前月のWandに、Zürich廻りで駆け付けたSoさんが、Zürichの新聞に、SanderlingのZürichお別れ演奏会の広告が載って居たと言って居た。
帰国後(2001.04.13)、念の為と、Tonhalleの事務局にfacsimileを入れたら、2001.04.17に
"May 15 and 17
Anton Bruckner Sinfonie Nr.7 E-Dur WAB 107
SFr. 21.-/31.-/42.-/63.-/84.-/95.-
Available in each categorie!"
との返信。
連休中、散々悩んだ。 木曜公演のみにすれば2日休むだけで済むし、2日程度なら仕事も何とか遣り繰り出来るだろうし・・・旅費も06月分のを前倒しして使っちまおう。 と言う訳で、旅行代理店に連絡すると、SRもLHも1泊2日だと正規料金でしか発券出来ないと宣まう。 「聴きに行く!」と言う気持ちが固まってしまったものだから、今更、諦める気になれない。 しょうがないので火曜から休暇を取ることにする。
2001.05.15 (Di)
ってな訳でSR。 初めてMD-11に乗った。 前方のblockの席だったこと、余り混んで居なかったこともあって、快適。
本当に振るのかよと言う懸念は常に付き纏って居た。 事務局から変更を知らせるfacsimileは来なかった(* 尤も、「予約が取れてとっても嬉しい。 Sanderlingと貴方のオケの快演を期待します。」なんて書いて送っても、Sanderling cancelと知らせて来た例が無い *)、会場のポスタにも訂正は無かった、変更を知らせる貼り紙は無かった、ProgrammにもSanderlingの名前が載って居る。
ポスタと言えば、2001.05.19にリヒテンシュタイン客演の案内が載って居た。 そうと判って居れば、木曜のZürichと土曜のVaduzの2公演を聴いて月曜朝帰国という手もあった訳だ。 これなら格安航空券で、且つ、木金の2日休むだけで済んだ。 事前情報収集不足の一言に尽きる。
席は、バルコン左端だったのだが、対角線上の舞台右奥のTubaがなまら響いて居た。 決して安定した音では無かったが、終始Tubaが、穏やかに、それで居ながら芯のある野太い音で、鳴り響いて居た。 超絶技巧とは口が裂けても言えないが、それでも強烈な存在感のあるTubaだった。
2001.05.16 (Mi)
事前に調べた所では、03月に観たBallett位しか無かった。 昼、OperのKasseに寄り、券を確保。 前回LinksだったのでRechtsにする。 イタ飯屋の看板にシュパーゲル・オムレツと言うのがあったので、わくわくしながら注文・・・緑のアスパラガスだった(>_<)
翌日Tonhalleのちらしを見て気付いたのだが、実はこの日、Blomstedt/Gewandhausが演って居たらしい。 Blomstedt、初回の印象がとても良かったので、その後何度か裏切られて居るのだが、それでも未練の残る指揮者だ。
Ballettの方は、流石に、2ヶ月前に全く同じ出し物を観て居ると、新鮮な感動と言う訳にはいかない。
2001.05.17 (Do)
以前聴いた史上最高のブル7には遥かに及ばない演奏だった。 これが多分最後のSanderlingのブル7だと思うと余計に寂しかった。
悲しかったのは、バイエルン放送響に比べ、オケの実力が格段に劣って居たのもあるが、Sanderlingの衰えを見てしまったから。 腕も上がり切らず、例の仰け反りも出来ず、3楽章の半ば辺りには椅子に座り込む始末。 その後も、立ったり座ったりの繰り返しで、その立ち上がろうとする間合いも音楽の盛り上がりと一致して居ない。 単に、本人は立とうとして居るのに身体が言うことを聞かない様に見えた。
目指して居た音は、間違いなくバイエルンのそれだっただけに、その落差は痛々しかった。
唯一、Sanderlingの気概を感じたのは、終演後。 花束贈呈で、どういう会話があったのかは判らないが、受け取りを拒んで居た。