2劇通信・幕の内タケ第15号 2001年(平成13年)11月11日
劇作・演出 ダブルインタビュー
「あとは、任せた!」
阿部 おう。
音間 相変わらず態度でかいなあ。
― 今回は作と演出を、お二人で分担されるんですね。
阿部 ま、ホンは音間が書く番だよな。なんで演出はやらんの?
音間 だって、阿部のほうが演出うまいんだもん、しょうがないじゃない。
阿部 ま、やるからにはバシッとやるよ。・・・でもなあ、今回のホンは、なかなか難しいよな。
音間 なんたって、最後までバスに乗りっぱなしだからねー。嫌なの?
阿部 まさか。難しいから、やりがいがあるんだよ。
阿部 いかに観客をバスに乗せるかが勝負だね。 美術と合わせて、演出の腕の見せ所だな。
― では、戯曲のポイントは?
音間 ポイントというか、いつもと違うところと言えば、 「阿部が何とかするだろう」ってことだね。
音間 つまり。自分で演出するときは、ついつい冒険的なことを避けて戯曲を書いたりするけど、 今回は書き放題だった。
阿部 うんうん。ホンの段階で天井ができると、夢がないしな。
― では、音間さんの戯曲についてですが・・・。
阿部 すごいね。よくしゃべるとこが。あと台詞が長い。
音間 ・・・それ、ほめてんの?
― 音間さんは、言葉の力を信じているんですね。
音間 いや、むしろ逆かな。僕が好きなのは、 「話すことで本当は伝えることができるはずのこと」が、 「どうしても伝えられない」っていうのだから。
阿部 そうそう。喋っても喋っても何も言ってないも同然のセリフ。そこがいい!
音間 やっぱそれ、ほめてないって。
音間 いっぱいありすぎて何から話そうか迷うな・・・。
阿部 えーなんでー? 俺が演出なんだから音間の希望なんか関係ないじゃん。
音間 うわー! 出たー!
阿部 さあみんなー、音間のホンをぶちこわすぞー。
音間 ひえー。なんかこわいような、でもちょっと頼もしいような・・・
― で、では、一応最後に一言お願いします。
音間 僕は頑張って書いた。仕方がないから、あとは演出家に任せた!
阿部 俺も頑張って演出する。だから、後は任せた!
― え、演出の後って・・・?
阿部 それはもちろんあれだ、なあ音間。
音間 そう。後は観客の皆様がちゃんと受け取ってくれれば、 オッケーだってこと! ・・・でいいのかな?
阿部 (曖昧にうなづいている)
― は、はあ。まとまったんでしょうか。 ええと。本日は、ありがとうございました・・・。