本-開音楽の館各種団体芸術週間公演本-開

(その1)第153回音楽の館定期演奏会

<<Vc秋津智承VS岡原慎也Pf>>

音楽の館定期演奏会や室内楽アンサンブルにそれぞれが常連出演してた、
円熟の域に達した国際的水準を超える二人が、始めて二重奏の夢の共演が叶った!
これほど音楽的情緒豊かな表現と音色が融合した二重奏が聴けた事は、
最上級にラッキーで希な顔合わせだったと満場の聴衆が異口同音に感動を表したのでした!
終演後、同じく音楽の館常連のアーティスト稲庭達が聴衆の一人として客席に座っていたが、
本日の打上パーティー兼、館長のバースデーパーティーとなった宴会で
お得意のレパートリーを辻音楽師の様に弾きまくり、
誰が今日のゲストだったか解らなくなるほど、非常に楽しく盛り上がった!

 第153回目の音楽の館定期演奏会では、今まで何度も当団室内楽公演で顔を合わせながら、二重奏をしたこと無かった二人が始めてデュオリサイタルをご縁のあった出会いの場で開いた! 

プログラムは

J.S.バッハ作曲・・・・・・ガンバソナタ より第1番 ト長調 BWV1027

シューベルト作曲・・・・アルペジオーネとピアノのためのソナタ イ短調 D821

メシアン作曲・世の終わりのための四重奏曲より第5楽章「イエスの永遠性への賛歌」

フランク作曲・・・・・・チェロソナタ イ長調 アンコール数曲。

と言う、実に聴き応えのあるプロを、これまた円熟の域に達した秋津智承と岡原慎也が奏でたのです。

 二人の演奏は「痒い処に手が届く」とは将にこんな演奏を言うのだろうかと思える、お互いの反応速度が速い音楽の駆け引き、寄せては引く遠く大海原から幾重にも止まることなく次々に浜辺に届く波の様な感動を、聴く者全てに与える円熟の音楽的テクニックも惜しみなく出し合い情熱的演奏を繰り広げたのです。

ですから、お客様達も、もうたまったものではありません。押し寄せる感動の波に興奮し、鳴りやまぬ拍手でアンコールを延々と聴きたいと欲する音楽の麻薬患者の様になってしまったのですから・・・。

 兎に角、音楽と言う魔物は、演奏者も聴衆も、作曲家も楽器制作者も、舞台芸術関係者全てが、歴史的時間や場所的空間、国や人種、老若男女も関係なく超越し、ただ自分の心の耳を傾けさえすれば、全ての人々に幸福な感動を分け隔てなく与えてくれるのだから、神や仏の慈愛その物のようだと、本当に感じてならないのでした!今回も、この上ない感動のバースデイ・プレゼント、有り難う御座いました!  合掌   

2008.10/25(B.D=Satori)

 

(その2)定期の翌日、二日酔いで即興和洋コラボ演奏

 「津軽の風」と題した和洋コラボ公演の当日、昨夜の楽しい打上で久し振りに飲み過ぎ、二日酔いの頭痛をかかえて午前11時のリハーサルに間に合うように楽器を積んで小野市に新しく出来た「うるおい交流館エクラホール」に向かった。着くなりピアノとのリハーサル合わせの時間となり、久し振りにいきなり楽器を弾き、弦を押さえる力も鈍り、頭痛が取れず、いまいち集中出来ずピアニストに弁解じみた二日酔いの事情を話し、適当にリハーサルを終えてしまったのです。

 昼食弁当早めに食べた後、出番まで時間があったので移動公演ツアーマイクロバスで一眠り、出番の頃には二日酔いも醒めて調子が戻ったのは良いが、和太鼓や篠笛、津軽三味線とはリハーサルをしないまま「打ち合わせもしないで本当にちゃんと一緒に演奏できるのやろか??大丈夫かな〜??」と心配しながら本番ステージに立ったのです。

 ところが、その心配もどこかに吹き飛び、音楽の女神が舞い降りて来てくれてと感じた即興演奏のクライマックスでは迸る汗しぶきの熱演に、会場から拍手が湧き起こる興奮状態になってしまった自分が不思議に思えました。

 即興演奏はまるで命をかけた他流試合の真剣勝負、唯一、信じられるのは自分の集中力と、相手との気転の駆け引きなのですが、今回も、津軽三味線とも和太鼓とも篠笛ともピアノともパワーアップして楽しく思える程、相互に良い方向へ影響しあえたのです。

 このスリルと冷静な興奮がたまらなくなると、やはり前日の演奏者や聴衆と同様に、音楽の麻薬常習患者に陥るのかもしれません。皆さんも気をつけましょうね。

でも、この音楽の麻薬で警察に捕まった人も、亡くなった方もいません。むしろ頭の回転が良くなり、血流も正常化され健康になるばかりか、人生に夢と希望が持てて、心が優しく穏やかになり、幸福感が一杯になって周りの人々にも、意識しないままにエネルギーと慈愛を与えられるのだから、これが本当の愛の妙薬なのかもしれませんね!

2008.10/26

 

(その3)コントラバス・オーケストラ重低音炸裂

 11/3東灘区民センターうはらホールで開催されたグーテ・ムジークコンサートVol.3と題された演奏会に5本のコントラバスとピアノのグループで出演した。今回のバスオケには新たに2名の新人男性が加わり迫力が増した演奏だったようです。また、6組の出演者の中には旧知の楽友も出演していて、非常に懐かしく再会できました。その上、お客様の中にも久しく会っていない懐かしい人が思いがけず訪ねてくれて感激した一日でした。

 コンサート主宰者も旧知の仲のソプラノ歌手で、今回その伴奏者がドイツ人で戦後まもなく最初期に日本の音大で指導されたピアノ教授でした。打上懇親会で同席したのでお話しすると、何と初来日の時は欧州から船で40日もかけて来られたとか、様々なエピソードなど貴重な経験談を楽しく教えて下さり、第二の故郷と慕われる日本への思いを強く感じられた次第です。

 この100シリーズで何となくメインテーマとなってる音楽の不思議な力を読者の皆さんも感じられませんか?出会いが出会いを呼び、また感動と笑いを共にする仲間が増え、久しく会わなかった共に笑った仲間とも再会できる。一緒に演奏すれば師弟も性別も年齢もお国柄も人種も関係なく心が繋がる。こんな奇跡的な善行の功徳が得られるのは音楽の不思議なエネルギーは、音楽の神様「ミューズ」、音楽の仏様「音声菩薩」のお陰なのでしょうかね??

 金儲けが第一主義の営業も家族を養い今を生きるためには大切ですが、損得勘定だけで動くのではなく、音楽を聞きに来て下さったお客様に喜んで貰う為に一生懸命汗をかくほど熱演したり、心を込めて一心不乱に集中したいものです。それこそが、同じステージ立つ仲間と協調出来て同じ方向に音楽的思考が揃う、将に平和の原点かもしれませんね!   合掌   

2008.11/3

(その4)僕のドイツの楽器をフランスの室内オケがフレンチボーで演奏

 フランスから度々来日公演をしているトゥールーズ室内オーケストラのコントラバス奏者にマネージャーから僕の楽器を貸して欲しいと連絡が有りました。来日公演スケジュールを聞きますと前記の和洋コラボ即興演奏やコントラバスオーケストラ公演と重なっていた為、愛器のフィオリーニを貸し出す事も出来ず、セカンド楽器だったグランチーノも手元に無く、ウィーンの楽器も手放してしまい、旧東ドイツの制作者ザウマーのブセットタイプの楽器を貸し出すことに躊躇いましたが結局お貸しすことにしました。

 実は、僕がコントラバスを専門に選んだ高校の時に、始めて師匠の紹介で買い求めたのがザウマーだった(因みに、この楽器の付録としてホイヤーの弓が付いていた)事から、数年前に大阪の楽器店で見かけたときに懐かしく思い、再び室内アンサンブルやレッスン用に購入した楽器です。ですから私の中では4番目の地位にある楽器でした。にも係わらず、その楽器を貸したお礼に日本公演最終日が神戸国際会館と言うこともあり勿体なくも来賓席招待券を頂いたのです。出不精の私ですが、自分の楽器を聞く事などあり得ない奇遇なので喜んで久し振りに正装して出かけたのです。

 予想通り4/3/2/2/1/の弦楽合奏の編成に、「あの楽器でも良かった!大丈夫だった!」と、演奏前の椅子の並びを見てホット胸をなで下ろしました。何故なら、レッスンで誰でも弾きやすいように弦高を若干下げていた為、弦に圧力かけることが出来ず、パワー不足ではないかと心配していたのです。ところが、ソリストに最近人気の日本人美人ギタリストが加わり、全体的にもフランス語の様に実に耳障りの良いソフトな響きの心地よいコンサートに耳に馴染んでくると、大ホールの客席に豊に響いてくるバスの音に嬉しくなってしまいました。

「いや〜、オケのバランス最高!バスの音が豊満でありながらクリアーな発音!良い楽器だな〜!見た目も均整とれた美しい楽器だな〜〜!いい奏者だな〜〜!」と、その人が本国から持ってきた楽器のように似合って見えたのです!

 終演後、舞台袖まで楽器を返して貰いに訪ね、バス奏者と始めて対面して話をしたのですが、殆どが身振り手振りジェスチャーで殆どがテレパシーで通じ合う挨拶でした。それもそのはず、奏者はフランス人で母国語しか喋らず、僕はドイツ語と片言の英語、楽器はドイツ制作で、弾いた彼の弓はフランス人制作のフレンチボー、それぞれが楽しく集結した場所が日本の神戸と言うのも何かのご縁! これを国際文化交流と言わずして何と言う!!!  合掌

2008.11/6

 

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