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小泉内閣への要請書 2001年10月10日
10月10日、原告団と弁護団及び見直す会は森山法務大臣、福田官房長官と相次いで会見し、控訴断念と話し合いのテーブルづくりをもとめて、要請をしました。以下に、福田官房長官宛の要請書を掲載いたします。森山大臣あての要請文もほぼ同じものです。

小泉内閣への要請書


平成13年10月10日


内閣官房長官 福 田 康 夫 殿

小田急連続立体交差事業認可取消請求事件
原告団代表        高品 斉
 同代理人弁護団代表 弁護士 斉藤 驍
小田急高架と街づくりを見直す会
          会長 中本信幸


要 請 書

  平成13年10月3日付小田急連続立体交差事業認可取消請求事件(東京地方裁判所平成6年(行ウ)第208号等)の判決は建設行政を震撼させ、マスコミは社説等を通じて「公共投資を問い直す契機にすべき」と報道しています。
三権分立はグーチョキパーと同じですから、現状の行政官僚専横を糾すためには、紙をハサミでバサバサ切ることを契機に構造改革を始めるのも効果があるものです。

 問題は、この判決をどう生かすかの具体的方法です。

 建設行政が選ぶと思われるやり方は高裁、最高裁と控訴して時間を稼いで高架工事の既成事実を作り上げ、「無理が通れば道理が引っ込む」状態にすることでしょう。
これは守旧派官僚体質から生まれた得意技であり、「公共投資の見直し、聖域なき構造改革」が絶対的条件となっている日本の課題に大きく相反するやり方です。

 マスコミ報道では「小田急電鉄広報によれば、工事の完成度70%」と書かれました。これは事実に反していると私達は確信しています。都建設局の意向により、小田急が意識して流した情報です。
 私達が情報公開訴訟で手に入れた設計図書等により、専門家が総合的に推測すると全体の35%を上回ることはないでしょう。是非、事実を調べて全体の現状を把握してください。

 福田さん、あなたは、司法から投げられたボールをしっかりと受け止めて、建設官僚の意見は明らかに間違いと判定している判決を認めて、控訴を拒否すべきです。

 今回の司法判断をあなたが認めることは、ずるずるべったりの建設行政が行う際限のない公共投資を変革させる第一歩となるはずです。

 具体的に提案しましょう。

 1.とりあえず現在の高架工事を速やかに全面中止する。
 2.新宿から成城学園まで一貫した2線2層方式のシールド工法の地下鉄を建設する。
 3.地表の部分は常緑樹中心、出来てしまった高架部分は立体的ガーデニング、つまり、緑のコリドーとする。

  こうすれば、梅ケ丘・成城学園問の6.4キロの完成は多少遅れるかも知れませんが、「通勤地獄の解消」は早く実現する事になります。都の計画によると代々木上原から梅ケ丘までの完成は平成25年ですから、地下式はこれよりはるかに早く完成します。「通勤地獄の解消」は新宿や代々木上原から複々線にならないと効果が出ないからです。
 工事費用は結果的に一部高架・地下のダブル払いにはなりますが、未来に向けた環境負荷という借金を増やさなくて済み、逆に緑のコリドーが残ります。
 神宮の森から多摩川まで結ぶ緑の回廊は、都心までウグイス、メジロ等を呼び、クロアゲハ、ヒグラシ等も姿を見せるでしょう。

 公共投資見直し、聖域なき構造改革のもと、諸般の事情をご賢察の上、是非控訴しないよう要請申し上げる次第です。


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