☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

法泉院檀信徒会報

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

平成20年 冬号2008.11/12発行

発行元[法泉院住職・水足檀信徒会]

1.**十夜念仏会**

           (前日までに和讃衆有志により掃除&法要準備)
 12月3日  午前10時(於:教信寺本堂=法要・塔婆回向・説教)参詣者
      午後12時(於:法泉院庫裡=内佛回向・昼食懇親会)参詣者
      午後13時(於:法泉院玄関土間=十夜袋回収俵詰め)世話人

2.**十夜袋お供え物のお願い**

 白米、玄米、豆類、お布施など最近は多様化しています。米袋に分別詰めの折りに混入防止の為、各隣保世話人役員が回収した時に、中身をお告げ頂けると、仕分け手間合理的になり幸甚に存じます。何卒ご協力の程お願い致します。

3.**十夜袋貼付・回向紙記入のご注意**

 当日読み上げ回向を希望される戒名、又は○○家先祖代々とご記入下さい。
(注.回向紙を十夜袋に貼り付ける注意事項は、裏全面に糊付けしないで、すぐに剥がせる様に米ノリなどで上下2点だけ止めて下さい。十夜袋を本堂祭壇にお供えする時に年番が回向紙を剥がし取り、当日各院住職が一枚毎に読み上げます。

4.**十夜会に新米お供えで徳を積む菩薩道**

 教信寺では12月3日(旧暦十月)に毎年行われる十夜会ですが、お釈迦様が悟られた成道会や、恵の収穫感謝祭なども兼ね備えた法要として執り行われ、念佛山教信寺の昔からの習わしでは、ご先祖様の追善供養をも付随しています。
 何故なら、私たちがこうして生かさせて頂いているのも、総ては極楽浄土に先に行かれたご先祖様のお陰だからです。例えば、当たり前の様に美味しい新米を口にするまでには、古代から郷土に定住し、土地を開墾し、水利の為に河から水を引き、ため池を作り、田を耕し、徐々に新種改良研究された種をまき、毎日天候と共に田畑に出て育て、刈り入れ、脱穀して、今、仏縁で結ばれた奥さんが炊きあげたホクホクご飯が、お茶碗に盛られ、いつものように家族の食卓に並び、「頂きます」と箸に運ばれた米を口にした瞬間「美味しい」と感動するのです。そんな長大な時間と膨大な労力、そして太陽の恵み、地球の自転、宇宙のリズムの莫大な恩恵に、手を合わせらずに居られなくなった貴方様は、既に慈悲深い菩薩道の半ばを歩まれてますよ!

5.**ミニ法話シリーズ「108の煩悩」**

 教信寺年中行事最後の十夜会が終われば、除夜の鐘からは新年度の年番に代わります。30年ほど前までは、除夜の鐘も静かに年番住職が一人で108つ突いていました。しかし近年、除夜の鐘に400名前後の参詣者が鐘突に来られるようになりました。悩ましい近年の世情を映してか、108つでよい除夜の鐘が300以上にも毎年なっています。それだけ煩悩が増えてしまったと言う訳なのでしょうか。
 さて、仏道の最も重要な目標は即身成仏であります。しかし我々凡人は、お釈迦様や諸菩薩様の様に特別な修行が出来ません。だから先ず執着する心を捨てる事から始めなくてはならないのです。苦悩から開放される為に、旧年の厄、諸悪の根元である煩悩を、除夜の鐘の響きで抑え封じ込め、新年を迎えるのです。
 除夜の鐘は、有り難い事に、私たち凡人に仏様から頂いた大いなるお許しのプレゼントですし、毎年誰もが頂けるリセット・リスタートのチャンスなのです。
 大晦日の最後の夜に身を清め、続いて新年の零時には修正会で祈願、その上、一年間修行が失敗しても大丈夫!誰にでも、翌年リベンジ機会がやって来ます。
但し、貴方がこの世に残された時間内でタイムアウトしない様にご精進下さい!
 ところで、「煩悩」とは、(わずらい)と(なやみ)と書きます。つまり我々の身心を煩わし悩ます精神的な作用が煩悩です。煩悩の根元は(貪欲トンヨク)むさぼりの心、(瞋恚シンイ)怒りの心、(愚癡グチ)愚かさの心、の三毒と呼ばれる執着する心や、恨みの心です。更に人を愛する事までも煩悩でもあります。なぜなら愛する人を自分の思い通りにしたいと考えてしまうからです。
 此処で愛と慈愛の違いを心得なくてはなりません。慈愛は慈しみの心ですから
特定の対象となる人物やペットや物を超越し、分け隔てなく注がれ、報酬や見返りなど恩を売るものでは決して無い、純粋な佛心です。
 或いは又、山積した難題を解決する苦しい時に「四苦八苦したな〜!」とよく使う言葉があります。此処に(4×9)+(8×9)=108と言う方程式が出来ています。
何だこりゃ?つまり四苦八苦=108の煩悩と言う上手い言葉の語呂合わせです。
 経に説かれる本来の意味は、最初の四苦が、(生)まれた環境の苦。(老)いて50歳を過ぎれば若い頃のように体が動かない苦。(病)に倒れて難病に蝕まれる苦。(死)にたくないと言う苦しみや、死にたいと思う苦しみ、そして誰しもが直面する死の恐怖。 これに後の四苦、(愛別離苦)愛しい人や可愛いペットと別れが必ずいつか来る苦しみ。(怨憎会苦)職場や学校の同窓、近隣の住人、嫁と姑や小姑、等、どうしても憎みあってしまう関係の人と、いつも顔を合わせ会わなくてはならない苦しみ。(求不得苦)自分の願いが叶わず金・物・愛・自由・権力・地位・名誉などが得られない苦しみ。(五陰盛苦)人間の心身の5つの欲望で、色・受・想・行・識が盛んに起こる苦しみ。以上の4つを加えて四苦八苦と言います。此の苦しみの根元を断ち切る方法を2500年前から説き、教えて下さるのがお釈迦様の佛教で、即身成仏への仏道修行の神髄なのですね。 南無阿弥陀仏。合掌。

教信寺兼務法泉院住職慶悟