LT01用HB9CV型 手作りアンテナ

  特定小電力無線局150MHz帯動物検知通報システム用無線局の無線設備規格に準拠した
動物追跡用の発信機が株式会社サーキットデザインから提供されている。
 いろいろと従来の海外製品と比較すると発信出力が弱いなど不平をもらす人たちもいるようだ
が、日本の電波法に照らすと輸入物発信機(特にビーコンタイプ)は合法とはいえなくなります。
いずれ国法にあった機材に転換してゆかなければならないでしょうね。とりあえず用途によって
はぼちぼち普及しているようです。

 特小発信機(LT01)は、HPとかの説明書に一目瞭然なので特に触れない。受信機は専用のデコ
ーダーを併用しつつ、FT817などが使え、アンテナもハムセンター札幌扱いのアンテナなどが
そのまま利用できるのでこれまでの資産が無駄になることはない。
 ちなみにこのアンテナは、数理設計研究所のHal.TさんがYSIMで特性の評価をされていますの
で運用方法の参考になることでしょう。

 特に特小発信機(LT01)専用アンテナというのはなくて、既存のものでも大きな問題はないが、
個人用にこれまでもHB9CV型で小型化したアンテナを作ってきたこともあり、アンテナシミュレー
ターMMANAによる計算を元に再設計してみた。一応、製品っぽく説明書なんて作ってみたがこれ
は、西の地方の友人から製作を頼まれたときに添付した注意書き。図面にはフェーズラインの張
り方、結線方法は載せてないので自作されるときは一般的なHB9CV的に。また、このアンテナに
はマッチングセクションが無いので、できる人は工夫されたらよいかと思います。

 MMANAのシミュレーション結果も載せてはいるが、実際にはいろいろな解があると思うのでこ
れで最適だったかどうかは責任持たない。中の図は格好よさげだが、実際にはごみアンテナだ
ったかもしれない。いい加減実測しないとまずいだろうな(前から同じこと言ってるけど)。

 普通、ガンママッチとかで給電するので、マッチングロッドが素子の左右どちらか側に配置さ
れる。このため放射パターンの中心とアンテナブームの軸線が一致しない − 要はアンテナの
向きと発信源の方向が微妙にあわない − 現象が起こる。このずれはアンテナ軸線に対して、
マッチングロッドのある側に最大5度くらいにはなりそうな気がする。

 このアンテナの場合、送信を前提としてないのでガンママッチなどのマッチングセクションで
精密な調整はしていない。このため、性能的には損失が大きくなるかもしれないが、放射(感度)
パターンの左右対称性と軸線の中心性をなるべく一致させるため、前後の素子ともに単純なダイ
ポール的な接続とした。

余計な話:
 いまどき三角測量による位置推定法はテクニック的にすでに過去の遺物になりつつあるのでい
まさらですが。特にガンママッチタイプのアンテナは向いている方向がそのまま発信源の方向に
はできないので、アンテナの振り方も多少小細工が必要だったって考慮してたんだろうか?精密
に方向測定してた人もいたようだったから・・・・

 体感的には気がつきにくいし精密に測定しなければ解らないのは確かなので無視してもいいと
言えばそれでもいいのかも。このHP内の”ラジオテレメトリーについて”にも、この問題は書か
なかったな、そういえば。

 まぁいいか今更だし。

 藤田式HB9CV型アンテナ 取扱説明書

 一応、現地での使いかっての良し悪しについてフィードバックしてもらうようにお願いして、

 藤田式HB9CV型アンテナ 受信状態チェックシート

と、いうような用紙もつけてみた。製作者の思い込みと、数値的な性能と、実地での使い勝手の
良し悪し(お客様満足度?)はそれぞれ別次元の話だろうから。

(2012/04/20)

  フェーズライン結線の概略図を追加。
 これまでも同じ形式で若干高い周波数にあわせたものもいくつか作ってきた。いい加減な設計
だが、実用上問題を感じなかったのが不思議なもので。一方ほかの人に使ってもらって、いただ
いた感想には賛否があった。違っていて当然だろうとは思う。

(2012/10/29)


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