2劇通信・幕の内タケ第11号 1999年(平成11年)11月11日
代理編集者・冨田の
1の多い編集後記
平成11年11月11日の11号、と1を8つほど並べてみました。いや、だからどうってほどのことでもないんですが。半年に一度のご挨拶、代理編集長、冨田です。
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何かで読んだところによると、ハードボイルドとは結局「やせ我慢」のことなんだとか。そう考えると、本当は欲しいくせに意気地なくあきらめて「ふっ、これが男のハードボイルドさ」なんて一人ごちる姿はカッコつけたがる負け犬たちの遠吠えのようにも見えてきます。なんのことはない、「あれは酸っぱいブドウさ」というキツネと同じじゃないですか。
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ただ世の中というのは、たいていそんなにカッコ良くもカッコ悪くもないものです。その意味で言うと「カッコいい人」って実は物事のカッコいいつかまえ方を知ってる人だと思うのです。そのままにしてればなあんてことない一日も、「やせ我慢」を「ハードボイルド」と言い換えればちょっとはカッコ良くなるかもしれない。だから、やせ我慢でも背伸びでもそれはそれでよいことにして。
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あ、ただしカッコつけたがる自分のカッコ悪さを笑える余裕は忘れずに持ちたいですよね。これがなくって笑われてるカッコ悪いカッコつけ野郎って多いことですし。
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芝居を見たりするのは心の余裕を持つためにいいみたいですよ。では、劇場でお会いしましょう。