2劇通信・幕の内タケ第9号 1998年(平成10年)9月26日
お年頃若手インタビュー
今回の巻頭を飾りますは、若手若手と言われつつ、はや三年目の二人。初主役を務める正木喜勝、暑苦しい演技でおなじみの山田智之。お年頃の二人、初めてのインタビューです。
正木 あ、どうも。
山田 なんか緊張すんなあ。
― 二人は仲いいんですか?
正木 そうですねえ、昔はいつも一緒にいたんですけど。
山田 最近はそうでもないなあ。昔はお風呂に入れてもらったりとか。
正木 後はゴハンをおごったりとか、ゴハンおごったりとか、それからゴハンおごったりとか。最近食事はどうしてるの?
山田 いや、晩ゴハンにトコロテンとか。安いし。一食百円切るよ。
― えー、それじゃ芝居の話を・・・
今回正木さんは初めての主役ですけど、どうですか? 緊張します?
正木 いえ、プレッシャーは全然ないですね。もうなんか、「いっとこいっとこ」って感じです。どうも僕って、あんまり印象に残らない役者らしいんで、今回こそはね。
山田 なんか後ろ向きな目標やな。
正木 こういう言い方はいいかどうか分からないけど、お客さんを「攻めて」行こうってね。
― お客さんの心に残るように踏み込んでいきたいってことかな。山田さんはどうです?
山田 僕がいつも考えてるのは、いかに目立つかってことですね。まずそこ。
正木 やっぱり。
山田 それだけじゃなくて、いかに共演者に気持ちよく芝居してもらうかを意識してやろうとしてます。コミニュケーションの大切さを、最近分かってきて。きちんとした会話が出来る役者を目指してるんです。それができた上で最終的に目立つ、と。
― 結局はそこですか。
山田 もちろん。
正木 今回は、ずっと舞台に出ずっぱりなんで、普段の稽古以外では一緒に芝居したことのない人ともからみますしねえ。もちろん新しい人とも。
山田 自分が引っ張って行かなきゃならないこともあるし。 一年前の自分と同じだなあ、なんて考えたりしながら・・・
― では、最後にお客様に一言。
山田 是非見に来て下さい。僕を。
正木 お前、自分大好きやろ。
山田 うん。