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ドンゴラス

あらすじ


雲がいくつあるのかは分からないが、
とにかく殊更に青い空の下では今まさに葬式がとり行われていた。

誰が死んだのかはよく分からない。

「故人をしのぶ」と言えば聞こえはいいが、
段取りに次ぐ段取り、
あわただしくて、誰かをしのぶってな空気はあまりない。
遠い親戚、大昔の友人、などなど、
ほとんど初対面の雑多の人々が集まり、
なんとなく話をあわせながら、
葬式の体裁をとりつくろうってな感じである。
明らかに年寄りの病死ではない。
そろそろ死にそうな人がいれば、
それなりの準備があったはずで、
こんなにバタバタすることはない。
事故か何かで急に死んだのだろう。

よしきは一人屋根の上にいた。

目の前に広がる空を放心して眺める。
よしきは分からないままでいたのである。
下で何が行われているか。
葬式で何を解決しようとしているのか。
そして、「死」んだとされる父親のこと。

「葬式・・・そして、死。みんな何をそんなに一生懸命なんだろう。」

下から声が聞こえる。
よしきを呼ぶ声。
どこか、ずっと昔に聞いたことがあるようなそんな・・・。
その声はだんだん大きくなり、
ついには靴が投げ入れられ、
そして一人の喪服の女が登場する。

二人は全然面識がない。
お互い言葉を交わさないまま空を見上げる。
とはいってもそれはコンクリートで囲まれた四角い空でしかないのだが。

彼女はよしきの父親の元愛人と名乗る。
それを聞いたよしきはショックなんだかどうか自分でも分からない。
それほど父親に関するイメージはよしきにとって希薄なのである。

またよしきを呼ぶ声。

今度はランニングに半パン、
手には虫取り網と言った少年のような格好をしたおやじが現れる。

そして、様々な人間が屋根に押しかけてきた。


ごあいさつ見どころCast&Staff



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