本-開好天の法要から嵐の辻説法本-開

神戸公演プログラム

12/3は毎年午前10時から本堂で十夜念仏法要があります。壇家さん一軒一軒に配られた十夜袋に今年収穫された新米や大豆などを入れて前日2日に本堂祭壇にお供えします。ですから2日3日は世話人さんや壇家さんが多くお寺に参られるので、今年は異常気性で温かかった為に一気に紅葉して散った落ち葉掃除に春のいように緑緑して伸びる雑草の草引きと庫裡の掃除で朝から忙しくしていました。

 夜中に振った雨も早朝の鐘突の頃に雨が上がりましたが、折角、前日境内庭先を隅々まで掃除したのに吹き荒れた暴風雨で散々たるものです。また法要前に来られる檀信徒さんの為に掃除をし終わった午前9時頃には、穏やかな陽気の好天になり、袈裟に着替えて本堂の式典に出仕しました。この時期にお念仏をすると功徳が倍増すると言われる念仏強調の十夜会と12/8にお釈迦様が悟りを開かれた報恩謝徳の成道会そして秋の収穫感謝祭、先祖供養などを兼ねた法要です。1時間の法要後、塔婆回向師さんがご詠歌と説法を始める頃、俄に雲行きが一変し、再び台風並の暴風雨が吹き荒れたかと思うと、正午に本堂から壇家さんが帰る頃には再び太陽の日差しを浴びるなど、異常気性の合間を縫って悪戦苦闘する午前中でした。そして、和やかに参詣された檀信徒の皆さんと食前食後の言葉を交わして昼食会を終え、今度は袈裟から背広洋風に着替えて神戸に楽器を車に積んで出発。

 阪神高速の須磨料金所を過ぎて須磨離宮公園の山のトンネルを抜けると車窓目前に神戸港を望む穏やかな大阪湾が見えるのですが、今日は、まるで真冬の日本海を見るように白波が立っている神戸沖を初めてみました。

 この移動中の時点で既に精神的にも体力的にも可成り消耗していましたが、聞くところに依ると、日頃学校で、生徒の身体の異常や変化の体調不良の管理をし、精神的な心のケアまで、保健室には近年多くの児童生徒が来るので、養護教諭の先生方のお疲れになっていると知り、なんとか私でお役に立てるなら癒しの2時間を提供しなくてはとの使命感に、再び老骨にむち打って今度はタキシードに着替えてステージに立ったのです。

 悪天候にも係わらず会場には市内全校養護教諭が集結し可動式客席はほぼ満席状態でした。「こりゃなんとかせなあかん!」思考力も体力も午前中の今年最後の法要の準備と導師責任で可成り低下していましたが、気力だけで演奏し、法話的に皆さんを楽しませ和ませ鋭気を取り戻し元気になって貰いたい一心で2時間休み無くおしゃべりコンサートをやり遂げたのはいいのですが、やはり、思考力の低下から、予定のメインの曲の「情熱大陸」と「ラプソディー・イン・ブルー」を演奏する時間が無くなってしまいました。余計なおしゃべりでいつもジャストタイムの時間配分が狂ってしまったのです。全くなにを喋ったか覚えていないほどですが、それでも、皆さんの顔が始まった頃より、可成り朗らかな笑顔に変わっていたように思えたので、多分、良かったのかな・・・・????と、終演時間ぴったりに退場したのです。

 独りならどってことないですが、やはり午前中の法要では檀信徒さんや世話人さん、そしてお釈迦様や阿弥陀様に相対してそれぞれの壇家のご先祖様にも真摯に向かい合い2時間の法要でお念仏を捧げてから、今度はステージで普段から気苦労の多い養護教諭の皆さんに向かい合い元気の出るテレパシーを演奏と口から出任せな法話に乗せてお送りしたのですから、襤褸雑巾を絞った様な状態になり帰ってきました。でも、サポートしてくれた名ピアノ伴奏者と年の離れた新妻と孫のような息子の笑顔に癒され翌朝6時の鐘突本堂参り墓参の時にはすっかり元気になっていたのです。つまり、人はいつも誰かに助けられ誰かに感謝し、知らない内にも誰かを助けたり勇気付けたり癒したり、誰かに影響を与え誰かを元気にしあう為に、この世でもあの世にいっても繋がって存在しているのでしょうね!

 朦朧として何を喋ったか思い出せないで居ると、昨日メールで養護教諭の例会担当の先生からおしゃべり辻説法コンサートの小冊を作成したいとの連絡がありました。恐縮極まりない申し出ですが、先生の技量で上手に断片的な話を繋いでくだされば誠に光栄にまた、反省材料として今後の法話の糧にさせて頂くチャンスにもなると思い承諾しました。記憶が薄れる朦朧とした中、何を喋ってたのか、できあがりが不安でもあり楽しみでもあります。頂戴したら此処にアップロードさせて頂きたいものです。  合掌

記、コントラバスの和尚さん
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