自動撮影
 現在ではいくつかのメーカーが安価で信頼性の高い自動撮影装置を市販していますが、
市販の材料で簡単に自作できるので、撮影されたものに一喜一憂するなど楽しさを発見で
きるものでもあります。
 しかし、実際に調査に応用するとなると故障の少ない信頼性の高い装置に仕上げなけれ
ばなりません。ここで紹介した写真はすべて自作の撮影装置によります。
 動物の生息状況調査等において、対象動物が直接観察できる機会はそう多くはありませ
ん。このため、自動的に写真やビデオ撮影ができる装置を利用して調査の補助に役立てる
ことができます。まず、対象動物やその他の動物の生息確認に利用できること、警戒心を
与えずに行動や生態観察に利用できること、その他応用方法は多数あります。
 ただし、調査研究の一端として利用しているだけなので、写真自体の芸術性や訴求力を
狙ったものではありませんし、狙ったからといって思ったとおりの仕上がりになるわけで
もありません。
 撮影方法として、通り道に仕掛けるなど誘引物を使わない方法と、ベートステーション
のような誘引物を組み合わせた方法がありますが、調査の目的、対象動物の生息密度、周
囲の環境によってどちらを使うべきかが決まってきます。ここで紹介した写真のうち養蜂
被害写真以外は、すべてベートステーションと組み合わせて撮影されました。
 これまでの撮影では、顔面や正面にこだわりました。これは、個体の特徴を示す手がか
りが多いためです。ツキノワグマでは一面黒塗りで模様などが乏しいのでどれほど有効か
疑問も有りますが、事前に耳標などつけられた学習化放獣個体の追跡やモニタリングへの
応用など利用方法はあるものと考えます。また、動物の生態をつかみ適当な姿勢に誘導す
ることができれば広く多くの種類の野生動物の保護管理手法のひとつとしての展望も開け
るものと思われます。ひとえに工夫次第といったところでしょう。
13-01 自動撮影装置。
13-02 養蜂被害の撮影への応用。
13-03 標識個体の再確認への応用(十方林道)。
13-04 ラジオテレメトリー追跡個体の確認への応用(聖山)。
13-05 生息状況調査への応用(十方林道)。
13-06 その他の動物(テン)調査への応用。
13-07 2頭同時撮影(十方林道)。
13-08 事前に標識されていれば個体識別の可能性は高い(十方林道)。
13-09 この個体は番号No.16(十方林道)。
13-10 新規観察個体(十方林道)。
13-11 顔面の傷跡なども識別の手がかりになる(十方林道)。
13-12 その他の観察個体(聖山)。
13-13 大きさ比較1。立ち上がると身長があまり変わらない個体。
13-14 大きさ比較2。結構怖いものがあります。
13-15 別の標識個体(聖山)。
13-16 ベートステーションとした樹洞に入り込んだ個体(十方林道)。
13-17 同一個体の連続。臭いつけ行動?
13-18 同一個体の連続。臭いつけ行動?
       ベートステーションに用いた蜂蜜の上で転げまわったようで、自分の臭い
       を残すための臭いつけというよりは、環境や餌(ここでは蜂蜜)の臭いを
       自分に移しているように見えました。
13-19 よっこらせ。 たまにはほのぼのと。それにしても写真が悪い!
13-20 学術調査捕獲罠と自動撮影装置1 パッシブ赤外線方式ではなく罠入り口にワイヤ
       ーを張ってOMRONのタクトスイッチ(Z-15GNJ55-B)でカメラが動作。この手
       の改造はフィルムカメラのほうがしやすかった 2008年安曇野
13-21 学術調査捕獲罠と自動撮影装置2 罠の中で反転し頭が外を向いたときに撮影され
       た。入るときはうまくまたいだらしい 2008年安曇野
13-30 その他の動物(ジネズミ、十方林道)。
13-31 その他の動物(タヌキ、亀井谷)調査への応用。
13-32 その他の動物(アカネズミ、広留野)。
13-33 その他の動物(テン)
       このようにしてベートステーションの誘引物が取られて行きます。
13-34 その他の動物(イノシシ)
13-50 カメラの設置例。
13-51 カメラの設置例。土管タイプ。
       これは失敗。クマに破壊された。
13-52 カメラの設置例。学術捕獲罠との併用

 ヘアートラップとの併用
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