ブッシュネルトロフィーカムXLTで360度自動撮影実験

ブッシュネルトロフィーカムXLT(2009年度版)を全方位撮影装置に変えてみた。特に学術的意義はない。
使用したカメラは撮影できて正常にファイルは作れるが、内部モニター(白黒)に情報が表示できない障害
があって、設定変更ができない機体。要は業務上、使い物にならないジャンク品の流用。

ガーデンウオッチカムでの実験から、鏡面仕上げのステンレス半球でなんか撮影できそうだったので、その
ときの反射鏡部品をくっつけてみた。予備的実験ではXLTでも画像が撮れることはわかっていたのだが、自
動撮影化するためのセンサーの問題は解決していなかった。ためしに焦電センサーを3個、三方位に向くよ
うに配置した基板も作ってみたものの、既存の回路との整合が取れないままだったので動作しなかった。

ということで、オリジナルの一個で全方位から赤外線が入るかもしれないようなユニットを作ってみた。 
この場合、全周に受光用のフレネルレンズを配置して、熱源からの赤外線がどこから来てもセンサの受光面
にあたるようにしなければならないわけで、アルミテープで円錐形の反射体を作ってみた。

上手く反射できればどの方向からでも何とかセンサーの受光面には届きそう。ただ、レンズが光を集束させ
るものの、反射鏡は凸面的な円錐のためかえって分散させてしまう事がどこまで影響するか・・・。
また、アルミって赤外線を吸収してしまうような気が・・・・たしかに効率は相当良くなさそうだ。

焦電センサーはハンダごてで基板から外して、適当なリード線で外に出してみただけ。
焦電センサー(単体)の感応範囲はデータシートによると四角いセンサー面、縦方向、横方向ともに110度
か120度でどの種類でもほぼ同じ。とりあえずは円錐反射面全体は視野に入っているような感じだが。
今回分解したXLTに使われている焦電センサーは、これでした。

このれを部品として組み込まれた製品として感応範囲が何度っていうのは、使われたレンズの特性で変わる。
今回のレンズは、秋月の フレネルレンズD703にしてみた。

このレンズを3枚、輪切りにした紙筒に巻き付けてビニールテープで固定。ビニールテープは赤外線にたい
してほぼ透明?焦点距離は30mmなので、レンズから焦電センサー面まで、反射板を経由した光軸長を約30mm
にした。 が、先述のとおり光がセンサーに集束するわけではないと思うのでどうなんだか。

各部品の構成は、 概略的にはこんな感じ。縮尺寸法プロポーション無視図。

 写真。

例によってPanoramaLiveで開いてみた 例。テストのために立ってみた(夜間撮影モード)。
この映像(不鮮明な人物)の距離感で約2m。2-3m角正方形なヘアトラップを想定しての事ならば十分かもね。
今のところおおざっぱな限定した環境での動作実験なので、感知範囲に入ったイベント100%記録できるか
どうかはまだ確証はない。もっとも感度の良さげな距離は50cmだし、全周感知を目指してはいるが、方向的
なムラや不感応範囲もあるようだし、工作精度や材料のせいで(テスト機ということでボール紙とかででき
ているので)・・・まだまだトホホなマシンであるには違いない。が、無謀にも天気の良い時に外に仕掛け
てみようと考えている。

そのほか、
オリジナルの赤外線照明は位置的に邪魔なので外に引き出した。一応電線でつないであって、暗いところで
感応実験したときに撮影出来たかどうか、LEDがグロウすることで確認してた。

フォトカプラーを使った自動カメラ用の増灯LED照明が売られているが、同じ原理で全周照明(大量のLEDが
要るが)は作れそう。普通の基板ではなくでPPシートかなにかにLED配列して、丸めてリングにすればでき
あがりって事ですね。配線方法はそれぞれ工夫、ということで。そのうち作ってみせられるかどうかは不明。

今回のテスト機は、半球反射体の上にセンサーユニットを置いたので配線が視野を縦断。
設置方法は別途考えないとならないが、カメラをひっくり返して反射鏡をカメラ筐体の下側にして、センサ
ーユニットを上側にする、もしくはその逆でも。

個人的にはセンサユニットを下側にして、あとは普通に三脚固定(カメラは横に寝かせた感じだけど)で良
いと思う。三脚の足が熱源の動きを適当に遮ったりすると、ちらつきが発生するわけで、なるべく細い材料
を使った方がいいとは思うが、広範囲に遮ってなければあまり気にする必要は無いと思う。無改造のセンサ
ーに付いてるフレネルレンズ、縦横に仕切られていて、説明書にもビーム状の感応範囲が何本か出てる図が
添付されてる。このように、複数の狭い受光範囲を並べて、それらを横切るときのちらつきを利用している
ってことなので。

あと、全周撮影用反射鏡ユニットについては、”ガーデンウォッチカム・・・”のところでも書いたように、
展開ソフト付きで何種類も市販(ソニー、iPhone用その他多数)されているわけで、金さえ積めれば苦労し
ないで何とかなることでしょう。

まぁ結局画質も実用レベルに達しないことだし、またなにやってんだろうねってことで。

(2012/05/17)

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