2劇通信・幕の内タケ第11号 1999年(平成11年)11月11日
岸本・岸村の
「おかしな二人」インタビュー
二人同じ時期に2劇に入ってまだそれほど時もたっていないのに、気が付けばなんだか目立つ役をやってるこの岸本(男)・岸村(女)。実は決して普通の人間ばかりとは言えない2劇の中でもちょっと変わった人たちなのです。果たしてちゃんと話が聞き出せるのか? 今日はちょっと不安なインタビューです。
岸本 気のせいです。
― ・・・ええと、まだ本公演に出るようになってそれほどでもないですよね。
岸村 今度で3回目かな。
― すでに芝居の中では重要な役割を任されていますが、そのへんいかがですか?
岸村 ホクホク、うれしいです。
― (ホクホク?)プレッシャーはないんですか?
岸村 考えないようにしてます。無理してもないものは出せないし。気負わずに。
岸本 いい言葉だなあ。じゃ、僕も気負わずに。
― (じゃ?)今回はハードボイルドがテーマですが。
岸本 知ってます? ハードボイルドって元祖の人が固ゆで卵が好きだったからその名がついたって。
― 本当ですか? なんだか怪しい話ですね。
岸村 でも確かに固ゆでって意味ですよね。ぐつぐつ。
岸本 わかった、石川五右衛門だ!
岸村 あっ、なるほどぉ!
― ・・・いえ、関係ないと思いますよ。あのう、やっぱりお二方ともちょっと変ですよね。
岸村 えー? どこが? 考え方はめちゃめちゃ小市民的じゃないですか。
― 以前聞いた、交通法規に対する考え方は小市民的じゃないように思いますが。
岸村 そうですかあ? 「私がルール」、当然じゃないですか。友達もみんなそうだし。
― それは「類友」です。
岸本 「類は友を呼ぶ」を「類友」って言うんだぁ。
岸村 「ロミオとジュリエット」は「ロミジュリ」って言うんですよ。
岸本 じゃあ「ベニスの商人」は「ベニ商」?
― どこかの小学校の略称じゃないんですから。
岸村 (突然)グレーのにしようかなー。
― な、何の話です?
岸村 10点たまったから手帳もらおうかと思って。(このインタビューは某ドーナツ店にて行われました)
岸本 そりゃもらえるもんはもろとかな。
岸村 2点余ったけど、いります?
岸本 えー、一人で来るの恥ずかしいし。
岸村 あたし一人で8時間ぐらいいるときありますよ。
― 8時間?
岸村 コーヒーフレッシュを5、6個並べて。
岸本 それでピラミッドを作る。
岸村 ううん、ずっと本読んでる。
岸本 家で読みゃいいじゃん。
岸村 私の部屋、なんか暗いし。
岸本 あ、うちもそう。うちの蛍光灯、3つのうち1つしかつかない。
― あのう、お芝居の話しましょうよ。
岸本 お芝居? 芝居って言うと・・・寺山修司。
岸村 私あの人の短歌好きなんですよー。
― いえ、短歌の話でなくて。そもそも寺山修司も関係ないし。
岸本 俺、よく知らない。
― どうして知らない人の名前を出すんですかっ! 自分から言うんだから詳しいのかって思うじゃないですかっ!
岸本 無茶言わんといて下さいよー、最近までピンクレディーは戦後すぐの人だって思ってた人間に。
― (は〜)もういいです。最後にお客様に一言。岸本さんから。
岸本 まあ、がんばります。(急に頭を抱えて)あー、ありきたり。見所とか? いやー違う。あー、寒いことしか浮かばない。お客様に一言?
岸村 「本日は御来場いただいてまことにありがとうございます・・・」
岸本 なんかそれ、すごく俺っぽくていいかも。
― まだ来ていただいてないですってば。じゃあ岸村さん。最後ぐらい少しはまともに決めて下さい。
岸村 そうですねえ。じゃあ「継続は力なり」って事で。じっくりと作り上げてね・・・って絶対にできないこと言ってる、あたし。じっくりと熟成した・・・ってカレーじゃないんだから。
― 一人ツッコミはいらないです。
岸村 カレーじゃないな、おでんだ。
― はあ?
岸本 おでんも2日目の方がおいしいの?
岸村 もちろん。
― だから話がずれてますってば。