修理の動機


 ある日、扇風機の昇降ロックが壊れてしまった。昇降ロックとは、モーターが上げ下げできるタイプの
扇風機で、モーターを一番低い位置で固定しておくロックのことである。ロックにあるボタンを押 すとロックが解除されて扇風機のモーターは上に上がり、高い位置でファンを回せるようになっている。少し衝撃が加わっただけだが壊れやすい最近の扇風機 だったため、ロック部分が壊れてしまったのだ。一見、壊れていない扇風機のようだが、網の取っ手で持ち上げるとロックの部品ごと抜けてしまい、容易にモーターが上がってしまうのである。持ち運 ぶとき、どうしてもモーターが上がってしまう。毎度分かっていることなのだが、なぜか運ぶとき疲れるのである。力を入れるタイミングがずれるからだろう か。
 今回修理した扇風機は、ダイエーが販売していたものだが、扇風機のラベルでは表示者となっている。加えてMORITA という記述がある。多分ダイエー が設計・製造・販売したのではなく、MORITAというところの品であろう。型番はCF-303HRだった。
羽直径30cm、消費電力42Wである。
 壊れたときの瞬間は良く覚えている。買って間も無くだったから。それから14年使っている。今回は前回の扇風機同様、とりあえずは工房に持ち込んだ。し かし修理方法がなかなか見つからなかった。というのは、この扇風機は今までに何度か修理を試みた。しかしすぐに再発するのである。樹脂が接着剤と合わない ためである。今回は抜本的な修理方法が求められた。

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