[2-Geki]  2劇通信・幕の内タケ第21号 2005年(平成17年)2月14日

   弐劇百葉箱



 劇団の知られざる世界を、知らない方にもわかりやすく劇団員が語るリレーコラム。 なんだかうっかり長期連載になっております。 今回は「2劇の楽屋」を伊藤法子がご案内いたします。 劇場に入った劇団員にとっては、言わば家ともなる楽屋。 そこでは、いかなる劇団員の生態が見られるのか?

 こんにちは。楽屋付き見習いの伊藤法子です。「楽屋付き」というのは、 あまり知られていない仕事です。パンフレットに名前も載らない地味なお仕事。 でも「お弁当係」と共に円滑な進行の鍵をにぎる陰の立役者なのです!

 楽屋は役者が本番前・本番中の出番待ちの時間を過ごす大切な場所であり、 また衣装や小道具の置場所でもあります。 ですから楽屋の秩序がそのまんま芝居に影響してくるのです。 狭い楽屋を最大限広く使える工夫をし、メイクなどの必要物品を使いよく配置し、 タイムテーブルと人員配置表を作ってよく見えるところに貼る。そして衣装と小道具を守る。 ふと気付いたら衣装のまま外を転がり回っていたり、 衣装にお弁当をこぼしていたりする2劇の役者陣のこと、油断できません。

 現場の進行具合いを把握するのも忘れてはなりません。 「そろそろ照明班のごはんだな。お茶入れて、場所作って、」と準備したり、 人がいない隙に衣装にアイロンをかけたり、 そういう一つ一つがスムーズな進行を支えるのです。 また、みんなの精神面のケアも大切な仕事です。 リクエストしたお弁当を間違えて食べられて本気で御機嫌斜めになったり、 逆に炊き出しの焼きうどんに感動して元気になったり、 楽屋裏での出来事はみんなの士気を左右します。

 私の「母のような」笑顔に公演中の疲れが癒される。 細やかなこころ配りで舞台で大暴れするパワーを充電できる環境にする。 これが私の目標です。めざせ真の楽屋付き!

 ・・・「2劇の楽屋」を語るつもりが「私と楽屋付き」になってしまいました。 すみません。楽屋について語ることは他にもいっぱいあるんですよ。 嬉しい差入れのこととか、お弁当のこととか、テントのこととか・・・。 ま、それはいつか機会のあるときということで。


 『アベレージマン〜平均男の驚異〜』、観に来てください。お待ちしております!




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