西中国山地のツキノワグマ生息環境
痕跡の形態
クマダナ:主に秋期にクリ、ミズナラ、ブナなどの堅果類の樹上にできる採餌痕跡である。 比較的発見しやすが堅果類の密度や豊凶に左右され、ツキノワグマの生息密度とク マダナ数は必ずしも比例しない。 枝折り :クマダナ同様、堅果類の樹上にできる採餌痕跡でクマダナまで発展しなかった場合 や、樹上に枝をまとめず地面に落とす場合もある。 足跡 :新しいものであれば、河原や水たまり周囲、泥濘地で発見しやすいが、下層植生の 多い森林地帯では発見は困難な場合もある。 爪痕 :クリ、ミズナラなどの堅果類をはじめミズキなどの餌樹木に多く発見されるが、直 接の餌資源樹木ではなくてもヤマブドウなどの蔓性植物やハチ類の巣がある場合は 餌樹木以外からも発見できる。 糞 :発見が困難な指標であるが、糞分析により餌の種類を分析に利用できる。 剥皮 :スギ、ヒノキの人工林ばかりではなく、ホウノキ、ハリギリ、アカマツ、イヌガヤ などにも発見される。同時に爪痕や食痕が残されている場合が多い。 食痕 :タケ、ササなどは特徴的な食痕として観察できる。果実では直接食痕が残らないが、 糞、爪痕などと複合した判断となる。爪痕や歯形が同時に観察できない場合はクマ によるものとは断定できない。 体毛 :最も発見困難な指標である。自然状態での発見はかなり難しいが、養蜂場の有刺鉄 線や道標など人工構造物を破壊した痕跡などから見つかる場合がある。 直接目撃:もっとも確証の高い指標であるが、状況によっては危険も伴う。
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