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2002年9月14日に砧区民会館(小田急線成城学園前)で開催されたシンポジウムについてのレポートです。

小田急高架見直しの視点と都市再生のふたつの道


宇沢先生を囲む市民ゼミナール


 田中康夫長野県知事が再選(9月1日)された余韻がさめやらない9月14日午後4暗から砧区民会館(成城学園前)で「宇沢先生を囲む市民ゼミナール」を開催しました。
 都市再生のふたつの道とは、いま政府や東京都が進めている「バブルよもう一度」とばかりに、都心中心部の街から人を排除する“巨大開発”か、市民が積極的に係わって“公共空間を自分たちの手に取り戻す”かの道です。言うまでも無く、私たちの進めている運動は都市を人の手に取り戻す正しい「都市再生」です。

講師の先生方のお話

宇沢弘文先生(東京大学名誉教授・日本学士院会員)

「小田急高架事業を違法とした東京地裁判決は、全国の公共事業反対運動盛り上げに大きな影響を与えている」と判決の意義を高く評価しました。
長野県では田中知事が再選され、「脱ダム宣言」に象徴される公共事業見直しの方向が、全国的にもはっきりしてきたことを指摘。「この方向を定着させるためにも、小田急の運動はどうしても勝利しなければならない」と強調しました。

岡部明子先生(建築ジャーナリスト、一級建築士)

 先生はスペインバルセロナに在住しました。この間92年にオリンピックが開催され、同市は「都市再生のバルセロナモデルとして、世界的に高く評価された都市再生事業を成功させました。この事業に参加するという貴重な体験をもとに提言をなされました。
 「日本は欧米の都市にコンプレックスを持っており、欧米の成功した花形プロジェクトを真似る。しかし花形は原点でなく、個々の事業の集大成として形成されたものです」と日本の行政・専門家の姿勢を批判、その上で「日本の良いところを発掘すること」の必要なことも指摘しました。「都市再生とは(車を追い出して)かつての人の賑わいを取り戻すことです」と明確に定義されました。

福川裕一先生(千葉大学工学部教授・都市計画)

 都市再生のために必要ことは@高密度=超高層でない都市A「計画があれば上手くゆく」という発想を変えてB(全体を決めて部分を作るのでなく)部分が全体を創るという思想C市民が主体的に都市づくりに参加しD市民デベロッパーを持つの5ケ条を提言しました。

斉藤  驍先生(小田急訴訟弁護団団長)

 「連続立体交差事業は単なる鉄道事業でなく道路事業を核にした、都市再開発を目的とした一体の事業である」と連立事業の本質を見抜いて、政府が進めている都市再生事業は、本来自治体が策定するべき都市計画を、地権者やデベロツパーに与えて「見せかけの民営化を狙ったものである」と批判、その上で「都市再生の運動の原点はここ世田谷にあり、小田急線沿線の火を大きくし、全国に広げ、正しい都市計画の出発点にしたい」と締めくくりました。

以上


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