本-開車椅子で観梅本-開

昨日2/23日の日中の気温は16度と春の陽気でした。ちょうどリハビリに毎日通う母が毎週水曜日は休息日なので、綾部山の梅林へ観梅に出かけました。揖保川と播磨灘が織りなす瀬戸内海では珍しい自然の砂浜が残る新舞子浜を見下ろす山を登ります。登山口にはちょうど車椅子が用意されてましたが、何故か長いロープが車椅子に設置されてるのです。駐車場で乗り換えの時はロープの意味が解りませんでしたが、直ぐに昔ロープで遊んだ「電車ごっこ」の様に先頭の者がロープで引っ張りながら後続者が運転をする為のアイデアだと直感しました。さっそくロープの輪の中に息子の私が入り動力車となり、後から孫の三千が運転手、同年代で寺を隠居された足が元気な元、寺庭婦人が横からサポートしての登山の一行は目立ちました。行き交う観光客に「頑張って」「もう少しですよ」と声をかけられながらも、三分咲きの梅林の白梅、桃梅、紅梅、鑞梅の可憐な花と甘い薫りに誘われ、恐縮がる母も笑顔で挨拶を交わしていました。

毎朝夜明けとともに竹ホウキもって広大な境内の掃除をしてから一日の仕事をしてた元気な母も、3度の脳梗塞に倒れた後は入退院を繰り返し、リハビリに通っても最近いよいよ足が前に出なくなり車椅子生活者になられてしまいました。自宅介護は大変で毎日の様に昼から姉達がそれぞれの家庭に犠牲を払いながらも来てくれ、外孫が納屋小屋に寝泊まりしながら夜の介護をしてくれます。こうして母は身内に自宅介護され、梅林の花か、純粋潔白な子供が笑う様に笑顔を見せてくれるようになりました。

その笑顔は、自分勝手な一切の時間を切り捨てて介護する者には大きな喜びに感じるのです。こうした介護の様な「忘己利他」の精神こそ、現在社会に望まれる大慈悲なのですね。合掌 2/24(曇り)

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