本-開本物の感動の連鎖は疲れを吹き飛ばす本-開

 <<第38回栗東市音楽祭 音楽の森イブニングコンサート:栗東芸術文化会館>>

 お盆が終わり9月に入っても気温35℃を超える毎日に、8月お盆の行事の疲れが溜まり、もう身体は限界にきていました。それでも、遠く滋賀県の第38回栗東市音楽祭「音楽の森イブニングコンサート」の出演依頼を受けて、当日も朝から茹だるような暑さの中、名神高速を久し振りに東に向かって飛ばしました。

(大津SAより望む琵琶湖と比叡山)

 道中、眼下に琵琶湖の見える大津サービスエリアで、遠く向かいに比叡山を眺めては、32年前にあの山の右方の横川に60日間籠もり、精進料理だけで修行した事を懐かしく拝みながら、破壊愚僧は10食限定の近江牛定食の昼食を伴奏者と殺生にも美味しく食べたのです。休憩後、再び栗東へ向かい瀬田を過ぎますと、なんと車の室外温度計が37.5℃を指していました。なんだか車窓に流れる高速に迫る木立や遠く近江富士など山々を緑に包む木々が、「熱い〜〜〜!水くれ〜〜!喉渇いた〜〜〜!熱中症で倒れそうだ〜〜〜!水!水!水!」と叫んでる声が聞こえたかのような錯覚を感じました。

 動物は森の木陰で涼ませてもらい、のどが渇けば木陰から湖や川へ自由に移動して水が飲め、人間は木陰が無くとも自動販売機やカフェーに行けば水分補給できます。ところが、動物に果実の食料や木陰や燃料や酸素を無償奉仕で供給してくれてる植物は大地に根を生やすと、そこからもう動けないのです。大地に天の恵みの雨が降らなければ枯れて死ぬことになるんだ!。せめて庭木や菜園には水をかけてあげる事を忘れてはならないね!例えばご先祖様の仏壇のお花だって花瓶に毎日新鮮な水を差してあげると長生きできるのです。自分の生活行動範囲の花瓶や植木鉢、庭木や菜園にすら水を与えず自分だけクーラーの部屋で寝ころんで冷たいお茶を飲んでる様な人間が増えると、ますます自分だけでなく子孫の子供達までが生きていけない程に地球環境を荒らしてしまうのだと思います。怠け者で欲深い我々人間が益々地球規模で異常気象を引き起こしてるのだから何とかせねば・・・・・と、助手席に座って道中話し相手にもなってくれたピアノ伴奏者と心痛めながら、漸く栗東芸術文化会館に到着。

(同じステージに立ったSAXの[鵜川直貴Pf松田みゆきさん]マリンバの[中野めぐみさん・久保菜々恵さん]のリハーサル風景)

共演者の皆さんのリハーサルの美しい音を聞くとすぐさま暑さも忘れて感動し、自分のコントラバスの音を出して興奮し、伴奏者がピアノを弾いてまたまた吃驚!大ホールにあるフルコンサートピアノは普通スタンウエイかベーゼンドルファーなのですが本日はイタリアの名器が用意されていました。まるでイタリアの弦楽器の様な遠鳴りのする抜けた高音と豊かな中低音がホールに響き渡ったのです。国内はもとより世界各地での様々なホール演奏経験からも私のベスト10に入る程、本当に響きが正統的で、出した音がステージから客席に行って再び戻ってくる残響まで、実に自然で豊かで心地よいのです。まるでウィーンの学友協会ムジークフェラインホールと同じ様にステージと客席が同じ高さでつながるシューズボックススタイルのホールは、昔から響きが気品に満ち美しいと定評どおりだったのです。更に、驚いたことは、客席より向かってステージ奥正面の反響板がせり上がり、水族館の様な一面ガラス張りが表れ、その外側に人工の岩壁に水が流れ落ちる滝と生垣の緑葉樹が日が暮れるとライトアップされ実に幻想的なステージが表れたのです。

(舞台袖よりステージ奥のガラスに映るピアニストと室外の滝のライトアップが幻想的)

 そんなホールのハード面だけに感動したのではありません。このコンサートを企画・運営されてる栗東市音楽振興会会長さん始め地元の音楽教師や音楽家の玉子、音楽祭実行委員会ボランティアのスタッフから、ホールの音響照明スタッフまで、一丸となって、まさに温かい手作りコンサートを成功させ栗東市文化向上の為に献身的に働かれてる爽やかなお姿を垣間見て、嬉しく感動してしまいました。「せっかく兵庫〜大阪〜京都〜滋賀と県境を超えてお招きして頂いたのだから、一生懸命、演奏で栗東市民の皆さんのお持てなしに応えなくては!」と、大汗かくほどにフルパワーの往年の芸風で演奏しました!また、遠くから何十年振りかに聴きに来てくれたCBの弟子や欧州でのコントラバスマスタークラスに参加してくれたバス弾きも応援に駆けつけて聴いてくれると連絡有ったことも私の奉仕の精神演奏パワーを増幅してくれました。そんな、我が儘に我が道を行く自由勝手に弾くコントラバスをサポートし、また最後のプログラム曲にしたラプソディーインブルーの横田ちさとさんのピアノソロも、これまた迫力満点でした。ありがとう!

(コントラバスとピアノによる慈愛の辻説法のステージは、一瞬に聴衆をこの世の極楽浄土へご案内〜〜!)

 演奏者と聴衆と主催者スタッフ一同が心を通わせ始めて可能になる音楽芸術の感動を皆で共有できた喜びは、公演の疲れも酷暑の残暑の疲れをも吹き飛ばす程にパワー充電出来ました。

 さあ、今日中に帰って明朝の境内掃除と接待、着替えて法事と墓参、そしてサロンコンサートの準備整え第158回音楽の館定期演奏会「景山誠治+秋津智承+田中しのぶ国際コンクールメダリスト達のフランス音楽の神髄」の主催者兼ボランティアスタッフ兼料理人兼司会者兼録音技師兼照明係兼ただの音楽ファン聴衆の一人になって頑張るぞ〜〜〜!と、名神を飛ばしましたが零時を2分過ぎて伴奏者や弟子カップルを連れて自宅に到着しました。一方、先に広島での公演から我が家に到着していたチェリスト一家は新妻と一緒に帰りを待っていてくれて、ビールでお互いの公演打上と再会の乾杯をしたのでした。あ〜〜眠い!続きはSaying127をお読み下さい。合掌。

私たちの賛助出演で持ち時間40分のプログラムはこんな感じでした!

平成22年9月4日

コントラバスの和尚さん

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