クマだな
 ツキノワグマの痕跡でもっとも特徴的といえるのがクマだなです。特に秋にクリ、ミズ
ナラ、コナラ、ブナなどの堅果類に顕著に表れます。また、ミズキ、ウワミズザクラなど
にも大きなクマダナを作ります。基本的に採餌痕跡ですが、大きさなどはさまざまでまっ
たく目立たない小規模のものもあります。
 クマは樹上で枝を折り、手前に手繰り寄せてドングリなどを食べますが、次々と一箇所
に枝が積み上げられて棚状の構造に発展するものと考えられています。
 また、棚状に積み上げず枝を落としてしまうことも観察されます。
 クマだな形成の時期は、餌樹木の種類によって変わります。先に述べた堅果類では9月か
ら11月ごろに形成されますが、ウワミズザクラは7月、ミズキは期間が長く7月下旬から10
月ごろまでに形成されているようです。また、春先の糞からブナの新葉が検出されること
がありますが、この時期にクマだなの新規形成はまだ観察していません。
 餌樹木でなくても、ヤマブドウ、サルナシなどのつる性植物が絡み付いている樹木では
クマだな状の構造が形成されることがあります。
02-01 ブナに形成されたクマだな。
02-02 ミズキに形成されたクマだな。
02-03 ミズナラに形成されたクマだな。
02-04 キイロスズメバチの巣とミズキのクマだな。
02-05 コナラの枝折。
02-06 ウワミズザクラの枝折。
02-07 クリに形成されたクマだな。
02-08 栽培クリに形成されたクマだな。
02-09 栽培クリの枝折。
02-10 ヤマザクラに形成されたクマだな。群馬県水上村。
02-11 クマだな遠景。群馬県水上村。
02-12a ミズキのクマだな。2009年9月 岩手県岩泉町
02-13b ミズキのクマだな。落ちた枝。2009年9月 岩手県岩泉町
02-13c ミズキのクマだなに続く獣道。2009年9月 岩手県岩泉町

フレーム対応でないブラウザの場合こちらをクリック
メニュー画面に戻ります