本-開ミニミニ法話その114本-開 

郷にいれば郷に従え!

 今月は地球温暖化の言葉が影を潜める程、寒いのですが、今朝の鐘突の冷え込みはこの冬一番でした!裸足で境内諸堂御廟所等を30分歩き回るだけで足の指先の感覚がしびれる程です。お経を読みながらも「寒いな〜〜何でこんなに寒いんや〜〜!」と、愚痴を言ってしまいそうになりました!でも、極寒の地域の人たちが聞けば「マイナス4℃に風が少々強いぐらいならもう春みたいなもんさ」と笑われてしまうでしょう。「今朝の佐渡島はマイナス20℃に風速40メートルの記録的寒波暴風だよ!」と、言われれば想像を絶するばかりです。
 我々人間の環境習慣とか、比較的とか、常識とか、あたりまえとか、短い人生経験からの勝手な判断から発する自分の考えの言葉は全く幼稚で適切で無く、それを発してしまえば誤解どころか相手に不快な思いをさせていまう恐れがある事を常に気を付けておかねばなりませんね!
 昔の人がよく言ったもので「郷にいれば郷に従え!」と言う諺があります。日本は沖縄から北海道まで温度差がかなり有り各地方で独特の風土があります。地球規模で見れば一年中、人が住む限界の灼熱砂漠も有れば氷河に覆われる極寒地域もある。住み慣れた故郷から、そんな場所に移り住めば、その地域独特の生活の智慧があり文化があるのですから「それまでの生活と違う」と文句ばかり言っていては地域にとけ込めず、それまでの未熟な経験を主張しても意味が無く、それどころか自らの命や我が子の生存すら脅かされるはめになる事もあるでしょう!だから、決して反抗したり抵抗したり、従順に、その郷の長老や代表の意見に随い、順応する努力を怠らず、自分や家族の命を守ってくれる郷の生活習慣や価値観や、その地域の長い歴史文化から成す風習を笑顔で受入、早くその郷の住人になって「貴方自身が、いつしかその地域の子孫に伝えられる程の心の郷になりなさい!」と、言う、本当は最も大切な命の生存を教えてくれる慈しみ有る意味の深い諺なんですね!
 心粋一つで郷にいれば楽しい人生になれば、自分の心の見栄や推挙で今居る場所で抵抗続けることで一生地獄の苦しみにもなるのです。それが自分が選んだ道ならば尚更です!私事で次元が全く違いますが、いきなり留学してアパートに一人暮らしを始めた最初の3ヶ月はウィーンどころか欧州文化に慣れず抵抗すらしていましたが、半年後、生活文化に順応してウィーン訛のドイツ語会話も耳に馴染んでからは大学や地域や楽壇に受け入れられ、今の自分の居場所が天国に思えるほど楽しい生活に一変した事を思い出します。  合掌
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