2劇通信・幕の内タケ第6号 1997年(平成9年)2月10日
富田明裕の
キャスト 8人斬り!
どうしてもインターバルの開いてしまう東京公演。
「お馴染みの...」と、言えないのが残念です。
そこでご鑑賞の手引きとして、主な役者紹介を用意しました。
ご案内は、劇団員にしてその実、熱心な2劇ウォッチャーの冨田明裕です。
◆ 南濱 睦深
爆裂的圧倒的情熟的攻撃的喜劇女優。
最近ではヒロインもこなす「ひとり満漢全席」。
一人で満漢全席を食ベ尽くすという意味ではない。
◆ 藤田 潔
彼は絶叫俳優である。
笑いを取る時も、盛り上がるクライマックスも、ここ一番という時には必ず絶叫している。
が、ほんとは肩の力を抜いた時の方がずっとキュートだったりする。
静かになったら見るのが通の楽しみ方。
◆ 新 求仁子
右を見て左を見て、もう一度右を見るころには左のことは忘れている。
だもんで用心深い割りにはいつも「気がつけば全力疾走」な女優。
いつランナーズハイになるかが見所。
◆ 中山 邦彦
劇団内では天才で通っている。
でも紙一重の方かもしれない。
その瀬戸際を今日もひた走る。
でも「どっちに落ちようがナカヤマはナカヤマ」とも思われているのも事実である。
◆ 関口 貴裕
顔はまあまあ、スタイルは抜群。
しかし絶妙なまでに歪んだバランス感覚が彼をおちゃらけの世界に引きずり込む。
「足さばきの魔術師」の異名を誇る軟体役者。
◆ 竹内 大右
舞台上がおとぼけキャラクターばかりになってストーリーが停滞した時さりげなく現われて事態を進行してくれるありがたい役者。
ストーリーがよくわからなくなったら、彼の出てくるシーンに注目するとよい。
◆ 青山 誠司
彼の独自の視線は時として芝居づくりに悩む我々を救ってくれるが、その独自性は同時に、彼自身を底なしの迷宮へと導く。
どれほどベテランになってもそのことに目をつぶり続けられるところが、つまりは彼のすごいところである。
◆ 阿部 茂
いついかなる時にも冷静沈着。
特に不測の事態が起きるとその長年の経験と類稀なセンスは爆発する。
芝居の進行を他人に任せ、その後ろで大人気なくはしゃいでいる時こそが彼の本当の姿であることは、劇団員以外には絶対に内緒である。
似顔絵:佐々木寛子
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