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平成16年(行ヒ)第114号 小田急線連続立体交差事業認可処分取消請求・事業認可処分取消請求上告事件

声    明

 ― 大法廷弁論を終えるにあたって ―

2005年10月26日


小田急線都市計画事業認可取消訴訟弁護団
弁護団長 斉藤 驍


 原告適格を、国民主権、権力分立、司法審査、そして国民の裁判を受ける権利という我が国の憲法秩序に相応しいものに拡大することは、行政訴訟における30年以上の宿願であった。これが今次の行政事件訴訟法改正の眼目のひとつになったことは、歴史の当然求めるところであったとはいえ、高く評価すべきことである。

 しかし、裁判の門口というべき原告適格は、ただその間口をいくらか広げればよいというような矮小な技術的問題ではない。

 道路・鉄道・高層再開発が三位一体をなす本件のような巨大公共事業の影響を受ける全ての人々に門戸を開放するばかりではなく、その人々の現在と将来の状況、ひいては、日本社会の現在と将来を充分見据え、行政の誤りをただすことが出来るような裁判へ転換するということである。これこそ、公的でもあり私的でもある一人一人の国民が、裁判を通じて正しい少数意見を具現する道である。選挙の多数決原理だけでは日本は良くならず、従って真の民主主義も程遠くなる。今回の総選挙はこれを示して余りあるのではなかろうか。

 今我々はこのことを最高裁判所の裁判官の方々によく申し上げたところである。裁判所の充分な理解が立派な判決に実ることを、衷心より期待する。

以上


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