記憶障害
記憶が蓄積できない病、
これは実在する疾病です。
ビタミンB1の欠如によって起こる症状らしく、
多くは病院での医療ミスが発端である場合が多い。
それはともかく、
昨日の自分が思い出せない青年は、
明日の自分にあてて今日の出来事を書き、
明日が今日になった時、
誰かが書いた小説のごとき日記をもとに、
今日という一日をスタートする。
観客には、そんな彼の日記が配られ、
時々ページをめくって昨日の彼を探してもらうことになります。
こんな観劇体験って、あまりないのではないでしょうか?
私たちもわくわくしています。
さて青年は、ある日、訪問販売で買ったITロボットを
日記のかわりにすることを思いつきます。
しかし、そのロボットがいつかリセットされて...。
記憶がない。
一見、暗くて重く、救いはたいていありません。
その閉塞感をはらいのけるのはおそらく、
想像力とか開き直りとかユーモアといった
人間の持つ底力ではないでしょうか。
ですからテーマは、「記憶がない、それがどうした」。
みなさんを笑いの渦に巻き込みます。