ヘアトラップ用車載小型検体乾燥機 2009年から3年間、2011年いっぱい岩手でクマのヘアトラップ調査に参画した。成果的なことは 環境省研究総合推進費による「クマ類の個体数推定法の開発にかかわる研究」に。 そのなかで、直接このプロジェクトの研究成果にはならない些末な現場テクニック?を紹介。 ヘアトラップで採集した検体(クマの体毛)の分析成功率は、既にヘアトラップにかかった時点 で大体決まっている。採集した後は乾燥剤で乾燥させて冷凍または常温保存されるので、このよう な処理を忘れてなければ、おおむね採集時の状態で固定できている。 が、それでも降雨などによって、検体が採集時にぬれている状態のままで乾燥させるには、それ だけ乾燥剤も多量に必要になる上、保管時の交換回数も増えてめんどくさい。 調査面積にもよるが、今回の調査の場合、ヘアトラップ設置地点から現地ステーションまで平均 1時間半の道のりがあって、毎日の巡回に要する時間も4−5時間は要した。この時間を有効利用し て予備乾燥(余分な水分除去)ができてれば、採集後も水分による影響を最小限化できるし、後処 理で必要になる乾燥剤の総量も減る。のでは、と考え車載できる小型乾燥機を作ってみた。 乾燥機、とはいっても絶乾できるわけではなく、単なる常温での送風装置なので、その時点での 気温と湿度に依存した水分含有量で平衡するにとどまる。 実際、調査時期は大体、5月から8月なので車のエアコンの噴出し口(フロントの)にでも並べと けば乾いてしまう。または適当な乾燥剤を入れた箱なり、袋なりを用意しておいて順次放り込んで おけば、それなりに水分除去はできるわけで、特にこれが便利と威張れるものではない。 DNA分析結果からは特にこれで何か有意な違いがあったかどうかは不明。大体そのような調査設 計はしていなかったこともあるし、検体の扱いに気を使ってみた以外には、”やってみたかった” 程度の、ほとんど好みの問題でしかなかろうかと思う。やってみたいと思うならば、誰にでも作れ るので適当に改良してみてはどうでしょう。 以下、試験機と現地投入機の両方の試験結果をなんかそれっぽいPDF文書で。 車載用ヘアートラップ小型検体乾燥機 (2012/04/23)
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