追っかけ日記

last modified at 2002.01.14

書下ろし

[06.07] [06.08] [06.09] [PROGRAMME]
またしてもSanderlingにふられてしまった。
前月のZürichの様子から、3日連続は振れないかもしれないとは思って居た。 それでも、Berliner Phil.のweb siteを何度も確認して、その度にSanderlingの名が残って居るのを見て安心して居た。 出発直前の日曜の夜も。
出発の週の月曜夜、再び何気なくBerlin Phil.のweb siteを見、Sanderlingの名が消え、Haitinkの名が載って居るのを見てしまう。 今更航空券のcancel料を払っても悲しい。
その夜は何もする気力が無く、只、知人達にSanderlingのcancelをmailしまくる。
火曜水曜、必死にBerlin周辺の予定を検索するが、流石にそろそろSeason off。 殆ど、面白そうな演奏会は無い。 土曜の夜にWeimarで画家マティスのオペラ版があるのを見付けた。 無理すれば、日曜朝Berlin発の帰国便には間に合うだろう。 後は、Deutsche OperのBallettがある位。

2001.06.07 (Do)
ハレルのチェロは、昨年聴いたときは、余り印象に残って居なかった。 今回は、前回と違い、松脂が飛び散りでもしそうなゴリゴリ感が面白かった。 拡散することなく、音が迫ってくるので、余計迫力を感じる。 この辺が、GasteigとPhilharmonie, Berlinの音の違いなのだろう。
そして、このゴリゴリ感がショスタコに実に良く合うのだ。 このショスタコが、もしSanderlingの伴奏だったら・・・きっと、僕の想像力を超えた面白さだっただろうに。

2001.06.08 (Fr)
流石に3日連続でHaitinkを聴く気にはなれなかった。 と言う訳で、まずはDeutsche OperのKasseへ行き、今晩のBallettの券を捕獲。 どうせSanderlingは聴けないから、夜まで体力を温存して居る必要は無い。 と言う訳で、レコード屋・本屋・古本屋の梯子。

今年産まれて初めてBallettを観て以来、何故かBallettが面白い。 しかも曲は大好きなGoldbergだ。
今回初めて、バレエの為の作品では無い演目を観たのだが、思って居た程、違和感は無い・・・なんてことを考えて、何気なく眼を閉じて驚いた。

眼を閉じた途端、違和感だらけになった。 「あっ、音を外した。 あっ、音を端折って居る。 あっ、テンポが崩れた・・・」云々と言う、ピアノの技巧の問題もそうだろうが、ピアノの音だけを聴いて居ると、納得出来ない演奏だった。 僕は、例えば、軽快な第28変奏の後、第29変奏を極端に速くし、第30変奏を極端にねちっ濃く弾いて、最後にアリアを素朴に演じて閉じる・・・みたいなメリハリのはっきりした演奏が好きなのだ。 眼を閉じて居る時に聴こえて来る演奏は、ただ、譜面を追って居るだけに思えて、何を弾きたいのか、理解出来なかった。
それが、眼を明けて舞台を観て居る時には、演奏の解釈以前の、演奏の稚拙ささえも気付かない。 良きBallettの聴衆としては、振り付けの妙を称えるべきなのだろうが、にわかBallettファンなもので、自分の耳の良い加減さに嘆息してしまう。

後、印象に残ったのが群舞の女の子。 背丈が揃った群舞の中に、一人だけ頭一つ背の高い女の子が居た。
景色の座りが悪いものだから、最初はそれが気になって、彼女に目が向いてしまう。 その彼女が意外に良い。 周りより長い手足を、存分に伸ばして踊って居る姿のひたむきさが可愛らしい・・・と書くと、只のオヤジだな(^_^;)
Soloならともかく、群舞の中で独りだけ体格が違うのは、既にハンディキャップになって居る。 それを知ってか知らずか、彼女は敢えて、丹念にその伸びやかさを表現して居た。 実力の伴わない、只のひたむきさ"だけ"だと迷惑なのだが、彼女の踊りは、一見の違和感を超えて居た。

2001.06.09 (Sa)
結局、面倒臭いが最大の理由でBerlinに留まった。 それに、画家マティスとは言え、CDで聴く限り、George Alexander Albrechtの棒では余り面白くなさそうだったし。 と言う訳で、再び、Haitink。
Haitinkは、巧い・・・んだけど、何か盛り上がれなった。 勿論、最大の理由は、聴き手である僕自身が、Sanderling cancelで拗ねて居たからだが。 もう少し遅くしたら、もう少し速くしたら、もう少し押さえたら、もう少し鳴らしたら・・・の連続で、突っ込みが足らない。 後、もうほんのちょっとのところで、肩透かしを喰らって居る気分だった。 中途半端に、「巧い」だけに、余計、もどかしい。 これが、箸にも棒にも引っ掛からない位、外してくれれば、「もう、二度とHaitinkは聴かない」で済むのだけど。


PROGRAMME
2001.06.07 20:00 : Philharmonie, Berlin
Schumann, R : Ouvertüre zu Manfred op.115
Schumann, R : Konzert für Violoncello und Orchester A-moll op.129
Brahms, J : Symphonie Nr.2 D-Dur op.73
Haitink, B / vc. : Harrell, L; Berlin Phil.
2001.06.08 19:30 : Deutsche Oper, Berlin
Bach, JS : Goldberg Variationen
pf. : Botvinov, A; Ballett der Deutschen Oper Berlin
2001.06.09 20:00 : Philharmonie, Berlin
Schumann, R : Ouvertüre zu Manfred op.115
Schumann, R : Konzert für Violoncello und Orchester A-moll op.129
Brahms, J : Symphonie Nr.2 D-Dur op.73
Haitink, B / vc. : Harrell, L; Berlin Phil.

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