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 2001年度フランス南部ワインコンクールで、ソムリエ特別賞の栄冠に輝いた「シャトー・ピエリア」。その芳醇な味にたどり着くまでの、80年にわたる歴史を振り返ってみよう。





1923

  …   フィワーレ=ピエリア1世、ワイン醸造を決意するも、ブドウの栽培を忘れる。とりあえず、駅前のマルシェでグレープジュースを買う。
 

1924

  …   ピエリア1世、昨年の決意もむなしく、またブドウの栽培を忘れる。とりあえず、駅前のマルシェでグレープジュースを買う。
 

1925

  …   駅前のマルシェが倒産。跡地は駐車場に。ピエリア1世、今年は隣町のマルシェでグレープジュースを買う。
 

1926

  …   ピエリア1世、いよいよブドウの栽培を開始。苗木を買うが、悪徳業者にだまされる。育ててみたら柿だった。怒りに震えつつ、秋の味覚を堪能。
 

1927

  …   ピエリア1世の作った柿が、近所で大評判に。おかげで収入が激増して、ちょっとおしゃれに目覚める。ブドウについては進展なし。
 

1928

  …   ピエリア1世、離婚。ストレスがたまって柿をやけ食い。発作的に柿を自分の鼻に詰め込み、病院に運ばれる。病室は8人部屋。
 

1929

  …   ピエリア1世、今度こそワイン造りに着手。急いで樫の樽を買う。だが、置き場所に困って自宅前の公園に放置。子供たちの遊び場に。
 

1930

  …   ピエリア1世、初めてワインを飲む。お酒と知ってショックを受ける。酔っぱらって帰宅途中、あらゆる電柱に激突。市役所から厳重注意。
 

1931

  …   ピエリア1世、2世と大ゲンカ。そこに3世と4世も現れるが、説得は不調に終わる。5世のジョークや6世の大道芸も効き目なし。
 

1932

  …   ピエリア1世、ワインアレルギーに。「ワイン」と言っただけで、体中からワインが吹き出る。原因は不明だが、味はそれなりにうまい。
 

1933

  …   ピエリア1世、ワインを出しすぎ脱水症状に。肌はカサカサ。ヴィーナス化粧品を購入し、スキンケア・ヘアケア・ネイルケアに没頭する。
 

1934

  …   さすが、ヴィーナス化粧品。お肌も爪もピッカピカ。ピエリア1世、思わず特約店の契約を結び、男性初のヴィーナスレディになる。
 

1935

  …   ピエリア1世、ヴィーナスレディとしての限界を感じ、引退記者会見を開く。レディ、の持つ言葉の響きに、どうしても抵抗があったと語る。
 

1936

  …   ピエリア1世、近所をジョギング中に、落ちていたワインを飲む。落ちていたハンバーグも食べる。腹が痛くなったので、落ちていた胃薬を飲む。




<つづく>








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 発行/カクシゴト 編集長/かくたかひろ
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