第298回   ELLIOT MINOR / ELLIOT MINOR

1. Time After Time / 2. Parallel Worlds / 3. The White One Is Evil / 4. The Liar Is You / 5. Lucky Star / 6. Jessica / 7. The Broken Minor / 8. Still Figuring Out [album verions] / 9. Silently / 10. Running Away / 11. Last Call To New York City // 12. Forgetting You / 13. She's Getting Around / 14. Wait Another Week

さて、今回紹介するのは、2008年にリリースされたエリオット・マイナーのデビュー・アルバムです。このアルバムを出した頃の彼らは「ポップ・パンク」のカテゴリーで括られていた(し、日本盤のジャケもそれ風でした)ので気づくのが遅れたのですが、彼らは哀愁のメロディーに満ち溢れた楽曲を作るバンドだったんですよ。本国イギリス盤のジャケット(右下に掲載)は、ファンタスティックで食指をそそるようなジャケだったと知ったのは、つい最近のことでした。(彼らは昨年にはセカンド・アルバムをリリースしてサマソニにも出演していたんですね。)

M1はアコースティックピアノで始まるロック・ナンバーです。弦(キーボード)のアレンジが哀愁のメロディーとコーラスにぴったり合っています。そう言えば、バンドの謳い文句は「ロックとクラッシックの融合」でしたね。(まあ、そこまで大仰なものではないのですが。)間奏のツインリードも印象的です。M2はイントロからしてツインリードの印象的な、アップテンポのロック・ナンバーです。(シングル曲だそうですが。)メロディーとコーラスは哀愁味たっぷりですね。ここでも弦の音を上手く使っています。間奏ではノーマルな音のギターに続いて、まるで様式美メタルみたいな美しいハーモニー・ツインが聴かれます。

M3のイントロはストリングスのアレンジでクラッシク風にまとめ、一瞬のブレイクの後に哀愁ロック・ナンバーになっていきます。この曲の哀メロもいいですねぇ。イントロで想像できるように、他の曲よりもストリングスが大幅にフィーチャーされています。M4もまたリリカルなピアノと弦から始まります。それにアコギが重なって、美しいメロディーが歌われていきます。サウンドは徐々に厚くなっていくのですが、素敵なバラード・ナンバーですね。いい曲ですよ。(^^)

M5はフランジャーの効いたギターからゆったりとしたメロディーが歌われていきます。前の曲とはまた変わった曲想のバラードかと思ったんですが、曲は一転してテンポを上げて哀愁のロック・ナンバーに変わってきます。彼らにしては比較的メジャーコードの多い曲かも知れません。M6はアップテンポのロック・チューンです。やっぱりメロディーとコーラスは哀愁たっぷりですね。叙情メタルの香りもしますし、好きだなぁ、この曲。(^^)

M7はリリカルなアレンジに載って、伸びやかなメロディーが歌われていきます。ここでも哀メロは健在です。6分近い長目の曲なので、アレンジは他の曲よりも凝っていますね。ラストに1分ほどストリングスのクラシカルなアウトロがあり、映画音楽のような印象を与えてくれますね。M8はゆったりと始まるのですが、曲の本体はビートの利いたロック・ナンバーです。バックにストリングスが入っていなければ「ポップパンク」に入れるのもわからなくはない曲想の部分はありますが、それはほんの一部です。ギターソロはまるでメロディックメタルですよ。(^^)

M9は印象派っぽいピアノにストリングスが絡んで、美しくも哀愁溢れるメロディーが歌われていきます。当然、途中からサウンドは厚くなっていくのですが、哀愁のメロディーは変わりません。これもすごくいい曲だと思いますね。(^^)M10はハードなギターのリフに導かれるロック・チューンです。メロディーはアルバム中で一番ストレートにパワーポップっぽいかもしれません。もちろん、哀愁の香りは忘れてはいませんけどね。

ラストナンバーのM11は、6分を超える大作です。ハーモニーツインのイントロに続いて、アコギの刻みとピアノでゆったりとしたメロディーの歌が続きます。サビは、ラストの曲らしく比較的オーソドックスにまとめてきていますね。他の曲よりはマイナーっぽさが少ないのですが、これも凄くいい曲ですね。アルバムのラストに相応しい作品だと思います。ラストにはSEで花火が上がっていますよ。(笑)

ここからは日本盤のボーナストラックです。M12は、哀愁味溢れる導入部から、ビート・ロックへと続いていき、サビでまた哀愁のメロディーを出すという構成です。インディー時代のシングルからの曲だそうですね。M13は印象的なキーボードで始まりますが、曲はマイナー調のメロディーを持ちながらも、かなりストレートなアレンジですね。未発表曲らしいのですが、シングルでいけそうな曲ですね。メロディーも日本人好み(というか日本っぽい)し、僕は好きですね、これ。(^^)M14もインディー時代のシングルからの曲だそうです。リリカルなピアノから美しいメロディーが紡がれていくミッド・テンポのバラードです。ストレートなアレンジに楽曲の良さが滲み出ています。

ということで、「ポップパンク」に分類したの誰だよ!と言いたくなるような出来映えのアルバムですね。ほとんどの曲でピアノと弦(ヴァイオリンは自らが演奏するそうですがキーボード主体でしょうけど)の音が効いていますね。そこが「ロックとクラッシックの融合」と言われた所以でしょう。中心人物のアレックス・デイヴィーズがクラッシックの英才教育を受けていた人物であることも大きいんでしょうね。最も、プログレっぽさはあまりなくて、あくまで根幹はギター・ロック・バンドであることが彼らのスタンスだと思います。

それにしても、最初から最後まで哀愁味いっぱいのメロディーに溢れる作品ですね。哀メロ・ファンの人は聴くしかないアルバムだと思います。

では、また次回に!

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