本-開平成21年 お寺座の怪人の独り言(謹賀新年)本-開

<<謹賀新年 朝の寺子屋ミニミニ法話開校です>>

 4日の今日から祇園精舎の鐘の声スタートです。またしてもくじ引きで1月2月が鐘突当番になったからです。この時期の朝6時には星が輝き冷え込んでいますが空気が凛として身が引き締まります。気持ちがいいですよ!鐘突と朝の勤行希望者は6時までに鐘楼にお越し下さい。但し先着4名しか鐘突出来ませんよ!

 今年の暮れと正月は如何お過ごしでしたか?そもそも日本の昔からの風習では、正月3ヶ日は静かに家族で家に居る習わしだったのですが、お正月の過ごし方がここ4・50年で大きく変わりましたね。

 正月3ヶ日どころか七草粥を食べる7日までは、初詣に出る以外は家で過ごし、毎日同じ重箱を開けておせち料理と餅を頂いていたのです。それも、現在の豪華な食材の重箱に比べると、保存食のような質素な料理でした。

 外食産業も商店街も、勿論仕事場作業所も正月は店を閉めて家族団欒に過ごす為に、また、正月だけは主婦が楽なようにおせち料理を準備していたのです。一年の計は元旦にありと、家族の厄難消除と幸福を家族全員で一心に願う環境を整える為でした。大晦日の夜に静かに除夜の鐘で煩悩を鎮め、正月は清らかな気持ちで神仏に家族の健康や合格祈願など様々な所願成就を誓ったものです。

 ところが現在はどうでしょう、大晦日にカウントダウンライブや年忘れマラソン、大都市近郊の街はイルミネーションがより明るく照らされ深夜まで商売している処もあれば、初詣帰りの客を狙い神社仏閣の参道に夜店が並び、どこも正月から初売りで商店街や大型店舗は賑わう。

 日本の正月は何処へ行ってしまったんだ?!日本人の礼儀正しく、深い慈愛と聡明な思考を持ちあわせ、黙々と朝から謙虚に働く日本人の姿は何処へ言ってしまったのでしょう?

 クリスマスもそうですが、日本ほど派手にイルミネーションしている国は珍しいです。クリスマスも正月も、五大陸文明の国々では、今も本来の意味から脱せず、神髄を見極めてお祭りを催しています。どうも、現在の日本の祭事はうわべだけで魂が忘れ去られ、商戦に惑わされている様にしか見えませんね。何事も本道本筋を忘れ、賑わう沿道に迷い込んでは、同じ人生、勿体ないですよね?本物の人生を最大限に有意義に過ごす為に、必ず年に一度心身共に大掃除をして清めて誓いを立て直すのが大晦日の除夜の鐘と正月の行事なのですね。。。天下太平・百穀豊穣、そして今年一年が読者の皆様にとってご健勝でご多幸でありますように祈っています  合掌             2009.1/4

<<北斗星と北斗七星>>

 鐘楼で東向いて6時の鐘突の後、北の阿弥陀仏前に向かい本堂で勤行、西を向いて境内の阿弥陀石仏で永代納髪者の回向してから御開山教信上人御廟所と地蔵石仏、再び外で北を向いて寺院霊園で両親ご先祖様に般若心経を称える頃も、空はまだ満天の星が輝き、最後の先祖供養の墓を見上げれば北斗七星!柄杓の一片を五倍に計れば、そこに一年中変わらず満天の星の中心なす北斗星がありました。当たり前ですが、いつもそこに有り、この世の我々を見守ってくださる様な気がして、何故かただ嬉しいのです。合掌1/5

<今年は小さな身の回りの事から成功者になろう>

 たいがい正月に仕事休みのご主人様や主婦は生活向上と平穏無事を願い、学生や子供達は受験合格や将来の希望や夢を初詣で願う。他力本願な人生の人は初夢を楽しみに元旦に年賀状を見ながらおせち料理を食べて福袋を買いに出よう物なら、もう夢の事は忘れてしまってる。

 現実は厳しい!だから積み重ねる努力こそが実を結ぶはずです。さあ、今年一年、自分を後ろめたい気持ちから開放する為に、少しだけ思考や行動をチェンジしましょう!

 先ず出来ることから「明日に延滞しないで今日の内にやり遂げる」だけの努力を怠らないこと!これがなかなか難しい!自分の中に潜む(怠け虫)が「しんどいから明日でいいやん!」と囁くのです。折角、その場で今やってることを、後一歩、後10分、あと少し身心両手両足を動かす命令を頭がすれば完了するのに、途中で片付ける作業を諦めて「明日しよう!」と、止めてしまう貴方!

 今年からは、貴方のお腹の中の怠け虫が騒いだら「プーッ」と放屁でもして追い出し、怠け虫が発生しないように毎朝の「お通じ」を心懸ける事!それでもダメなら気合いで怠け虫を押さえつけて、何でも後10分で片付ける智慧と能力を磨きなさい!いつでも、その時、気が付いたときに面倒くさがらないで「今すぐ」行動する強い命令を下す明晰果断な頭脳を育てる事から始めましょう!

 後一歩、あと10分、今すぐやり遂げれば済むのです!明日に延ばせば後一歩が後100歩になり、あと10分があと1時間になり、ついには今日やることに追われて益々完了出来なくなるからです。一年の計は正月の思考と活動から始まる!だから、そう言う、良い癖になるまで習慣つければどって事なくなるんだね!うっふふふっ!あっははは!そう!笑って何でも後一歩の精進を忘れないでね!合掌 1/6

<今日は七草粥>

 七草とは(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、仏ノ座、スズナ、スズシロ)です。今はスーパーでセットで売られ簡単に粥に入れて食べられますからご賞味下さい。でも、その草、見たことありますか?私も道草してても全部は解りません。

 正月休みに、ついつい食べ過ぎた胃腸を休ます古来からの習わしですが、古来から寺院での朝食は粥が普通なんですよ。特に修行の期間は朝粥を頂きます。粥は消化に良いだけでなく、脳の働きが壮快になります。それは血液の流れが悪玉コレステロールが減少するために、サラサラ血液になるからです。そうなると、身体も楽になるのです。

 日本人は明治に開国し欧米化の文化経済を摂取し始めてから、食生活も高カロリー高コレステロール高脂肪の摂取料が右肩上がりとなりました。それまでの日本人は(四つ足)つまり家畜を食べる習慣が無く、穀物・野菜・魚が主食だったのです。そんなご先祖さまから頂いた遺伝子の身体に、肉を食べ始めた為に、成人病が増加したのでしょうね。ただ貧困な食生活で栄養失調で亡くなる人はいなくなりましたが、過度な動物性脂肪の取りすぎは要注意です。

特に頭をすっきり働かせたい受験生や修行者、低カロリー腹七部で益々健康維持できる高齢者は、七草粥の今日だけでなく、毎朝、粥を頂戴できると良いですね。 合掌 1/7

<南紀紀行>

 大阪の楽器店に弓の毛替えに行ったついでに、南紀わたらせ温泉目指して大阪で昼食後走り始めた。和歌山までは何度か往復したことがありますが、昔は、それより先は高速道路も開通していなく、また演奏旅行の縁も無かった為、唯一走ったことがないエリアだったので興味津々でした。

 遠く広がる有田ミカン畑を車窓から眺めながら買いたくなり御坊出口で高速を降りました。すると直ぐに道成寺の案内板を見つけ立ち寄ることにしました。娘道成寺は新春歌舞伎の演目で必ず登場します。あの今昔物語に登場以来、謡曲から古典芸能の代表作品になっている皆さんよくご存じの安珍清姫の熱烈な恋愛と嫉妬執着の普遍のストーリーの現場です。僧侶と雖も愚かな人間。修行にはげんでもある時期は恋愛に燃えて苦しむ。一方、清姫は叶わぬ恋愛だと思えば思うほど愛欲の炎に油が注がれ益々燃え上がる。ついには大蛇になって安珍が匿った釣り鐘に髑髏を巻き、尚、執着の愛河に尽きないと言う、貴方の青春時代にも少なからず身に覚えがある話しですね。舞台になった道成寺の本堂からは立派なご本尊の千手観音が迷える私たちを救済しようと手をさしのべておられるようでした。

 その後、地元のスーパーで大小様々な有田ミカン温州ミカン完熟ミカンを試食しては柑橘類と紀州梅干しと旬のシラスなどをトランク一杯に買い占めて再び車を走らせました。寄り道で、熊野古道神宮まで行く時間が無くなり、高速道路終点の白浜温泉の立ち寄り湯につかり、太平洋の鮮魚を頂戴して、帰りは関空から湾岸道路で一気に帰ってきたのが夜の10時30分。大阪経由しているのに白浜温泉往復が約半日の行程になったのは高速道路開通のお陰です。忙しかった年末年始の褒美に楽しい南紀紀行ができました。合掌 1/8

<鬼追い修正会>

 昨日は鶴林寺の修正会(鬼追い)の儀式に随喜して参りました。例年、本堂は冷え込むので、貼るカイロを背中にこっそり一枚張り付けて参列しました。しかし、日中は好天に恵まれ、また大勢の参拝者が鬼を追い払う熱気のせいか、今年は寒気は感じませんでした。

 毎年恒例のこの鬼追いの行事が800年続き、国の安泰から地域の農業豊穣や産業発展、人々の所願成就を願うと共に、正月に当たり一年の厄を払い福を招く鬼追いをするのです。

 鬼は外からやって来るだけではありません。鬼=煩悩から起こる嫉妬や怒りであり、又、災難=病は気からと言う様にインフルエンザなど病原菌ウイルスの体内侵入や、不可抗力の災害ですが、これらも智慧によってあるていど自分自身と生活環境を考慮すれば回避できるはずです。

 なんでも災難や不幸が起こると、社会や環境や人のせいにする現在人。思い通りにならないと怒り、立身出世の妨害と見なす上司や同僚を殺してでも社会に認められる立場になりたいと願う心が個人では犯罪者となり団体ではテロリストとなり、国家ではミサイル攻撃や空爆する羽目になる。

 ふと鬼追いの儀式で感じたのは、例え姿形・思考や慣習が違っていても「認め合い・許し合い・学びあい・分け与える」努力を現在人は忘れてしまったのではないかな????と、言う思いが込み上げてきました。

 また鬼追いを見ながらこんな事も想像しました。日本国中にある「鬼伝説」「天狗」も、昔、異国から日本にたどり着いた中近東以西の欧州やバイキングの渡来人ではなかったかと。当時の農耕民族であったアジアの人々からすれば、体格が大きく、肌の色が白い為、喜怒哀楽によって赤や青にも見える。鼻は高く目は大きく、鉄を溶かし槍や刀を作る能力も伝播してきた古代文明の民族。彼らが日本にたどり着いたが、昔の日本人は外人を見たこともなく、恐れて普段おとなしい民が集団心理で鬼退治の旗の下、個人攻撃をした。これは無恥から発する集団リンチでありイジメの温床ではなかったか??しかし、鬼も本来危害を加えようとしていた訳でなく、空腹の為に農作物を取ってただけのこと、外国語の言葉が徐々に理解できるようになれば、お互いの能力や技術を教え合い、今日の文明が発展してきたのではないかな・・・。と、想像をはせ廻らしてしまったのです。

 つまり、経典にも述べられていますが、嫉妬や怒りや攻撃的な悪口や保身の嘘などは、その人の無知(無恥)から生じる。おおらかに己の我を捨てて、相手を認め、許し、自分とは違う文明や文化を尊重する事が、自分自身の心の平和を保つ事であり、その基本理念こそが唯一世界平和を構築できるのだと思います。私たち人類が一人一人佛教的平和精神を持ち続ける為に、人々は学ぶべきであり、個人の利益や権力を手にするために学ぶのは邪道なのですよ。どんな分野でもいいですから一生懸命学びなさい!同じ分野で学ぶ世界の同朋と心一つに出来る瞬間を持てたなら、もう、この世から人が人を殺傷する紛争や戦争は根絶出来るはずなのです。そして闘争心や利権を求めていた個人の心も、自分の愚かな尺度だけで捉えていた総ての地球上の動植物の生命を尊び、異文化の人種を許し認める気持ちが生じ、穏やかに平和になるはずです。 合掌 1/9

<恵比寿さんに大黒天>

 今年は、100年に一度とも騒がれる世界的な恐慌になり、商売繁盛、家内安全など祈願に全国の恵比寿神社や大黒天などの七福神に例年になく多くの方が参拝されているそうです。

 不景気になればなるほど、神社は賑わうのが常だそうです。(私共お寺は閑散としていますが・・・)

確かに、新入社員の内定取り消しや、派遣社員、派遣労働者など弱い立場の人々から順次、雇用解雇され、正社員も任意退職者をつのったり、中小企業は倒産に至るニュースが毎日されます。

 私たちの生活不安は広がるばかりです。第二次世界大戦敗戦後の日本は独立国家のようでアメリカの傘下に働かされ、ある程度の雇用と生活水準(消費文化)は向上したかもしれません。しかし、それはアメリカ指導の経済サイクルの中で踊らされただけで、日本の文化も精神も貴重な自然界からの恵の農業も漁業も自給自足できないまで弱体化していたのです。

 その危険をこの数十年様々な生活環境事件から警告されていたのに、日本政府は戦後のアメリカ支配から脱却する勇気ある決断も出来ず、まるで蘇生不能の患者をずるずると延命処置だけで生かすように冷暖房のある無菌状態の病室に寝かされているかの様です。

 欧州はその危機に早くから行動を起こし、ドル支配の通貨から困難を克服してユーロ通貨を流通させ、果てはEU連合まで現実の物としたのです。それは、主食のパンの麦やジャガイモから酪農製品まで食料自給率が欧州主要国家は100%を超えている強みがあるからでした。

 顧みて日本の食料自給率は30%前後。台所事情がこれでは、強い発言も行動もとれないのが事実ですね。商売繁盛も必要ですが、金融為替や株式市場で架空の金儲けに見切りをつけ、消費文化から脱却して実質的な古来からの、生産農家や家内産業、酪農や漁業の発展の為に、耕作地や海洋の継続的環境サイクルを取りもどす為に、人間の基本的生活態度を正すべきなのかもしれません。環境を破壊し、資源をむさぼり、劣悪な環境にしているのは、車の窓から灰皿をひっくり返して捨てたり、ポイ捨ての缶やペットボトルを平気でする人種が増殖しすぎているのです。「嘘つきは泥棒の始まり」と同じように「ポイ捨ては環境破壊の始まり」なのです。勝手な神頼みの前に、自分の行動を戒める時代に突入したことに早く自覚をもって、誓い将来に必ずやってくる食糧難や厳しい異常気象を皆で回避しましょう!合掌 1/10

<西の空に満月が沈む>

 太陽が沈めば真っ赤な夕焼けになりますが、月が沈めば東の空から朝焼けが始まるだけで、月の存在が薄くなります。今朝は全国的に豪雪吹雪と天気予報にありましたが、此処の空は満月で星も出ていました。しかし風が強く可成り厳しい寒さを感じましので、墓の水差しが凍ってるかなと指を入れてました。ところが氷ははっていないのです。吹き荒れる風の為、体感温度が冷だと錯覚に思ったのですね。

 まったく、人間の感覚と言うものは、時には超能力的な働きをしたり、芸文の世界でも素晴らしい感覚を目覚めさせ、音楽や宗教ではある種、麻薬陶酔的な悦楽感を与えてくれますが、体感温度を含め、自分の経験や尺度によっては、いいかげんなもんでもあります。

 そこが人間同士の感受性が若干違い、おもしろく、それを伝える手段や能力にも百万通りあるから、芸術が生まれたのでしょうね!とぎすまされた人間の感性と感動は小さな子供の頃、母親の感性に大きな影響を受けます。美しい感動や、逆境でも「愚痴や文句」を口にしないで、逆の発送で喜びや楽しさを伝える心の広さと発想の転換ができる様になりたいですね。テレビ対談やコメントで見る喜ばしい昨年の日本人ノーベル受賞者たちの着眼点や発送はやはり普通ではなく本当に愉快でした。世の母親の皆様!貴方が与える影響は胎児の時から出産、授乳期から幼児園卒業の頃まで、子供の人生に係わる感受性に大きく左右するのです。感謝と感動を伝えてください。愚痴は決して伝えてはいけません。子供が蓄えるのは母乳や血液だけではありません。スキンシップで伝わる心の有り様も総て受け取ってるのですから・・・・。合掌 1/11 

<成人式>

 母が元気だった晩年頃までの毎年1月3日は初釜を寺で一日中催し、普段お稽古に通うお弟子さん達が鮮やかな振り袖姿のお姫様に変身して来られるのが愚僧が子供の頃より明るいお寺の行事として楽しみにしていました。

 しかし、母が脳梗塞で倒れリハビリ闘病期から初釜が中止され、この世から去られたここ数年、落慶式典や晋山式などの大きな寺の行事以外で、晴着姿の娘さんをお寺で見かける事が希になっていました。

 ところが、ここ数年私の弟子が時々、成人式の帰りに晴着を見せに来てくれるようになりました。昨日も県立の音楽高校受験前からレッスンに来ていた少女が、母に連れられ、その母が着ていた振り袖を着こなし挨拶に着てくれました。嬉しく思うと同時に、本当に驚きました。なにしろ最近までずっと中学生のイメージだった少女が美しい女性に変身しているのですから・・・。成人式で本人も大人の仲間入りで喜びと社会人としての責任を自覚した事でしょうが、やはり、此処まで育てたご両親、祖父母様の思いが総てこの晴着に詰まっていると思うと、感無量でした。

 近年は成人しても、子供を持つ親世代までも、幼稚で、社会的に協調するどころか迷惑をかけたり、危害を加えたりする大人が日本に増えてしまいました。武士道の哲学や倫理を学んだ寺子屋を復活させなければなりません。このままでは偽りの成人日本人が増殖して、こうした晴着姿で成人式を迎えた社会人1年生のお手本にもなれない時代が来てしまっています。   

 人前だけ聖人君子を演じても、心の中が幼稚で邪悪なままだと、いつか大人社会で本性がバレてしまい社会復帰できなくなるでしょう。そんな成人には決してならないで、今年成人式を迎えた諸君は、決して学ぶことを止めないで、青春を謳歌してほしいものです。学ぶことは自分の心を広く大きく成長させるのが目標ですからね! 合掌  2009.1.12Miyuki.jpg

<山陰中国山脈は大雪>

 毎朝の鐘突と境内諸堂諸佛参りで寒さを感じる昨今ですが、この辺りは雪に覆われたり氷がはったり霜柱が立ったりすることが一冬に殆ど無くなりました。ところが、地域によっては、まったく気候も温度も違ってくるのです。昨夜は播但自動車道で2号線から福崎まで、そこから中国縦貫道で福崎から院庄まで走り、日帰り奥津温泉まで往復5時間の旅程を、ちょっと市内のホームセンターに買い物に行った駐車場からの帰りに反対方向の北側出口に出た為に、咄嗟的に衝動的ドライブを思い立ってしまったのです。そのドライブの間に車窓からの景色が一変するのです。院庄から奥津までの整備された道で、トンネルを抜けるたびに路肩の雪の高さが増し、縦貫では夕陽にまぶしく好天に恵まれたのが、遠く人形峠辺りの山々は真っ白に冠雪していました。上空の気温がマイナス6度以下になると降雪になり。地上では零下が続くと地面まで凍り付きます。つまり、この状態が、車の運行上最も危険な状況です。路面の凍結にならない内に山間部を脱出しなければと午後7時に奥津を出発し9時30分に帰宅しました。遠くまったくこの辺りと気候風土が違う別天地から高速道路を普通に走って、たった1時間半で移動出来る実感も感動ですが、この時期上空の気温の僅かの差で、銀世界と草木枯れた茶色世界に別れるのも不思議な現象だと今更のように感じた4半日でした。同じ日本でも所変われば風土も違い生活も違う。当たり前ですが、自分を中心に物事を判断したり自分の考えを押しつけるのは、経験不足と努力不足による無知をさらけ出す様なものですね。学べば学ぶほど、知れば知るほど、膨大な多様性の中に真実が見えてくる物ですが・・・・・・・。 合掌 2009.1.13OkutsuOnsen.jpg

<霧の境内>

 今朝は門を開けると、境内が真っ白の雪で無く、霧に包まれていました。霧は温かい空気が冷たい空気に急に出会ったときに発生する現象です。つまり風呂の蓋を開けたり、ストーブの上の薬缶の口から吹き出す水蒸気と同じです。霧は暖かいイメージがありますが、今朝は凍る程の寒さです。つまり大気の方が急激に冷たい為にいつもと変わらぬ大地の温度から霧が発生したのでしょうね。それにしても、ここ数日の冷え込みは、子供の頃の冬の寒さを思い出します。ずっと地球温暖化による暖冬が続き、本来の冬の寒さを当たり前と感じなくなっていたのですね。慣れや習慣は感覚を鈍くさせる事があります。逆に正しい習慣や正しい作法の慣れを修得すると、人が驚くことも普通に出来てしまう物です。経験や記憶のデーターから分析し行動出来るのは情報量を多く処理した人の方が、より正しい判断と行動がとれるのです。文明人の一方的な見地から未開の集落の原住民を下に見る傾向があります。ところが、自然界を相手に、雲の流れや、山河の変化、海流や気流の変化を感じとり、一極集中方の天候を読む能力では、文明人はかないません。文明人は人工衛星やあらゆる機械のデーターを元に天気予測をしますが、そんな物が無くても、研ぎ澄まされた超能力的第六感を彼らは皆、自己開発して持ち合わしているのです。人間の存在能力を開発できない文明国民は、少々物質文化が豊かになっても、精神文化が幼稚になり、誤った方向へ流されやすいのです。以心伝心とは相手が思ってる事と同じ事を考える意味に現在は使われていますが、達磨和尚が悟りを開き創設した禅の心では、読んで字の如く、心で持って心を伝える!です。現在漫画世界で言うテレパシーであり、裏表のない真実の言葉となる心で伝える事が以心伝心です。嘘偽りを伝えてはなりません。現在文明国家は、経営上商売の為、仕事の為と自らの罪悪感を防衛しながら平気で嘘偽りを正当化して金儲けをするのですから、先進国とか発展途上国言われてる指導者や消費文化に乗ってる人々は全員地獄に堕ちる羽目になるのでしょうかね? 

 さて今日は門と唐門の幕を降ろし、出入り口に付けた襁褓を取り外して縄を燃やして餅をとんどで焼いて食べるかな!!!合掌 1/14

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