本-開となりの人間国宝認定証を頂いた本-開

 

 東日本大震災の報道に毎日涙を流し、自分の非力さに嘆きながらも、何か出来ることはないだろうかと自問自答するなかで、やはり、いつもの自分の下積み活動パターンからの行動が一番容易く説得力あると、震災前から企画していたお寺のコンサートを全て、阪神淡路大震災の時も続けたように、犠牲者鎮魂と被災者援助の為、義援金勧募チャリティー演奏会として第161回より164回以降最低2年間は義援金ボックスを設置してシリーズ開催することにしました。

 これまで、161回の定期サロンコンサートの総てが赤字で、私費を投じての続投で、しかも、掃除や準備も肉体労働奉仕。節目の100回や150回で終わろうと本気で思った事もありました。でも、本物の芸術性高いクラシック音楽や、サービス精神豊富な出演者が選ぶポップス曲のアンコール演奏がお客様のハートに響き、感動でいっぱいになった拍手と笑顔を拝顔するたびに、「開催して良かった」「演奏して良かった」との思いが毎回赤字を忘れさせてしまったのです。

 こうして、震災10日後に特別な思いを持って開いたチャリティーコンサートの準備の為、境内総門から掃除をしていますと、参道から賑やかな声が近づいてきました。何事かと気になりながらも開演時間に追われて準備をしなくてはならないので、箒ではいていますと、「立派なお寺ですね、住職さんですか?」と声をかけられました。「はい」と顔を上げると見たことのあるタレントさん月亭八光でした。質問に答えながら境内伽藍を説明。ふと法泉院の前の看板を見つけて、「今日はなにかあるのですか?」と聞かれ、「東日本大震災犠牲者鎮魂と義援金勧募のチャリティーコンサートと題して第161回お寺の定期サロンコンサートがあるのです」と説明。準備する手伝いの関係者を撮影しながらも、月亭八光さんは私への興味が尽きず、結局、Cb和尚のこれまでの活動に対して「となりの人間国宝」認定証を頂戴してしまいました。あり得ないと思いますが例え本物の人間国宝授与より私は有り難く頂戴しました。何故なら、約1200年前に、この寺を開かれた教信上人は、難しい佛教の儀式や論議よりも、里人に飛び込み、人々の心の苦しみや悩みを解消する仏道実践をするために、当時最先端の口称念仏を始めたこの地で、同じく私が理想とした音楽と佛教の融合活動に対し、なんだか先駆者教信上人がご先祖様と共に今を生きる私たちを賞讃してくれたような気がしたからです。

 30年以上続けた佛教と音楽の融合、その一つがこの161回続いた定期演奏会であり、国際コントラバスセミナーであり、佛教聖歌普及であったり、様々な活動を具現化し継続してきたことが認めて頂いたような、誠に光栄な思いをさせていただいた至福の一瞬でした。

 放送は三月月末か四月頭の午前10時からの関西テレビ「よーいどん」の予定ですが、震災関係で日程が不的確だそうです。        合掌

記、コントラバスの和尚さん

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