バックナンバー


 着実に部数を伸ばす「週刊少年イヤッホー」。その中でもダントツの人気、沢口まるお先生作「SF甲子園」のあらすじを、こっそり紹介します。


第11巻〜 / 第21巻〜 /  第31巻〜 / 第41巻〜 /  第51巻〜 / 第61巻〜 /  第71巻〜 / 第81巻〜 




第1巻

 えびの嫌いな普通の中学生、原田恭一。彼は給食の時間に、あまりに嫌いなえびを教室の窓から投げ捨てた。そのえびが、学校一のスパルタ教師、斎藤が大事にしているおニューのタキシードを汚してしまったから、さあ大変。学校中を逃げ回る恭一、追いかける斎藤。三日三晩のカーチェイスのあとに残ったのは、かけがえのない友情と三日分の宿題だった。そんな恭一のえびを投げた腕力と、逃げ回る脚力を、野球部の顧問、牧之内は温かい目で見つめていた…。少年漫画界に新たなる命を吹き込む「SF甲子園」第1巻!



第2巻

 恭一を野球部に誘う、顧問の牧之内。だが彼はすでに、すごろく部に入部していた。部員不足にあえぐすごろく部の、必死の引き留め工作が始まる。生まれて初めてのお中元に、困惑する恭一。そんなある日、野球部の部室に突然、ミサイルが撃ち込まれる。ミサイルに書かれたサイコロマークで、すごろく部の仕業に違いないと感じとった野球部は、生き残った部員たちで正々堂々のすごろく勝負に挑むのだった。そんな部員たちの熱意と、燃えさかる部室を、牧之内は温かい目で見つめていた…。迫力のタッチで描く「SF甲子園」第2巻!



第3巻

 恭一を暖かく迎え入れる、明暗中学の野球部員たち。だが恭一は、全く野球を知らなかった。ストライク3つで三振というルールに対して「見送り三振って、3回振ってないだろ」とケチをつける恭一に、キャプテンの村上は悩んではげてしまう。だが、もともと丸刈りだった。ほっと胸をなで下ろす一同であったが、何にも解決していない事実に今さらながら気づき、とりあえずみんなでラーメンを食べにいく。そんな部員たちのチームワークと、薄切りのチャーシューを、牧之内は温かい目で見つめていた…。スピード感あふれる「SF甲子園」第3巻!



第4巻

 いよいよ明日は地区予選。マネージャーの平田が撮影してきたビデオテープで、対戦相手の分析をしようと考えた部員たちは、平田の家に集合する。だがそこでは、時あたかも夫婦ゲンカの真っ最中だった。かなり最悪の状況に、居心地の悪い部員たち。しかもテープは重ね撮りされていた。それも『プリティウーマン』だった。馬鹿にされる平田を尻目に、恭一は相変わらずルールがわかっていなかった。そんな中途半端な情報と、背広の内ポケットに入っていたというクラブの名刺を、牧之内は温かい目で見つめていた…。ますます目が離せない「SF甲子園」第4巻!



第5巻

 地区予選当日。ところが恭一は、ユニホームを忘れてしまう。すごろく部との死闘で、9人きっかりの選手しか残っていない明暗中学に、予備のユニホームはなかった。そこへ隣町の朋暗中学の選手が一人、通りがかる。その瞬間、全く同じことを考えついた彼らは、突如追いはぎと化すのだった。セカンドの柏村による容赦ないパンチに、意識が遠のく朋暗中学の野球部員。そんな行き当たりばったりの犯罪行為と、血で染まった他人のユニホームに袖を通す恭一を、牧之内は温かい目で見つめていた…。がむしゃらに突き進む「SF甲子園」第5巻!



第6巻

 一回戦の相手は、岡村中学。何ら特徴のないチームだが、選手の名前が全員岡村と聞き、混乱するピッチャーの藤山。試合半ばになっても、どの岡村が内角嫌いだったか、相手選手のデータを覚えきれないのだ。目には目を、と考えた顧問の牧之内は、試合中に部員たち全員を養子にもらい、戸籍を書き換えて牧之内にしてしまう。しかし誰が長男になるかでもめにもめ、試合は5時間中断する。そんな目的を失ったハプニングと、あきらめ顔で帰り支度を始める主審を、(顧問の)牧之内は温かい目で見つめていた…。壮大なスペクタクルの「SF甲子園」第6巻!



第7巻

 二回戦の相手は、城星中学。何ら特徴のないチームだが、部員が25万人。もし彼らが負けた場合、球場の土が無くなってしまうと恐れた審判団は、何かと城星中学をひいきする。ホームランを打っても「いまのはナシ!」と言われる理不尽さに、さすがに焦る牧之内。そんな中、恭一はようやく「レフト」という自分の守備位置の名前と場所を覚え、喜びのあまり「レフト 原田恭一」と書いた名刺を作って配るのだった。そんな無意味な挨拶と、25万人分もの部員名簿を、牧之内は温かい目で見つめていた…。熱い胸騒ぎの「SF甲子園」第7巻!



第8巻

 三回戦の相手は、東豊中学。今度こそ何ら特徴のないチームだが、義理人情に厚かった。1点先取しても、「まあ、おすそ分け」と言って1点くれる相手チームに、試合は当然延長戦にもつれ込む。そして「バックホーム」という言葉を初めて覚えた恭一は、ランナーもいないのにとにかくバックホームを繰り返し、チームメイトに「おまえが家に帰れ」と言われるのだった。そんな選手層の薄さと、同じように得点が並ぶ絶望的なスコアボードを、牧之内は温かい目で見つめていた…。波乱に満ちた展開が待つ「SF甲子園」第8巻!



第9巻

 準々決勝の試合を前に、マネージャー志望の女の子が3人も野球部にやって来た。やけに張り切るサードの谷は、この際オーディションをするべきだと叫ぶ。しかしそのオーディション会場に『プリティウーマン』に感化された男子マネージャーの平田が、なぜか女装して現れる。その意外な美しさにサードの谷はいきなり恋に落ち、家族計画を練るのだった。そんな放ったらかしにされた3人の女の子たちと、どうせならリチャード・ギアに感化されればよかった平田を、牧之内は温かい目で見つめていた…。めくるめく男たちのオアシス「SF甲子園」第9巻!



第10巻

 準々決勝の試合を前に、明暗中学にクーデターが起こる。首謀者である教頭の要求は「給食の差別化」。我らが野球部に、校長派か教頭派かの選択が迫られた。ファーストの五十川は、よりよい給食をモットーに掲げる教頭の意見に賛同する。だがこれは妻が料理下手のため、なんとか給食で栄養を取ろうという、教頭の生死をかけた個人的な焦りが引き起こした事件だった。そんなどうでもいいことのために引き裂かれた練習時間と、最近とみに激ヤセの教頭を、牧之内は温かい目で見つめていた…。むせび泣く男たちのレクイエム「SF甲子園」第10巻!



第11巻

 準々決勝の試合を前に、地球に大寒波が到来する。あまりの寒さに地球の審判という審判が死んでしまい、残り5人になってしまった。そのため審判の価値は急上昇し、トキのように厚く保護される。彼らの生活はどんどん豪華になっていき、指には無数のアクセサリーが。その重さは、腕を上げて「アウト」と宣告できないほどだった。そんな人もうらやむ成金ライフと、おこぼれをもらおうと必死の恭一がそう言えば主人公だった事実を、牧之内は温かい目で見つめていた…。迫り来る男たちのクライシス「SF甲子園」第11巻!



第12巻

 準々決勝の試合を前に、準決勝が始まった。このよくわからない初めての事態に、混乱する大会本部。ということはそれが準々決勝じゃないか、いやそもそも準決勝とは…。議論は平行線をたどり、やっと出た結論が「みんな仲良く」。あきれた参加校の大部分がボイコットし、もう一度一回戦からやり直そうじゃないかという話が持ち上がる。そんな理不尽な敗者復活と、大会本部から送られてきたお詫びのしるしのキーホルダーを、牧之内は温かい目で見つめていた…。果てしない男たちのフォークダンス「SF甲子園」第12巻!



第13巻

 いろいろあったが、ようやく準々決勝が始まった。相手はなんと、リチャード・ギア。『プリティウーマン』に感化された男子マネージャーの平田は、明暗中学の不戦敗を提案する。それに嫉妬したサードの谷はベンチを飛び出し、外人相手に日本の心を説きだした。しかしそれはリチャード・ギアの隣にいたハリソン・フォードだった。そんな失礼な人間違いと、この二人に勝つには一体どうすればよいのか悩んでいるセンターの正岡を、牧之内は温かい目で見つめていた…。さりげない男たちのオーデコロン「SF甲子園」第13巻!



第14巻

 準決勝が始まった。相手はなんと、リチャード・ギア二中。『プリティウーマン』に感化された男子マネージャーの平田はもう一度、明暗中学の不戦敗を提案する。サードの谷はついに平田をあきらめ、旅に出る決意をする。手には青春18きっぷ。部員が9人きっかりの明暗中学は、最大のピンチに陥った。そんな人には話せない内輪もめと、どうしてリチャードが日本で中学の校長をしているのか(それも二つも)疑問に感じている部員たちを、牧之内は温かい目で見つめていた…。香り立つ男たちのオードトワレ「SF甲子園」第14巻!



第15巻

 決勝戦の前夜、恭一がチームメイトに悩みを打ち明ける。どうやら恭一は、明暗中学に在籍していなかった。あまりの基本的な問題に、一同どうしていいかわからない。そんな折、秘密をかぎつけた地元日日新聞の記者、伊集院が合宿所に乗り込んでくる。応対に出たキャプテンの村上は、緊張のあまり歌い出す。そんな夜空に響く『てんとう虫のサンバ』と、地元ののど自慢大会でならした伊集院が負けずに歌う『Can you celebrate?』を、牧之内は温かい目で見つめていた…。いきり立つ男たちの括約筋「SF甲子園」第15巻!



第16巻

 にらみあいを続けるキャプテンの村上と伊集院。そこへ伊集院の出品したガーデニングの作品が、農林水産大臣賞を受賞したという知らせが入る。四年間も手塩にかけて育てた、自慢のセイタカアワダチソウだ。後ろ髪を引かれる思いで、授賞式に出かけていく伊集院。だが式の会場は、スウェーデンだった。地理に弱い彼が到着したのは、なんと池袋。そんな起こりようもない間違いと、受賞者の来ない式場で一人たたずむ農林水産大臣を、牧之内は温かい目で見つめていた…。そそり立つ男たちの右くるぶし「SF甲子園」第16巻!



第17巻

 決勝戦の相手に驚く一同。相手チームのベンチにそびえ立っていたのは、あの明暗中学一のスパルタ教師、斎藤だ。彼は恭一を許していなかった。その恭一に報復するため、斎藤は明暗中学を辞め、タキシード中学を作り、グランドを開墾し、野球部を結成し、地区予選に出場していたのだ。もちろん彼らのユニフォームはタキシード。そんな動きにくい服で勝ち抜いてきた恐るべき実力と、今回ばかりはどう考えても汚れてしまうおニューのタキシードを、牧之内は温かい目で見つめていた…。激しく揺れる男たちのふくらはぎ「SF甲子園」第17巻!



第18巻

 決勝戦の先攻はタキシード中学。一回表、ピッチャーの藤山が先頭バッターの右アゴに初球をぶつけてしまい、プレイボールから5秒で大乱闘。しかし土煙の中から浮かび上がってきたのは、タキシード姿でうずくまる地元日日新聞の記者、伊集院だった。彼はあの授賞式に出席するため正装に着替え、さんざん道に迷って運悪くこの大乱闘に巻き込まれたのだ。そんな伊集院の無惨に折れた7本のあばらと、とどめを刺した手応えを感じて一人微笑むセカンドの柏村を、牧之内は温かい目で見つめていた…。怪しく光る男たちの股関節「SF甲子園」第18巻!



第19巻

 決勝戦の一回裏、明暗中学の先頭バッターはライトの堀尾。自慢のバットを取り出すと、なんとフライパンにすり替えられていた。「早くしたまえ」という主審の声に、焦ってそのまま打席に入る堀尾。だが彼は7歳の時、ボラギノールを間違えて飲んだ過去があった。それに比べりゃこんなピンチは屁でもない、と打球は左中間スタンドへ。そんな先制点のお祝いにそのフライパンでえびチャーハンを振る舞うマネージャーの平田と、えび嫌いをうっかり忘れて食べ、いきなり吐く恭一を、牧之内は温かい目で見つめていた…。はかなく裂ける男たちの三半規管「SF甲子園」第19巻!



第20巻

 決勝戦の二回表、タキシード中学の打順はクリーンアップ。ところでがここで、明暗中学に耳寄りな情報が入る。なんと彼らの中でたった一人、タキシードが貸衣装だというのだ。情報源は救急車で運ばれる直前に、地元日日新聞の記者、伊集院がつぶやいた一言だった。これがはたして耳寄りなのか、キャプテンの村上は首をかしげつつキャッチャーマスクをかぶる。そんな伊集院に下された全治5カ月の診断と、守備位置であるレフトのフェンス際でまだ気持ち悪くて吐き続けている恭一を、牧之内は温かい目で見つめていた…。きわどく燃える男たちの右心室「SF甲子園」第20巻!



第21巻

 決勝戦の二回裏、明暗中学の攻撃は五番ショート北島。彼がその守備位置を守ることになったのは、ただ背が低いからだった。あいかわらずの狭いストライクゾーンに、タキシード中学のピッチャーも脱帽。またいつものフォアボールか、とベンチから見守っていた4球目、なんと北島が生まれて始めてバットを振る。だが、どう振ればいいかよくわからず、キャッチャーを力込めて殴ってしまった。そんなこの試合2回目の大乱闘と、ピクリとも動かないキャッチャーを、牧之内は温かい目で見つめていた…。かわいく乱れる男たちののど仏「SF甲子園」第21巻!



第22巻

 決勝戦の三回表、タキシード中学の攻撃中に突然、試合の行われている球場が不渡りを出す。原因はオーナーが、一万円札と千円札の違いを知らなかったため。「何か色が違うなあと思った」というオーナーの弁明に、一同愕然。ベースも差し押さえられ、試合の続行は極めて困難な状況に。急きょ集まった大会本部は、史上初の移動決勝戦を提案する。みんなで決戦の舞台を探しながら移動するという、とてつもない計画だ。そんなあてのない団体旅行と、危うく一緒に差し押さえられそうになっていた恭一を、牧之内は温かい目で見つめていた…。もれなく膨らむ男たちの左耳「SF甲子園」第22巻!



第23巻

 決勝の地を探し求めた一行が最初にたどり着いたのは名古屋。三回裏、明暗中学の先頭バッター八番ファースト五十川の打球はグングン伸びて、金のシャチを直撃してしまう。それだけならまだしも、留め金のはずれたシャチがそのままグラウンドへ落ちてきた。二塁ベースの上に重くのしかかる金のシャチを、懸命に押しのけようとする五十川。しかし審判団の粋な計らいで、シャチが丸ごと二塁ベースに認定されるのだった。そんなトラブル続きの決勝戦と、我慢できずに取ってしまった出前の味噌煮込みを、牧之内は温かい目で見つめていた…。目ざとく企む男たちの体脂肪「SF甲子園」第23巻!



第24巻

 決勝の地を探し求めた一行が次にたどり着いたのはモスクワ。四回表のタキシード中学の攻撃で、手がかじかんでボールが投げられないピッチャーの藤山に、マネージャーの平田が体を温めようとウオッカを手渡した。それを聞きつけ、グラウンド上で激しいウオッカの争奪戦が始まる。勝利を収めたのは、結局エリツィン大統領だった。そんな不安なロシアの政局と、酒の味がわかるちょっと危ない中学生たちと、我慢できずに買ってしまった極上のキャビアを、牧之内は温かい目で見つめていた…。苦しくまどろむ男たちの泣きぼくろ「SF甲子園」第24巻!



第25巻

 決勝の地を探し求めた一行が次にたどり着いたのはシドニー。四回裏の明暗中学の攻撃、三番のセンター正岡は初球をジャストミート。しかし一塁を回ったところで飢えに苦しむカンガルーの親子を見つけてしまう。正岡は目頭を押さえながら、餌を買おうとコンビニへ。ボールが返ってくるぞ! 正岡、危うし! そんなグラウンドのど真ん中での不自然な出会いと、急激な気候の変化に耐えられず風邪をこじらす恭一と、我慢できずに買ってしまったカンガルーのつくだ煮を、牧之内は温かい目で見つめていた…。うれしく吹き出す男たちのリンパ液「SF甲子園」第25巻!



第26巻

 決勝の地を探し求めた一行が次にたどり着いたのはフィリピン。五回表、ヒットで出塁したタキシード中学の4番ピッチャー池下を牽制球が襲う。しかし、明暗中学キャプテンの村上が投げたのはボールではなくオレンジだった。このちょっとしたジョークが「どうしてバナナを使わない」とフィリピン政府の逆鱗に触れてしまって大混乱。そんな特産物への飽くなきこだわりと、うちのバナナもとさかんにPRする台湾政府と、我慢できずに買ってしまったイメルダ夫人を、牧之内は温かい目で見つめていた…。楽しく飛び散る男たちの左かかと「SF甲子園」第26巻!



第27巻

 決勝の地を探し求めた一行が次にたどり着いたのはチョモランマ。五回裏の明暗中学の攻撃だが、見事頂上を制したのは敵味方合わせてたったの5人。しばらく待っても誰も来ず、寒さに耐えかねたそのメンバーは一か八かで命がけのおしくらまんじゅうを始める。運悪く落ちたのは二塁塁審の坂井だった。そんな大事な人間の急死と、あきらめて五合目付近でビバークしている恭一と、我慢できずに買ってしまった登頂記念切手を、牧之内は温かい目で見つめていた…。あまねく疲れる男たちの第二腰椎「SF甲子園」第27巻!



第28巻

 決勝の地を探し求めた一行が次にたどり着いたのはハワイ。六回表、タキシード中学は二死一、二塁のチャンスを迎えたが、どこからともなく流れてきたハワイアンミュージックにつられてランナーが飛び出してしまう。だが明暗中学もゲームを忘れ、フラダンスに負けじとバンブーダンスで対抗した。そんな屋外でいきなり始まったかくし芸大会と、審査委員長のポストを争い殴り合う審判団と、我慢できずに買ってしまったトロピカルドリンク(ストロー2つ)を、牧之内は温かい目で見つめていた…。しぶとく高鳴る男たちの尾てい骨「SF甲子園」第28巻!



第29巻

 決勝の地を探し求めた一行が次にたどり着いたのは巣鴨。六回裏の明暗中学の攻撃、先頭バッターの柏村を突然の腹痛が襲った。通りがかったおばあちゃんをつかまえた柏村は、嫌がる彼女をむりやり打席へ立たせて急場をしのぐ。そしてホームラン。あまりの活躍に痛みもどこかへ吹っ飛んだ。そんな年老いた人間の隠された能力と、誰も代役に気づかずハイタッチしているチームメイトと、我慢できずに買ってしまったとげぬき地蔵を、牧之内は温かい目で見つめていた…。短く突き出る男たちの右うなじ「SF甲子園」第29巻!



第30巻

 決勝の地を探し求めた一行が次にたどり着いたのは中国。だが七回表のタキシード中学の攻撃を前にして、牧之内が忘れ物に気づいた。しかもどこでなくしたのか見当もつかないと言う。あわてた一同は今まで訪れた場所をすべて確認することに。審判にタイムを要求し、ナインは世界各地へ旅立った。そんなグローバルな捜索範囲と、正体不明の忘れ物と、我慢できずに買ってしまった猿の脳みそを、牧之内は温かい目で見つめていた…。くまなくしだれる男たちの四十肩「SF甲子園」第30巻!



第31巻

 中国にいる牧之内の元に、部員たちから国際電話がかかってきた。考えたら誰一人、その忘れ物がどんなものか確認していなかったのだ。白い小物入れだと聞いたはいいが、チョモランマ担当の恭一は無限に広がる白銀の世界に見つかるわけがないと絶望し、とりあえずまたビバークする。そんな始まらない七回表と、あまりに暇でハンカチ落としを始めたタキシード中学と、我慢できずに買ってしまった毛沢東のパンチキックを、牧之内は温かい目で見つめていた…。細かくぶつかる男たちの注射痕「SF甲子園」第31巻!



第32巻

 中国にいる牧之内の元に、部員たちが戻ってきた。結局どこにも見当たらない。中身はなんとベルマークだった。たまったらバットとグローブをもらうつもりだったと打ち明ける牧之内の言葉に、部員たちは感動する。ただ一人、恭一だけはベルマークでもらえるのはベルだと勘違いしていた。そんな始まらない七回表と、あまりに暇でいす取りゲームを始めたタキシード中学と、実はまだ15点しか集まっていなかった己の不甲斐なさを、牧之内は温かい目で見つめていた…。汚く崩れる男たちのセカンドバッグ「SF甲子園」第32巻!



第33巻

 一台の大型バスが中国に乗り込んできた。開いたドアから出てきたのは、明暗中学の応援団だ。世界中を転戦する彼らを応援しようと出発したが、いつまで経っても追いつかず、旅費も底をつき、各地で仲間を一人売り二人売り、とうとう四人になっていた。ドリルチームで唯一生き残った和江は売られたメンバーの供養とばかり、半狂乱で踊りまくる。そんな始まらない七回表と、あまりに暇でSケンを始めたタキシード中学を、牧之内は温かい目で見つめていた…。せつなく湧き出る男たちのゲームウオッチ「SF甲子園」第33巻!



第34巻

 やっと始まるかに思われた七回表を前にして、中国で革命が起こる。球場には次々にミサイルが撃ち込まれ、ドリルチームの和江は即死した。とりあえず民家に避難した一行は、明暗中学マネージャー平田の料理の腕を生かしてラーメン屋を開店する。タキシード中学のメンバーもウエイターとして大活躍。そんな敵味方の絶妙なチームワークと、これだったら売られていた方がまだ良かったドリルチームの和江と、家を勝手に改造されたかわいそうな民家の住人を、牧之内は温かい目で見つめていた…。ほどよく削れる男たちのゲームボーイ「SF甲子園」第34巻!



第35巻

 開店中のラーメン屋に、次々と客が訪れる。行列は店を五重に取り巻き、並んだ人の半分以上が飢え死にしてしまうほど。評判を聞きつけた地元のタウン誌が取材を申し込んできたが、味の秘密を聞かれた平田は口ごもる。だしはドリルチームの和江だった。そんな煮込み煮込んだ人肉スープのまろやかさと、メニューにギョーザを加えようと修行に出たキャプテンの村上と、お釣りを間違えてばかりいるレジ係の恭一を、牧之内は温かい目で見つめていた…。むなしくときめく男たちのポケットベル「SF甲子園」第35巻!



第36巻

 開店中のラーメン屋に、次々と客が訪れる。しかし地元のチンピラが、ゴキブリが入っていたと言い掛かりをつけてきた。そんなはずはないと立ち向かう平田に、今度は他の客が「どうして入ってないんだ」と激怒。どちらに転んでも不利な状況に、ドリルチーム和江の祟り説が急浮上する。そんなお祓いのための遅すぎた葬儀と、ひたすらギョーザに打ち込むキャプテンの村上と、とうとう間違えたお釣りで500万円の損害を店に与えたレジ係の恭一を、牧之内は温かい目で見つめていた…。あどけなく吐き出す男たちの逆まつげ「SF甲子園」第36巻!



第37巻

 開店中のラーメン屋の客足が、ぱたりと止まった。ライバルの来来軒があからさまな価格攻勢に出たのだ。今までと同じ値段で、ラーメンセットにギョーザと2LDKが付くという。敵ながらあっぱれの営業努力に、平田は新たな炎を燃やす。しかし開かれた経営会議の席上で、ショートの北島が「七回表は?」と一言。そんなすっかり忘れていた決勝戦と、いまやギョーザで世界一の腕前を持つに至ったキャプテンの村上と、ようやく交代させられたレジ係の恭一を、牧之内は温かい目で見つめていた…。色よくうつむく男たちの思われニキビ「SF甲子園」第37巻!



第38巻

 ようやく日本へ帰ろうとする一同。しかし恭一が、パスポートをどこかになくしてしまう。困った末に、苦肉の策として取り出したのは赤マジックと一枚のはんぺん。赤く塗ったはんぺんで、恭一は無事に出国できるのか? ところが、できてしまう。赤くて四角けりゃ何でもいいのか、とメンバーはすっかり盛り上がり、赤い座布団や赤レンガでチャレンジするのだった。そんないい加減な出国審査と、はたしてどこから手に入れたのか謎だらけのジューシーなはんぺんを、牧之内は温かい目で見つめていた…。うるさく泣き出す男たちの土踏まず「SF甲子園」第38巻!



第39巻

 飛行機の中で出た機内食がえびづくしなのを見て、いきなり気絶する恭一。そこに駆け寄ったのはスチュワーデスの良美だった。その彼女を見て牧之内が叫ぶ。「寛子、寛子だろ?」 しかし、無情にも答えはノー。身に覚えのない名前を呼ばれ、困惑するスチュワーデス。「良美と書いて、寛子だろ?」と、なおもしつこく叫ぶ牧之内に、パイロットが機内放送で「良美と書いたら、良美だろ」と忠告する。そんなスピーカーからの容赦ないツッコミと、選択する余地のない機内食を、牧之内は温かい目で見つめていた…。険しくとろける男たちの蒙古斑「SF甲子園」第39巻!



第40巻

 一同の乗る飛行機がエアポケットに。もしものことを考えて、牧之内は部員たち各々に遺書を書くことを命ずる。激しい揺れに、ペンを持つ手もおぼつかない。ところがただ一人、この揺れにまったく動じずペンを走らせる遺書の達人がいた。スチュワーデスの良美である。非常事態にも関わらず、彼女の字は美しい。聞くとペン習字の成果だった。そんな通信講座の底力をいかんなく発揮するキャリアウーマンと、遺書に拝啓は必要なのか全力で悩み続けるサードの谷を、牧之内は温かい目で見つめていた…。あざとく丸まる男たちの左心房「SF甲子園」第40巻!



第41巻

 しばらくして機体の揺れは収まった。安心した機内は、図らずも遺書の発表会に。恭一は「仏壇にえびだけは供えないで」と書いて場を盛り上げる。その中に一通、見慣れない文字の便箋が。「ダメかも」としたためられたその遺書は、どうやらパイロットのものらしい。そんなもの書く前にしっかり操縦しろ、というブーイングが彼に火をつけ、学歴とエリート意識をかなぐり捨てて乗客と殴り合う。そんな阿鼻叫喚のボーイング747と、あっさりと持ち場を離れた豪快なパイロットを、牧之内は温かい目で見つめていた…。いやしく交わる男たちの若白髪「SF甲子園」第41巻!



第42巻

 「キャー!」スチュワーデスの悲鳴で、機内に緊張が走った。ハイジャック犯が銃を構えて立ちはだかる。要求は「俺と付き合え」。あまりにかわいいスチュワーデスの良美に、我慢できなくなったらしい。一同は脅えるどころか、恋のキューピッドになるべく必死の説得を試みる。「銃は持ってるけどいいやつだって」と初対面の男をお薦めする無責任な部員たち。そんなハプニング満載のボーイング747と、トントン拍子に結婚が決まった良美のまぶしいエビス顔を、牧之内は温かい目で見つめていた…。冷たく噛みつく男たちの頭蓋骨「SF甲子園」第42巻!



第43巻

 ようやく日本に着いた一同。今度こそ、七回表の攻撃が始まるはずだった。しかし久しぶりの日本は、ドラッグやレイプが横行する無法地帯。東京タワーも折れていた。タキシード中学の監督・斎藤は、帰国して5分でチンピラにからまれ、いきなり身ぐるみはがされる。タキシードと同時に自己のアイデンティティーまでも失った斎藤はすべての歯が抜け落ち、急速に老けていくのだった。そんな命取りになった目立つ服装と、誰も止められない老化現象を、牧之内は温かい目で見つめていた…。勇ましく駆け抜ける男たちの右乳首「SF甲子園」第43巻!



第44巻

 落ち込んでいるタキシード中学の監督・斎藤を元気づけようと、手分けして新たなタキシードを探すことに。はたしてこの荒れはてた大都会で、タキシードは見つかるのだろうか。よく考えたら、特に荒れはててなくてもなかなか出くわさない服装だ。そこに通りがかった謎のオーケストラ。その数はちょっとしたフィルハーモニーだった。そんな荒廃した東京に不似合いな文化活動と、ついに皮膚呼吸が停止したタキシード中学の斎藤を、牧之内は温かい目で見つめていた…。軽やかに転がる男たちの尿路結石「SF甲子園」第44巻!



第45巻

 一同は謎のオーケストラに戦いを挑む。しかし、野球部員とオーケストラに接点はなかった。仕方なく楽器で対決することになったものの、メンバーで楽器ができる人間は恭一だけ。しかもカスタネット。全員が負けを覚悟したその時、奇跡が起こった。ファースト五十川のひどい歌声が、オーケストラの耳を直撃したのだ。そんな絶対音感泣かせのひずんだハーモニーと、いよいよ毛髪が残り5本と激減したタキシード中学の斎藤を、牧之内は温かい目で見つめていた…。忙しく飛び回る男たちの親知らず「SF甲子園」第45巻!



第46巻

 やっと手に入れたタキシードを抱えて、部員たちは牧之内が待つバラックへと向かった。絶命する寸前の斎藤が、タキシードを見て大はしゃぎ。しかし、試着すると表情が一変する。そのパンツはすそ上げが必要な長さだった。いきなり意気消沈する斎藤に誰もが愛想を尽かし、自校の生徒からも「そこまで言うならおまえが縫え!」とさんざん怒鳴られる。そんな生まれて初めてまち針を手にした中学教師と、血だらけの太い指先を、牧之内は温かい目で見つめていた…。にぎやかに流れ込む男たちの若白髪「SF甲子園」第46巻!



第47巻

 50巻を目前にして、キャラクターの人気投票が企画された。恭一は主人公のメンツにかけて、なんとか首位の座を狙おうと目を輝かす。強敵はやはり顧問の牧之内だ。ところが、ライトの堀尾に親戚が150万人いるという新たな事実が発覚する。組織票を恐れた恭一は夜を徹してハガキを書き続け、あげくの果てには郵便局のCMキャラクターにまで登りつめるのだった。そんなおびただしい数の血のつながりと、ポスターではにかむ少しやつれた恭一を、牧之内は温かい目で見つめていた…。さわやかに潰れる男たちの十二指腸「SF甲子園」第47巻!



第48巻

 全国から届いた投票用紙が盗まれた。真っ先に疑われたのは恭一だ。だが彼は投票のかたわら、地元のエレクトーン教室に通っていたというアリバイがあった。練習中の曲は「グリーンスリーブス」。楽器のできない自分を変えようと昼夜を問わず練習し、指には27個の血豆と74個のペンだこが。そこにいきなりの試合再開。メンバーが9人きっかりの明暗中学は、かなり絶望的な試合に臨む。そんなほぼ20巻ぶりのプレイボールと、この世に生きる喜びそして悲しみのことを、牧之内は温かい目で見つめていた…。はれやかに口ずさむ男たちの股下3センチ「SF甲子園」第48巻!



第49巻

 七回表の攻撃、タキシード中学は徹底的にレフトの恭一を狙った。ピッチャーの藤山はなんとかレフトに打たせまいと苦心の投球を試みる。しかし先頭バッターの初球が、あっけなくレフトに飛ぶ! センターの正岡がカバーに入るものの、追いつくのは不可能だ。どうすればいいか困った恭一は、残っていたハガキで人生相談に悩みを打ち明ける。そんなおそらく間に合わないパネラーからの道しるべと、ペンが持てるならボール取れよという観客からの厳しいヤジを、牧之内は温かい目で見つめていた…。ひそやかにぶら下がる男たちの胆のうポリープ「SF甲子園」第49巻!



第50巻

 レフトにあがった打球はぐんぐんのびる。しかし折からの台風で、いきなり球場全体が暴風域に飲み込まれた。上空には無数の気象予報士がビニール傘片手に舞い上がる。その中に、なんと牧之内の父親がいるとの情報がベンチに入った。母を捨て新しい女のもとへ走った父に、憎悪こそすれ同情の余地はない、と言い切る牧之内。そんなどこへ飛んで行ったのかわからないレフトフライと、お父さん死んじゃうかもしれませんよと食い下がる純粋な部員たちを、牧之内は温かい目で見つめていた…。はなやかに上下する男たちのγ−GTP「SF甲子園」第50巻!



第51巻

 正式に試合が一時中止に。恭一はこれをチャンスとばかり、病院にかけ込んだ。ところが、彼の悪いところは血豆とペンだこだけではないらしい。カルテを手にしたまま口を閉ざすドクターに、恭一の胸は不安でいっぱい。いくら聞いても、知らない方がいい、の一点張りだ。どうしても教えてくれと頭を下げ、ようやくドクターが発したセリフは「とりあえず、病名の一文字目は『ガ』」。そんな中途半端な患者への告知と、まだ飛んでいる無邪気な父を、牧之内は温かい目で見つめていた…。しなやかに突き刺さる男たちのアレルギー性鼻炎「SF甲子園」第51巻!



第52巻

 病院から戻った恭一の顔は青ざめていた。頭の中は「ガ」の字ばかりが飛び交い、正常なリアクションの取れない状態に。そんなときに限って打順が回ってくるのだった。そして、そんなときに限ってホームラン。しかし恭一の落ち込みは深く、一塁ベースの手前でいきなり座りこむ。しかも体育座りだ。彼がホームインしなければ、せっかくの得点がムダになる! そんな悩ましいベンチの焦りと、うつろな目でひたすら遠くを見つめる主人公を、牧之内は温かい目で見つめていた…。まろやかにダッシュする男たちの抗ヒスタミン剤「SF甲子園」第52巻!



第53巻

 恭一の落ち込む理由がチームメイトに知れ渡った。協議の結果、恭一を元気づけるにはウソの病名を教え込むしかないと判断する。一文字目が「ガ」の病気を考えに考え、ついに彼らは「外人病」を思いついた。鼻がみるみる高くなる病気だ。だが、それはそれで重病ではないかといった意見も出され、会議は深夜に及んでしまう。その間も恭一は体育座りを続け、足がしびれてくるのだった。そんな不自然なベースボールと、守り疲れて衰弱してきた相手チームを、牧之内は温かい目で見つめていた…。あでやかにスピンする男たちの筋肉増強剤「SF甲子園」第53巻!



第54巻

 恭一をホームインさせるため、彼の大好物を使って一塁までおびき出そうとする部員たち。だがよくよく考えてみると、嫌いなものがえびという情報しかないのだった。恭一が好きな食べ物は何か? タピオカ入りココナッツミルクか? それとも仔牛のカツレツ悪魔風なのか? 今まさに、世界中のシェフが球場をめざしていた。その中に一人だけ、シェリフが紛れ込んでいた。そんなコック帽の中で浮きまくるカウボーイハットと、待たされっぱなしのタキシード中学を、牧之内は温かい目で見つめていた…。しめやかにジャンプする男たちのドーパミン「SF甲子園」第54巻!



第55巻

 最初に一塁ベースに置かれたのは、イタリアから来たシェフの作ったペペロンチーノ。それを見た恭一はポツリと一言、「パスタじゃないんだよな…」。怒ったシェフはグラウンドにパスタをばらまき「ピザにすりゃよかったぜ!」と叫んで去っていく。ばらまかれたパスタは守備につくタキシード中学を襲い、彼らは汚れをおそれて逃げまどうのだった。そんな食べ物を粗末に扱うワイルドなシェフと、恭一の大好物をとろろ汁と推理している自分自身を、牧之内は温かい目で見つめていた…。あざやかにクラウチングスタートする男たちの大動脈「SF甲子園」第55巻!



第56巻

 次に一塁ベースに置かれたのは、イギリスから来たシェフの作った牛丼。イギリス人が、なぜ牛丼にチャレンジしたのか。実は狂牛病の牛を使っていたのだ。それとは知らず、恭一以外のナインは平らげてしまった。発病したのはサードの谷。突然、鼻にバットを入れようと努力してしまう。恐ろしいことに、先っぽが入りかけていた。しかもバットの太い方。そんな狂った仲間の理解不能なアクションと、ツユダクにすればよかったと悔やむ自分自身を、牧之内は温かい目で見つめていた…。ほがらかにキャッチアンドリリースする男たちの予防接種「SF甲子園」第56巻!



第57巻

 次に一塁ベースに置かれたのは、インドから来たシェフの作ったカレーライス。カレーは最後の切り札と誰もが思ったが、恭一は微動だにしなかった。幼い頃のトラウマで、彼はボンカレーの甘口しか食べられないのだ。ところが、インド人の作ったカレーはボンカレーの中辛。インド人のくせにレトルトだ。恭一は少し辛いカレーを口にして、大人への階段を登ることができるのか? そんな微妙なスパイスの配合と、パッケージの和服美人(松山容子)を、牧之内は温かい目で見つめていた…。高らかにイレギュラーバウンドする男たちの後頭部「SF甲子園」第57巻!



第58巻

 見事に一塁ベースへたどり着いた恭一の、次の目標は二塁ベースだ。食欲はカレーで満たされ、もう食べ物で引き寄せる手は使えない。そこで考えられたのが、二塁までウオータースライダーのような通路を掘ろうというプラン。恭一をコロコロ転がして、二塁へ導く寸法だ。明暗中学による掘削活動は夜を徹して行われ、彼らは不思議な充実感で満たされていくのだった。そんなグラウンドキーパー泣かせの大がかりな突貫工事と、無抵抗にコロコロ転がりはじめる恭一を、牧之内は温かい目で見つめていた…。きめ細やかにジグザグドリブルする男たちの薬指「SF甲子園」第58巻!



第59巻

 どうにか一二塁間のスロープが開通するが、二塁ベースへ転がる途中で恭一がストップした。何かに引っかかっているようだ。よく見たら不発弾。そして大爆発。球場は吹き飛び、あとには焼け落ちたバックスクリーンが残るばかりだった。全員が運び込まれた長谷川病院では、開業以来の大手術が行われる。しかし、院長の長谷川は今ひとつ自信がなかった。そんな腕の悪い町医者と、なぜか手術室に置かれているプレイステーションを、ベッドの上の牧之内は温かい目で見つめていた…。つややかにフルスイングする男たちの下くちびる「SF甲子園」第59巻!



第60巻

 手術が始まった。明暗中学でただ一人難を逃れたキャプテンの村上は、手術室の前で無事を祈っていた。だが「手術中」の蛍光灯がついたり消えたりしているのを見つけた院長の長谷川は、オペそっちのけで修理を始める。思わず村上が「早く手術を」とせかしたものの、長谷川は「こっちが先だ」と譲らない。あげくの果てには蛍光灯を買いに駅前まで出かけてしまった。そんな融通の利かない町医者と、どんどん心拍数が落ちていく恭一の冷たい体を、ベッドの上の牧之内は温かい目で見つめていた…。しとやかにクレンジングする男たちの上くちびる「SF甲子園」第60巻!



第61巻

 院長の長谷川がやっと帰ってきた。手にはガム。明らかに買うものを間違えた彼は、いかんいかんと笑いつつ再び駅前へ。それを引き留めようと村上が長谷川の腕にしがみついた。しかし必死の抵抗もむなしく、村上の体はどんどん引きずられていく。それもそのはず、長谷川は生まれつき人を引きずるのが得意だった。暇さえあれば近所の子供を引きずり回していたほどだ。そんな不可解な得意技を持つ町医者と、なぜかすぐに味がなくなる梅ガムを、ベッドの上の牧之内は温かい目で見つめていた…。なめらかにベリーロールする男たちの無精ヒゲ「SF甲子園」第61巻!



第62巻

 院長の長谷川がぐずぐずしていたおかげで、ついに恭一は死んでしまう。ホッと胸をなで下ろし、ウキウキしつつ葬儀屋へ電話する長谷川。しかし、彼は思いがけないバナナの皮で足を滑らせ、頭を弱く打って死ぬ。二人の死体を目の前にして、あたふたとうろたえる村上に、カリスマ看護婦の聡子がささやいた。「くっつけちゃいましょうか」。そんな不気味なアイデアを持ち寄るオカルトナースと、とうとう息を引き取ってしまった主人公を、ベッドの上の牧之内は温かい目で見つめていた…。清らかにツイストアンドシャウトする男たちの頸動脈「SF甲子園」第62巻!



第63巻

 カリスマ看護婦の聡子が、吹き飛ばされていた恭一の右手と左足を縫合する。もちろんそれは長谷川の手足だった。とはいえ、これだけで恭一が生き返るはずもない。しかも長さがずれていた。聡子が右手と左足を逆につけてみたからだ。キャプテンの村上は試合続行のために、死者がよみがえる薬を探して旅に出る決意をする。そんな村上の並はずれた責任感の強さと、それなりにケガをしているのにガーゼ一つ当ててもらえない他の部員たちを、ベッドの上の牧之内は温かい目で見つめていた…。きらびやかにナイスショットする男たちの富士びたい「SF甲子園」第63巻!



第64巻

 村上が旅立つ日、チームメイトは送別会を催す。会場は包帯を巻いたケガ人だらけだ。そこへ、息を吹き返した院長の長谷川が、右手と左足を探して街をさまよっているらしいという情報が入った。出席者たちは恐いもの見たさで現場へ直行する。残っていた左手と右足を駆使して走り回る長谷川の姿を目にした彼らは、人間の秘められた可能性に気づくのだった。そんな中断された村上の送別会と、死んだ恭一を病院の押し入れに隠すカリスマ看護婦の聡子を、まだ治りかけの牧之内は温かい目で見つめていた…。おだやかにラリアットする男たちの力こぶ「SF甲子園」第64巻!



第65巻

 死者がよみがえる薬を探して、村上は駅前商店街へ。まずは近場をあたっておこうという賢明な判断だ。しかし、どうしても見つからない。仕方なく店を出ようとすると、薬屋の女主人が「何か買え」と立ちはだかった。恐れをなした村上が「店で一番安いものを」と頼んだにもかかわらず、10万円の仁丹を買わされる。所持金がなくなり、村上の旅は終了した。そんな極端に短い一人旅と、とにかく高い仁丹と、福引の時しか盛り上がらない駅前商店街を、まだ治りかけの牧之内は温かい目で見つめていた…。安らかにハットトリックする男たちの総入れ歯「SF甲子園」第65巻!



第66巻

 一方、恭一を保存する方法を模索していた「死体保存本部」チーフのショート・北島は、遺体の真空パックを試みていた。うまく空気を抜いて、あとは密閉するだけだったが、圧縮された恭一の体内に残っていたガスが大音量とともに放たれてしまう。音もすごいがニオイもすごい。あまりのすごさに、地元の警察に災害対策本部ができるのだった。そんな電話が鳴りっぱなしの災害対策本部と、就任早々過労で倒れた本部長と、ニヤリとほくそ笑む副本部長を、まだ治りかけの牧之内は温かい目で見つめていた…。明らかにプリントアウトする男たちのCTスキャン「SF甲子園」第66巻!



第67巻

 身から出たガスで恭一の意識が戻った。急きょ開かれた共同記者会見で「音で目覚めたのかニオイで目覚めたのか」と外国のプレスに聞かれた恭一は、笑顔で「ニオイです」と即答する。科学的な分析の結果、彼のオナラにはヘトドロキタクサンという物質が多く含まれていることがわかった。この物質を3ヶ月間投与されたマウスは、9割がドブネズミになるらしい。そんな何に役立つのかわからない実験結果と、次々に汚い川へ飛び込んでいくマウスたちを、まだ治りかけの牧之内は温かい目で見つめていた…。うららかにソールドアウトする男たちの乾燥肌「SF甲子園」第67巻!



第68巻

 思うように進まない決勝戦に困った審判団から、助っ人外国人のベンチ入りを認める通達が両チームに届いた。明暗中学のミーティングは夜を徹して行われ、大リーガーをスカウトするため何人か渡米することに。しかし、アメリカに詳しい人間を選ぼうとしたにも関わらず、部員の誰もがタイムズスクエアをフュージョンバンドだと思っていた。おいおい、それはスクエアだろ! そんな常軌を逸した勘違いと、F1中継で揺れまくるオンボードカメラを、そろそろ治ってきた牧之内は温かい目で見つめていた…。たおやかにUターンする男たちの極太鼻毛「SF甲子園」第68巻!



第69巻

 明暗中学は戦力の補強をすっかりあきらめ、開き直って助っ人の意味を拡大解釈した。新たにベンチ入りしたのは、マッサージのうまい韓国人。グラウンドでの疲れを癒す計画だ。そしてもう一人、これまたマッサージのうまい中国人。お互いに切磋琢磨してもらいたいとの願いをこめて、二人同時に採用が決定した。ベンチの中は、客の取り合いで大騒ぎ。審判といえども順番待ちだった。そんな培われたテクニックと、山積みにされているスチームタオルを、そろそろ治ってきた牧之内は温かい目で見つめていた…。健やかにグランドオープンする男たちの乱れ髪「SF甲子園」第69巻!



第70巻

 マッサージですっかりいい気分の明暗中学に、予想外の敵が現れた。それはもみ返しだ。体がだるくてたまらない。金属バットが重い。しょうがなく、バットを紙製にしてみた。軽い。いくらでも振れる。しかし、ボールは飛ばなかった。悩んだ牧之内はタイムを要請。やはり疲れを癒すのは温泉に限るという結論に至り、ベンチの周りを掘りまくる。そんな借りてきたブルドーザーがまき散らす土煙と、現場監督気どりでチームメイトを怒鳴りつけている恭一を、そろそろ治ってきた牧之内は温かい目で見つめていた…。不確かにトリプルアクセルする男たちの動体視力「SF甲子園」第70巻!



第71巻

 ベンチの周辺は穴だらけ。ひたすら掘り続けて6時間、成果は水道管を2本壊したぐらいである。噴き出した水でグラウンドはびしょびしょだ。そこへ、謎めいた箱が出土した。箱には「絶対に開けるな、なんて野暮なことは申しません」と書かれていた。一同は開けたい気持ちを抑えられなかった。セカンドの柏村だけが、なぜか閉めたい気持ちを抑えられなかった。そんな何が出てくるかわからない謎の小箱と、壊れた水道管のおかげで顔も洗えない近所の中年男を、そろそろ治ってきた牧之内は温かい目で見つめていた…。手短にUVカットする男たちのアキレス腱「SF甲子園」第71巻!



第72巻

 いきなり嵐が吹き荒れ、神様がグラウンドに降りてきた。謎の小箱を指差して「中身を当てた物には、望みを叶えてやろう」と告げる。最初に答えたのは主審の桂川だ。彼は右手を高々と挙げて「赤福!」と叫ぶ。こんな男に今までストライクの判定を任せていたかと思うと腹が立ってしょうがない両チームは、桂川の口の中にありったけの赤福を詰め込んでみるのだった。そんな人々の心を揺るがす謎の小箱と、改めて食べてみるとやはりおいしい伊勢名物を、完治した牧之内は温かい目で見つめていた…。創意工夫しながらアフターケアする男たちの右中指「SF甲子園」第72巻!



第73巻

 箱の中身をひたすら考え込む一同。神様がしびれを切らして帰ろうとするので、引き止めるために宴会が始まった。恭一は、酒をしこたま飲ませて正解を聞き出そうと企むが、神様は牛乳しか飲まない。やけくそで牛乳談義に花を咲かせてみたものの、事態はいっこうに進展しなかった。すると、低脂肪乳について二人の意見が分かれ、宴会場には緊迫した空気が漂う。そんな人々の心を惑わす謎の小箱と、白い唾を飛ばしながら盛んに言い争う不思議な二人を、完治した牧之内は温かい目で見つめていた…。一進一退しながらベッドインする男たちのヘモグロビン「SF甲子園」第73巻!



第74巻

 神様の逆鱗に触れて牛乳地獄に落とされた恭一は、白濁した池の中で必死にもがき続ける。そんな恭一を見守る、母・薫子。しかし母親とは名ばかりで、子育てのモットーは「君臨すれども統治せず」だった。周囲の意見はもちろん「おまえが統治しろ!」。しかし薫子は、卵焼きはおろか卵を買ったこともない。卵という字も書けないほどだ。ニワトリも知らなかった。そんなどうしようもない母親と、もがきにもがいて1キロ泳いだ恭一を、Tシャツ姿の牧之内は温かい目で見つめていた…。事実確認しながらウイニングランする男たちの背中下半分「SF甲子園」第74巻!



第75巻

 やっとの思いで池から脱出した我が子を、薫子は再び池に投げ落とす。その理由は、恭一が牛乳くさいから。この行動が児童虐待にあたるかを緊急アンケートしたところ、なんと8割以上の主婦が「牛乳くさいならしょうがない」と答えた。薫子は神様に、息子を風呂に入れるよう要請する。わがままなお願いに困った神様が辺りを見回すと、目線の先には釜ゆで地獄が。そんな明らかに沸かしすぎの風呂と、母親の厳しい仕打ちに打ちひしがれている恭一を、浴衣姿の牧之内は温かい目で見つめていた…。七転八倒しながらホームステイする男たちのぜにたむし「SF甲子園」第75巻!



第76巻

 すっかり牛乳と風呂が嫌いになった恭一。そんな恭一に牧之内から電話が入った。スタジアムに早く戻れとのこと。駆けつけた彼が目にしたものは、巨大化した三塁ベースだ。それは気球のように膨れあがり、今にも二塁ベースとくっつきそうな勢いだった。押しつぶされていたのはサードの谷。極度の圧力のため、谷のくちびるは青紫色になっていた。そんな守備位置が災いしてもがき苦しむ運の悪いチームメイトと、まだまだ膨らみ続ける愉快な三塁ベースを、パジャマ姿の牧之内は温かい目で見つめていた…。安全運転しながらサーフィンする男たちの折れた足「SF甲子園」第76巻!



第77巻

 大会規約第542号の1「三塁ベースが膨らんで二塁ベースとくっついた場合は先攻チームの勝ちとする」。この条項を忘れていた後攻の明暗中学は、焦って三塁ベースを押し戻す。ちなみに大会規約第769号の2は「グラウンドでプリンを食べたら死刑」だった。過去に2人しかいないらしい。はたして明暗中学は膨らみ続ける三塁ベースを止められるのか? そんな破天荒なルールブックと、グラウンドでプリンを食べて死んだ自分の祖父母の小さな墓を、レオタード姿の牧之内は温かい目で見つめていた…。完全否定しながらY字バランスする男たちの割れたアゴ「SF甲子園」第77巻!



第78巻

 三塁が二塁とくっつかないように、俊足を生かしてセンター正岡が二塁ベースを抱えて走り出した。その背後に、膨らみ続ける三塁ベースが迫る! 審判団の想像をはるかに超える異常な大きさだ。まるで入道雲のようだ。ミシュランのマークにも見える。ちなみに彼の名前はビバンダム。そんな愛されているキャラクターと、今のところ誰からも愛されてない三塁ベースと、どこまで走ればいいのか答えの出ないままグラウンドを駆け抜けていくセンターの正岡を、ハッピ姿の牧之内は温かい目で見つめていた…。心頭滅却しながらピッキングする男たちのヘソ自慢「SF甲子園」第78巻!



第79巻

 走り続ける正岡に誘惑の魔の手が伸びる。「ちょっとお兄さん、寄ってかない?」。見るとそこにはキャバレーが。完全料金前金制のシステムだ。迷いに迷った正岡は、30分だけの約束で店内へ。しかし好みのタイプの女性を見つけてしまい、5時間滞在してしまう。正岡は弱い男だ。しかし同じ男として、誰が正岡を責められようか? そんな世の女性に対する実に都合のいい自己弁護と、隣のテーブルで負けじと違う女性を口説いていたタキシード中学の斎藤を、ドレス姿の牧之内は温かい目で見つめていた…。人間観察しながらテフロン加工する男たちの首自慢「SF甲子園」第79巻!



第80巻

 なんとかキャバレーの誘惑から抜け出し、再び走り続ける正岡。そこへ同じようにベースを抱えて走る男が、土煙を上げながら近づいてきた。二人の間には友情が芽生え、初恋の相手を語り合うほどの仲に。お互いのあだ名も決まり、正岡がマサオカンと呼ばれたその時、なんと男が両足を複雑骨折してしまう。「俺に任せろ!」正岡はベースを二つ担いで、夕焼けの中へ消えていった。そんな止まらないロマンティックと、ちょっと止まった方がいい正岡を、ふんどし姿の牧之内は温かい目で見つめていた…。参勤交代しながらスキルアップする男たちの伸びたシャツ「SF甲子園」第80巻!



第81巻

 15時間走り続けた正岡がついに倒れる。そこへ恭一が、カウンタックに乗ってやってきた。正岡から二塁ベースを奪うと、ビニール袋に包んでしまう。よく考えたら、最初からそうすればよかったのだ。正岡は自分自身に腹が立ち、なぜかプロテインをがぶ飲みする。彼には「ちょっと多めにプロテイン」という著書があった。サイン会はいつも大盛況。全盛期のキャンディーズも顔負けだ。そんな夢の印税生活と、タイヤが7つある恭一の不思議なカウンタックを、赤ふんどし姿の牧之内は温かい目で見つめていた…。完全黙秘しながらミーティングする男たちのおちょぼ口「SF甲子園」第81巻!



第82巻

 警官隊が、恭一のカウンタックを取り囲んだ。どうやら、車検が切れているらしい。それもそのはず、恭一のカウンタックはあちこち改造されており、とても車検を通るような代物ではなかった。ルームミラーは三面鏡だし、運転席は便座である。高速道路を走っても、サービスエリア知らずですよと自慢げに語る恭一。しかし、サービスエリアの魅力はトイレだけではない。そんなついつい食べてしまうフレンチドックと、焼きそばとたこ焼きとソフトクリームを、青ふんどし姿の牧之内は温かい目で見つめていた…。温泉旅行しながらオランダ旅行する男たちの新婚旅行「SF甲子園」第82巻!



第83巻

 カウンタックのエンジンがかからない。やはり、エンジンルームを冷蔵庫に改造したのがまずかったらしい。もはや車というより家電である。よって車検をする必要がなくなり、あきらめた警官隊は「冷凍庫もあった方がいいんじゃないか」とありったけのアドバイスをして去っていく。ちなみに、トランクは電子レンジになっていた。そんな冷やしたり温めたりの八面六臂な大活躍と、これまでで最も手強い改造車を前にして無力さをさらけ出した警官隊の寂しげな後ろ姿を、軍服姿の牧之内は温かい目で見つめていた…。裏口入学しながら再入学する男たちの体験入学「SF甲子園」第83巻!



第84巻

 「おれ、寿司屋になる!」いきなりショートの北島が叫んだ。そして、寿司屋に。仕方なく、部員を募集する明暗中学。その書類選考に、北島が応募してきた。だったら辞めるなよ、というチームメイトからの強烈な指摘に対して、北島が自分の握った寿司を食べさせる。そのあまりのまずさに、彼の店が開店して2時間40分でつぶれた理由が痛いほどわかる部員たち。そんな寿司屋の歴史に残る最短記録と、せっかく作ったのれんをハンカチに再利用する北島を、水着姿の牧之内は温かい目で見つめていた…。借り物競走しながら障害物競走する男たちのスウェーデンリレー「SF甲子園」第84巻!



第85巻

 「おれ、ペットショップの店員になる!」いきなりピッチャーの藤山が叫んだ。そして、ペットショップの店員に。仕方なく、部員を募集する明暗中学。その書類選考に、藤山が応募してきた。だったら辞めるなよ、というチームメイトからの強烈な指摘に対して、藤山が店のペットを全滅させてしまったことを打ち明ける。エサとネジを間違えて食べさせたらしい。そんな裏目に出た動物への愛と、ネジを食べた動物もちょっとおかしくないかという同情的な意見を、アオザイ姿の牧之内は温かい目で見つめていた…。普通預金しながら定期預金する男たちのタンス預金「SF甲子園」第85巻!







表紙


 発行/カクシゴト 編集長/かくたかひろ
 皆様のご意見、ご感想お待ちしております。乱丁・落丁はお見逃し願います。2002