2劇通信・幕の内タケ第14号 2001年(平成13年)6月6日
タケ編集長・冨田の
6月6日の編集後記
「6月6日の」というとつい「参観日、雨がザーザー降ってきて」と続けたくなるんですが。 それにしても、あんまり可愛いとは言えないですよね。あのコックって。
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などと記憶の隅をつつくような話題で始めました今回の編集後記。 今度の芝居、記憶がひとつの大きなテーマになっているわけですが、 「当事者にとってさして重要でないと思われる事象から徐々に消去する」という 人間の忘却システムは実にもって複雑玄妙なものらしく、 今の機械には逆立ちしたって真似できないそうです。
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よく使うから重要とも限らないわけでして、 めったに使わないけど大事な知識というのもある。 例えば家族の名前なんて、普段そんなに意識しないですよね? でも忘れちゃったって人も、余りいないでしょう。 こういった「情報の価値づけ」はなかなか数字化しにくいようです。
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さきほどからしったかぶりを述べている私はといえば、 先日「フォアグラ」という言葉がどうしても思い出せず、 二日ほどイライラさせられました。 確かにこれまでの過去を振り返っても、これからの未来を展望しても、 縁遠い言葉であるのは間違いないですが。 だからって、私の脳も忘れるリストに入れなくっても、ねえ。
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それ以前になんでそんな言葉を思い出す必要があったんだ、 という疑問にはお答えしかねます。あしからず。
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今回の公演の場所、時間は別記のようになっております。 ぜひ忘却リストには入れず、ご記憶の上、お越しくださいませ。
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編集長・冨田明裕、イラスト・大東広志でお贈りいたしました。 では、劇場でお会いいたしましょう。