無責任解釈第?弾の3

 今年2007年5月頃に問い合わせがあって、しばらく遅れて回答したもの。
 個人的にもまともな見解なし、実績なし、回答内容は無責任を超えて妄想の域。そのうち自爆します。

 わからんものはわからん。いまだまともに応えられない点が多いというのを隠し立てする気はない。
開き直るというのではなくて、そんな一面があることを正直に言っといたほうがよいことばかりだから
だ。研究サイドの状況なんてのは、現状そんなものです。以下の文章でも文字数が多いわりには何も応
えていないというのがその象徴、といえそうですな。

 ってか、学者どもの発表の場は彼らが関係する学術関係学会が中心。生業として公正なレフリーの審
査を通った論文や発表を通じて正確な情報を伝えるのが筋ではありますが、いかんせんサーキュレーシ
ョンが悪い。一般人がそれら情報を耳目に接する機会はどれだけあるのか疑問という点、かなり怪しい。
情報抱え込んでないで、うまくインタープリテーションして被害防除に向けた普及啓発のためにも表に
出て発言してほしいものです。

 そんなこんな(を自分の恥をさらして皮肉ってるわけだから)も含めて、誰かがちゃんと応えようと
しないと、いずれこまったことになりますぜ。たぶん。

青:ふじたま
赤:とあるクマ関係者

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 お世話になります。
 去年に引き続きクマ剥ぎの広範囲にわたる被害が多数見つかっています。効果のある防除方法はある
のでしょうか?

 他県の様子をネットで調べた限りでは広範囲を簡易に防除する手だてはなさそうです。
 捕獲は捕り尽くさなくては効果がないようですし、西中国山地のクマが九州や四国の道を歩んでしま
わないか心配です。ご教授よろしくお願いします。

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 会社メールのチェックができなかったので返答遅れてすみません。昨日小笠原から戻りました。

 カワハギ防止の有効な手段はいまだないというのが現状です。
 傾向として、15年生から30年生ぐらいの間で頻発するようですが、同じ生長度でもある年度に確実に
この林分がやられる、などの予測はつきません。結局は後追いで被害を見つけてからナントカ・・・と
いう状態でしょう。ただ、一度カワハギがおきた林分は同じ年度に引き続き被害が出続けるのかという
とそうでもなさそうです。いづれにしてもカワハギされてしまった以上はその先何年かけてもその木の
価値はなくなるわけで、引き起こされない工夫が必要です(予測できないにもかかわらず)。

 そのあたり最近どのような調査研究がなされているのか十分把握していませんが、古典的には枝打ち
して落とした枝を再び幹の周りに縛り付けておくとか、標識テープなどでぐるぐる巻きにしておくなど
があります。が、正確にその効果検証が行われたかどうかは不明です。同じ方法を試しましたが、カワ
ハギがなくなったようでも、テープを巻いたせいなのかとりあえずその地域の林には魅力がなくなった
のか判断つきませんでした。

 以前、群馬県とかでは、カワハギ防止にドックフードの給餌器をつけてカワハギ防止する取り組みが
あったようですが、単純に餌ということでカワハギがおきるのかどうかという疑問はありますし、そう
したことによる人工的給餌への馴化、依存性の醸成など問題も考えられるでしょう。

 今回県内で見られるカワハギ被害木の年数やらからは、出荷直前(40年以前の間伐材を出荷するケー
スもあるでしょうね)、特にやられやすい林齢の木という傾向とかありませんか?

 やられない前にテープ巻きなどしてみたらどうなるか。確実な検証結果が出ていないので不安でしょ
う。また、どこで起きるかわからないことなので対象地域を絞りにくいし。いざやるとなると膨大な手
間が発生するなど、なかなか実行は難しい。また、この時期からの対策では遅いかも。早いのは3月く
らいから始まるし、ピークはおそらくゴールデンウイーク前でしょう。その後7月中ごろまでだらだら
と・・・

 やってみましょう、といって旗振りにどれだけのってくれるのか・・・防除効果に根拠がなければの
るにのれない。これも長期戦ですね。

 現地(現状、情報としては西中国の一地域に限る)の林業家の話では一面スギ、ヒノキになる前は、
カワハギといえばホウノキが対象だったといわれています。それならば、ホウノキやハリギリ、ハイイ
ヌガヤ(いずれもスギヒノキ以外でカワハギが良くみられる樹種)などの樹木と混交するとか、セル状
植栽をして谷筋や尾根には必ずこのような樹種を残しておいてかわはぎ対象樹種を増やすことで、林木
への被害発生頻度を薄めるとか、林業施行上の工夫からなにか対策をみつけて行くのも必要でしょうね。
とはいっても“完全な”対策ではありえませんけどね。

 とにかく、林業地域は農業地域よりもずっと”奥山”なのでそこで”有害駆除”が始まれば四国・九
州・紀伊半島になるのは間違いなし。また、季節的なこともあるとは思いますが、そのような奥山的地
域での被害発生を見れば何も低標高地域への個体群の集中とかいうのではなくて、里近くにも山奥にも
いるという意識が再確認されるのかもしれません。

 返答が遅れた上、決定版的な回答でもないこと、申し訳ないです。他の専門家のアドバイスも必要で
す。てか、既になにか画期的な情報とか得られましたか。


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 小笠原の駆除、お疲れ様でした。
 クマ剥ぎ被害の対策はやはりいい手は無さそうですね。
 
 当該地域に住まわれている有力者さんの山が大々的にクマの剥皮被害にみまわれていて、声高に行政
に声を上げています。

 この先が少し心配な案件です。

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 カワハギ、これまでその地域にはほとんどカワハギは無いと認識されていた時期もありました。
 クマの活動圏が広範囲化したかもしれないという影響は少なからず。奥地の個体群規模がわかればあ
る程度の範囲は有害鳥獣駆除による徹底排除という選択肢がありますがかなりキケンですね。

 後追いになりますが、森林簿みて現在カワハギ被害のある林分の林齢の幅調べて、次年度それに達し
そうな地域のリストアップぐらいしか手立てはないのかな。それで試してみようというところがあった
ら、枝マキやらテープ巻きなど、小規模でも施工(雪の降る前にするか、3-4月の早い時期にするかとか)
してみて、なにか結果が現われればその後の説明資料にはなるんだろうけどね。

 予算が無かったので考えただけで試さなかったこと。クレオソートをたっぷり塗った丸太を落葉広葉
樹林帯と人工林の境目に無数に立てて置く。春先養分の転流が激しくなってきて、揮発性の油脂類も多
量に分泌されているだろうと思います。それらが一種の誘引マーカーとかになっているのかもしれない
ので、一種囮とかルアーとかの効果が期待できればな、ってな発想。

 エンジンオイルとかペンキに嗜好性をみせるのも、樹木揮発性成分などと類似性から来ているのでは
ないかと想像。一緒に少量の蜂蜜の入った缶とかおいて、クレオソートの丸太をかじることと若干の蜂
蜜で気をそらさせるとか。

 ほか、ダンボールを重ねて30cm角のキューブ状にして、クレオソートやエンジンオイルをしみこま
せておく。枝からぶら下げるが、届かない高さではなくて獲ったりかじったりできるくらいにセット。
若干砂糖で味付けするとか?そんなのを10-50mおきに一個ずつ1000mとか。一定の標高で横に一列
とか。これらのような、スギ、ヒノキの分泌物の一種代替品による防波堤効果とか期待できないか。と
かね。

 いずれも3月くらいからはじめて7月くらいまで。クマが齧り痕や痕跡を残したか、その下部にある人
工林に新たにカワハギほか痕跡を残したかどうか。を一定期間見回って記録してゆく。齧られたり破壊
された場合はすぐに補充。ただし、比較対照するものが作れるかどうかわからないので本当に被害軽減
効果を評価できるかどうかは良くわからん。

 考えられる副作用。春先は何かと先の降雪などで家屋や野外施設が傷む。そのため、新たにペンキを
塗ったり、クレオソートで防腐処理したりするところが近接していると、何らかのとばっちりを受ける
可能性が大きい。公園の道しるべとか階段、木造施設の壁とか。それで、あえて標高の高いほう、落葉
広葉樹林帯と人工林の境目とかがよいかなぁ、なんてね。

 ここまでくるとかなり無責任な妄想、でしかないですよね。

 また、餌の一部としての嗜好性ではなくて何らかの自己主張など、食欲と関係の無い欲求に起因され
ることであれば上記の方法ではカワハギを止められない。むしろこれで止められなければ、カワハギが
餌とはあまり関係なし(確かにたべているのもありますがね)に起こりうるという傍証をもたらすかも
しれませんな。

 ちと外れるが、木酢液には近づかなかったかも。が、強烈に嫌がったわけでもなさそう。ただ無視し
ただけみたいだったが。

 ちゃんと実験しておけばよかったかな。企画倒れが多数。

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2007/11/22

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