2劇通信・幕の内タケ第21号 2005年(平成17年)2月14日
四夜原 茂
せめて平均的なインタビュー
タケ編集長、冨田は悩んでいた。ここのところ作・演出インタビューといえば、 いつも場所は居酒屋。宴会のテンションで始まり、芝居の話をするつもりが、 気がついたら食べ物の話しかしていない。インタビューの平均レベルが落ちてないか? これではいけない。というわけで今回はわざわざ別室を設け、 稽古途中の四夜原を連れ出してのインタビューを決行した。真面目に行こう!○ 大々的に登場
― 今回の芝居は「アベレージマン 〜平均男の驚異〜」という題名で。 いつでも平均的であることを求める「アベレージマン」ってアイデアはどこから?
四夜原 最近、勝ち組とか負け組とか、二種類に分けたがる風潮があるじゃない。 あれがとてもイヤで。どっちかじゃなきゃイカンのかと。
― わかります。できれば六勝四敗くらいで、 なんだったら四勝六敗くらいにまけてあげてもいいから、 そういう生き方は駄目なのかと。
四夜原 そうそう。だからどっちでもない平均男、アベレージマン。今回が彼のデビュー作。
― デビュー作? ということは、今回限りのキャラクターってわけじゃなくて。
四夜原 うん、今後も出てくるんじゃないかと思う。平均って調べていくと面白いんだよ。 どこを基準にして平均というかでいろんな見方があって。ある意味、言いたい放題。
○ 数字的な平均
― たとえば?
四夜原 オランダの平均身長、知ってる? 百八十二センチ。
― ひゃ、ひゃくはちじゅうにぃ? 二メートル以上の人がゴロゴロいるんですかね。
四夜原 だろうね。世界の出生率が二.六九、日本の出生率が一.二六。 そして東京の出生率が一.〇七。
― うーむ。
四夜原 初婚年齢平均が男が二十九.一歳、女が二十七.四歳。 でもこの辺りの年齢の役者、うちにいないんだよなあ。 そういえば冨田は○○してて○○とか回してるの? 知り合いで受けとった人が・・・
― 私のプライベートの話はいいですから。
四夜原 四十代前半男性の平均年収が六百十七万。女性は二百八十二万。
― そんなに差が? 四十歳になっても働いてる女性なら、 もっと稼いでいてもよさそうな気がしますけど。
四夜原 パートとかを入れるとこうなるんだろうな。 上と下とを足して割るとこんな数字になるわけだ。
○ 劇団的な犯罪
― そんな平均男と対決するのが。
四夜原 振り込み詐欺系の仕事をしている犯罪組織。
― 振り込み詐欺「系の仕事」?(笑) 振り込み詐欺自体をやってるわけじゃないんですか?
四夜原 どうだろうな。舞台の真ん中に公衆電話があって、 そこから電話をかけたり、かけられたりする。
― 公衆電話? 詐欺にかけようっていうのに、 そんなところから堂々と電話していいんですか?
四夜原 ま、公衆電話かどうかも怪しいんだが。
― え? え? 道の真ん中に電話があるんでしょ? それが公衆電話以外の何だと?
四夜原 あとは劇場でのお楽しみ。
○ 将来的なテーマ
― ところで昨年の「神様はタルタルソース」と今回とでは、 特に共通のテーマはなさそうですけど。
四夜原 音間と二人で共通のテーマを、というのは今回はお休みということで。 次からはどうしようかなあ。
― 音間さんは「テーマをいっぺんに三本くらい選んで、 全部入れないといけない三題噺形式はどうだ」って言ってました。
四夜原 面白いな。どうせなら今回の芝居の楽日にでも、 お客様の前でテーマを公開抽選するとかやろうか。
― また無責任なことを・・・。えーと、タケをお読みの皆さん、 やるって決まったわけじゃないですからねー。
四夜原 やるかもしれませんけど。
○ 最終的な一言
― では最後にお客様に一言。
四夜原 アベレージマンの誕生と、さわやかさのまったく感じられない芝居をお楽しみに!
― ・・・・・・アベレージマンの誕生と、円熟味にあふれ、 一筋縄ではいかないスリリングなストーリーをお楽しみに!
四夜原 うん。まあ、そんな感じで。
― (まだ宴会ムードの方がマシだったかも・・・)