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2005年12月 8日 東京新聞30面

門前払い耐え『原告』

『快挙』拍手と歓声


 やっと原告と認められた――。東京都世田谷区の小田急線高架訴訟で、最高裁は七日、四十人の原告のうち三十七人に「訴える権利」を認めた。これまで公共工事の差し止め訴訟などで、地権者以外は「原告適格なし」として門前払いが続いてきただけに、原告だけでなく、関係者の間から「画期的な判決だ」と喜びの声が上がった。司法による行政チェック機能の強化に期待が集まる。 

 判決後、原告・弁護団は東京都千代田区の社会文化会館で報告会を開いた。約百人が集まった会場では、弁護団が判決の意義を説明するたびに大きな拍手が起こり、「画期的な判決」「歴史的な快挙」と評価する声が相次いだ。

 十五年間にわたって反対運動を続けてきた原告の小林千香子さんは「胸に去来するのは、運動にかかわり亡くなられた人たちのこと。『がんばれ』と言い残して亡くなった人もいる。彼らに報告したい」と涙ぐんだ。

 都の環境影響評価(アセスメント)の対象区域外に住むため、高品斉さんは最高裁でも原告適格を認められなかった。しかし「一審でわれわれが勝利したのに工事は継続され、控訴審では玄関にも及ばなかった。でも、正しいことを言い続けていれば通るようになった」と喜んだ。

 弁護団は「公共事業で被害を受ける国民が、被害を防止し、その公共事業を正すために裁判を起こすことができるようになった。行政訴訟の歴史の中でかつてない快挙」とする声明を発表した。


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