第269回   Modulations / Chewy Marble

1. She Roxx / 2. Don't Look at the Sun / 3. Cross-Hatched World / 4. Somewhere Else / 5. Black & White / 6. Flicker / 7. Picture the Finger / 8. Mental Toothache / 9. My Monster / 10. Hey Dad / 11. Moments / 12. Clutter

さて、今回は昨年リリースされたチューウィー・マーブルのサード・アルバムの紹介です。

チューウィー・マーブルについては、前にファーストのことを書いたことがあるので、覚えている人もいらっしゃるでしょう。元ワンダーミンツのメンバーを中心に結成されたというバンドですよ。(まあ、ワンダーミンツのことを引き合いに出されることは、本人たちにとっても迷惑なことじゃないかと思うんですけどね。)

彼らはドリーミーなファーストに続いてセカンドもリリースしているんですが、パワーポップ風味を増したものの、楽曲的にはぱっとしない印象の1枚でした。(セカンドが好きな人、ごめんなさいね。(^^;)ところが、このサードでは、ポップさも捻りもいい感じに全面に出てきていて、素敵なアルバムになっているのですよ。

M1は、比較的オーソドックスなパワーポップ・チューンだと思います。でも、キャッチーなメロディーの中に漂う甘酸っぱさは、本当に素敵だと思います。間奏のギター・ソロ(とサウンド)はまるで全盛期のウイングスみたいですし、オープニングの曲としては満点でしょうね。(^^) M2は、軽快なポップ・ロックですね。カウントに続くイントロのコードとベースが「ワイルドでいこう」みたいな感じで面白いのですが、曲は軽くてメロディアスです。サビのギターのリフがファンタスティックですし、間奏もレトロな感じでいいですね。

M3は、ポール風のミッド・テンポのポップ・チューンです。メロディアスで、ビートリッシュで、いい感じですよ。ラストでリズムを変えるのも面白いです。M4は、ミッドテンポの渋いロック・ナンバーですね。中期ビートルズ風にベースが全面に出てがんばっていますが、曲自体も(シンプルなピルバグズと言えば伝わるでしょうか?)サイケデリックな雰囲気を持っています。メロディーはそんなにいいとは思いませんが、摩訶不思議な雰囲気で、アルバム中でも1,2を争う印象的な曲です。

M5は、シンプルなロック・チューンですね。この曲もメロディー的にはピルバグズみたいな感じです。ギターの刻みがカッコいいですよ。ミドル8で転調してイメージを変えているのですが、そこをもう少し推敲したらとんでもない曲になっていたかもしれないと思いますね。間奏の後半のギター・ハーモニーには、僕は日本の某バンドのイメージを感じるのですが、それは間違いなく偶然でしょう。M6はアコギで渋くキメてますね。シャッフルのリズムに乗っかって、男の哀愁を感じさせる日本人好みのメロディーが心地よいです。この曲も、イメージがポールっぽくて好きだなぁ。(^^)

M7は、再びビートリッシュなナンバーです。心地よいメロディーとハーモニーに続くリフを聴いていると、ホワイト・アルバムあたりの香りがしてきますね。ギターの音色もそれっぽいです。この曲も、好きだぁ。(笑)M8は、エレピが大活躍のインスト・チューンです。ジャジーな雰囲気とAORな雰囲気とがうまくブレンドしていますね。途中のコード進行に聞き覚えがあるのは、偶然かな?ご愛敬かな?お洒落な曲です。

M9は、サイケっぽいイントロにおや?っと思いますが、曲にはいるとオーソドックスな展開でした。メロディー的には、他の曲に比べるとイマイチかもしれません。逆回転とかも使って、変化をつけてはいるのですけどね。M10はアコギによるシンプルな曲です。歌は、少しぶっきらぼうな感じを受けますね。間奏のキーボードがメロトロン風で面白いですし、曲の終わり方からはホワイトアルバムの香りがします。それにしてもMotherの次はDadですか.....公平なんですね。(笑)

M11は、アコギの印象的なインスト・チューンです。この曲あたりは、結構アメリカンな雰囲気もありますね。でも、後半にインスト曲を続けるという構成はどうなんでしょう?どっちの曲も、悪くない曲なんですけどね。ラストのM12は、サイケ風のサウンドを聴かせる曲ですね。ゆったりとしたメロディーなんですけど、サビ前にぞくっとするようなメロディーをひとつ置いています。まわりとの対比で、(サビやミドル8のメロディーも悪くないんですけど、)その部分の美しさが際立っていますね。雰囲気的にはやはり中期ビートルズの趣で、アルバムは余韻を持って終わっていきます。

全体的には、ファーストのファンタスティックなサウンドに、キャッチーなパワーが加わったって感じですね。全体的に中期〜後期のビートルズへのオマージュを強く感じるのですが、特に終盤にはそういう色が濃いように感じます。まあ、前半からのキャッチーな流れと終盤のサイケな雰囲気という対比は面白いですね。

ジャケットもファンタスティックな感じです。今回はインナーにもジャケにもメンバーの写真が出ていませんが、メンバーのルックスを考えると、これは大正解かもしれません。(ごめんよぉ。...でも、そうなんだもん。(笑))

ということで、終盤が若干間延びすると感じる人もいるでしょうから、あえて「*」はつけませんが、前半〜中盤までなら十二分に「*」に値するアルバムだとは思います。見かけることがあれば、手にとってみてくださいね。セカンドで期待を裏切られた人、このサードは大丈夫ですよ〜。(笑)

では、また次回に!

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