間と音楽の喜びを分かち合う慈悲の心を養う事だったです。それこそが、音楽的な音色や歌い方のセンスに表れるからです。音楽とは、ストレートに、その人の心が音色になるのです。つまり、広大な慈悲深い心の持ち主こそ、良い演奏が出来、誰が聴いても心地よい音色を出すことが出来るのです。それが本物の音楽芸術なのです。
実は精神的な心を説く宗教界、特に大乗佛教の基本は将にこんな事であるはずなのに、全くそれが出来ていないのが現実です!「足の引っ張り合いや。出る杭の打ち合い!醜い罵りや嫌がらせをするのが、今日の政財界であり、宗教界であり、日本社会のようです。今になって戦後の誤った日本の虚像が見え隠れしているのです。
そうならないことを無意識に今回のウイーンフィルのサガト氏のレッスンから会得してくれてる弟子達を見届けられたので、師匠の私は大変嬉しく感じたのです。音楽の世界だけは、師匠と弟子や先輩と後輩の分別が出来、尊敬と労り、協調と共生ができる人材育成を忘れたくはないものです。 合掌。