物語

帰りたいのに、帰れない〜(涙)

ある日主人公は、帰宅途中に痴漢を現行犯で捕まえます。
その男を駅長室に突き出して、助けた女性にも感謝され、
いい気分でさあ帰宅！と再び帰路につきます。

ところが、次々に邪魔が入って、なかなか家にたどり着けません。
しかもその邪魔してくる事件はわけがわからないものばかり。

急病のおばあさんを病院に連れて行くことになったり
いつも通ってる道が全部工事中だったり
突然はじまるウミガメの産卵に付き合わされたり・・・

さすがに不審に思い始める主人公。

『誰かが自分の帰宅を意図的に邪魔しているのかもしれない』

邪魔者たちに探りを入れると、
浮かびあがってきたのは、一つの会社名

『帰宅阻止株式会社』


・・・んん？なにそれ・・・



「帰宅阻止株式会社」って？？

わけのわからない会社にわけのわからないまま帰宅を邪魔されて怒る主人公に対して
会社の幹部は、悠々と構えてこう言います。

「あんた、帰る帰る言ってるけど、いったいどこに帰るつもりなの？」
「どこって、家にきまってんじゃないか」
「家って？」
「家は家だよ」
「だーかーらー、あんたの言う「家」って、いったい何をさすわけ？？？」
「だから・・・っ」

思わぬ問い詰めに、主人公は言葉を詰まらせてしまいます・・・
物語は、その疑問に集約されていきます。
音間 哲はその問いに、どう答えるのか？！



「家」ってなんでしょう？

実家だったり
家族のことを指してたり
夢のマイホームだったり

私たちが日常何気なく使っているこの「家」という言葉の表すものは
昨今さまざまな危機に瀕しています

家族の共同生活の場でなくなったり
せっかく買ったマンションが耐震強度を満たしていなかったり
ある朝突然快速電車が突っ込んできたり

でも、たぶん、私達の生活の基点となる何かではあるはず。

おかしなやつらに邪魔される、憐れで可笑しい主人公を笑いながら
大事な、大事な足元を、一緒に見つめなおしてみてください。
第２劇場「帰れた？」

見た目はおばかなコメディー、中身はしっかりコメディー？
どうぞご期待ください！

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