2劇通信・幕の内タケ第6号 1997年(平成9年)2月10日
関口貴裕の
豚とキムチ
−知られざる関西の世界−
◆関西の名物といえば、お好み焼きにたこ焼きと相場が決まっているが、あれはそもそも戦後復興期の食べ物であって、それほどうまいものではない。では、関西における真の名物は何かというと、それは「豚キムチ」なのである。
◆豚キムチとは、豚肉とキムチを一緒にいためた、ただそれだけの料理なのだが、関西ではアテ(酒の肴)として居酒屋のメニューに欠かすことができない。あまりにも、簡単かつありふれた料理であるため、当の関西人も気づいていないが、これ、他の地方の居酒屋にはない関西オリジナルなのである。しかし、これがうまい。酒はすすむし、おかずとしてもなかなかやる。私などは、一週間毎晩、豚キムチだったこともあるくらいだ。キムチ恐るべし・…。
◆これから関西に遊びにくる人には、くれぐれもお好み焼みたいなつまらない料理を目的にしないでほしい。居酒屋の暖簾をくぐっで、湯気をあげる豚キムチをめざそう。
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