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 27年ごとに特別開催されている「カチドニア五輪」。その正式種目をお伝えします。




 ゲットアップタイム


 各国チームが、4人1組で同時にベッドイン。それぞれが自由に起床して、寝ぼけた状態で現地時間を推測する。そのタイムラグを合算、もっとも誤差の少ない国に金メダルが与えられる。自国との時差、開催国の季節の日射しなどを考慮する必要があるため、圧倒的に開催国に有利な競技だが、各国チームは1年前から現地で生活し、その差を縮めようと努力する。


◆前回大会の決勝戦 中国 23秒 - 56秒 スペイン

 さすが中国、太極拳をするため決まった時間に起床するのは慣れており、スペインは3人目まで互角に戦ったが、アンカーのロドリゲス選手が、まさかのシエスタ。歴史に残る名勝負となった。




 ビデオポキン


 各国チームが、3人1組でトラックにばらまかれたビデオテープの爪を折る。制限時間内に多く折ったチームが勝ち。しかしビデオを再生し、録画されている映像が爪を折るほどの内容でなかった場合、減点の対象となる。どこかの不細工な子供が一生懸命にアコーディオンを演奏していたら、減点75。オーロラは加点50。ポルターガイストが映っていたら加点120。


◆前回大会の決勝戦 ロシア 425 - 397 イタリア

 爪を折った数はイタリア優勢だったが、イタリアのビデオに不細工な子供が鼻水を垂らしながら部屋を走り回る姿が映っており、ロシアが奇跡の逆転勝利。歴史に残る名勝負となった。




 フライングピーナツ


 各国チームが、15人1組でピーナツを上空に投げ、それぞれの口に入れる。キャッチできたピーナツの、スローイングの高さの合計を競う。公式ピーナツは重さ2gで、スイスのローザンヌで製造されている。ジャンプ競技のように風に左右されるため、いかなるベテランも油断できない。選手の大半は口がでかい。彼らと会ったあとに京唄子を見ると、おちょぼ口に見える。


◆前回大会の決勝戦 ブラジル 53m92 - 49m45 イタリア

 ブラジルは3人の選手が6m台の大記録を樹立した。一方、イタリアは主力メンバーをケガで欠いた上、ヨハネ=ピエーロ選手のピーナツが鼻に入ってしまい、痛恨のミスキャッチ。歴史に残る名勝負となった。




 プラスドライバー


 各国チームが、4人1組でプラスドライバーを用いてネジを締める。1つのイスを組み立てて再び解体するまでの間に、ドライバーがくるっと空回りした回数の少ないチームが勝ち。力が強いだけでは、この競技を制することはできない。締めるときはもちろん、ネジをゆるめるときも油断は禁物だ。カチドニア五輪で1,2を争う地味な競技。


◆前回大会の決勝戦 カナダ 2 - 4 イタリア

 折からの悪天候で、ネジの滑りやすい最悪のコンディションとなったが、カナダチームは慎重さと大胆さを兼ね備えた鉄壁のリボルビングで、ミスを最小限に抑えた。一方、イタリアは主力メンバーをケガで欠いた上、ゴーダ=トレナーニ選手の無意味なドーピングが発覚し、痛恨の減点1。歴史に残る名勝負となった。








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 発行/カクシゴト 編集長/かくたかひろ
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