本-開伝言その12本-開

人生はマラソン
2001.10.06
Satori日記
ベルリンマラソンで、見事、女子マラソン記録上、前人未到の2時間20分の壁を破って世界新記録でゴールした高橋尚子は、ゴール寸前のみ苦痛に耐える表情を見せたが、ゴール直後に足を止めてまもなく、超人的回復力で、偉大な記録を成し遂げた歓声に答える爽やかな笑顔を観衆に投げかけたのです。そして、直後のインタビューで、「最後2kmの調整トレーニング次第では、記録をあと1.2分ちじめる可能性を、見出した」と答えたのです。とても世界大会のマラソンコースを記録的スピードで走りぬいたとは思えない、余裕と冷静な自己評価のスピーチではないでしょうか。
 この、彼女の言葉の裏にあるのは、的確なプログラムされた、しかし、尋常ではない過酷な練習をこなした自信から生まれた、その非常に前向きな姿勢に、超人的に強い精神力を感じたのは私だけでなく、全世界の視聴者であったでしょう。
 平地生活になれた人間が、ただ立っているだけでも限界ともいえる高地3500mの酸欠状況で、きびしいトレーニングに耐え、何日も繰り返し過酷な練習プログラムをこなしてきた精神力は、凡人には想像を絶するものであったに違いないでしょう。
 だからこそ、平地のベルリン市街で、しかも並木道に溢れる新鮮な酸素の中を走る本番の喜びは、冷静であり、周到にプログラムした通りの走りがほぼ出来たのでしょう。
 我々も、人生において数回直面するプレッシャーがあります。例えば大学入試、卒業試験、就職試験、昇進試験、あるいは、様様なコンクールやオーディションへの挑戦など、ハードルが高ければ高いほど、本番でプレッシャーを感じるものです。
 しかし、正しく用意周到に準備がプログラムでき、それを、克服すれば、本番からプレッシャーがなくなり、集中力を発揮して実力を十二分に出すことが出来る!と言うことをシドニーオリンピックに続き、この度のベルリンマラソンで高橋尚子は示してくれたのです。
 どんな社会にも直面するハードルを越えるには、それぞれの社会で、その専門分野で、どれだけ自分を甘やかさないで厳しくトレーニングを遂行するかによって、成功か否かが分かれるのです。
 もし、限界にまで挑戦して、余裕を持って目前のハードルを越えたとき、貴方は人生で最も輝く笑顔をその時見せているでしょう。
 決して、目前に立ちはだかる超えなくてはならない障害から逃げないで、厳しい練習によってそれらを飛び越えられる可能性を高め、毎日のプログラムを克服する事のみが、明るい希望の未来を開くエネルギーとなるのです。
 そして、それが出来る環境に今、自分が立っているなら、その事に感謝して前に進むことが使命であり、その事が人生の意味につながるのです。但し、超える必要の無いハードルは避けて通る選択や判断も養わなければ、無駄なエネルギーを浪費して、目指すハードルの目標の高さや、今後飛ぶべきハードルの数を増やすことが出来ません。
 その人に与えられた一度しかない人世には、限りがあるのですから、悔いの無い人生のマラソンを明日から一緒に皆で、それぞれが選んだマラソンコースで一生懸命完走目指して走りましょう!
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