第267回   She's About To Cross My Mind / THE RED BUTTON

1. Cruel Girl / 2. She's About To Cross My Mind / 3. Floating By / 4. She's Going Down / 5. I Could Get Used To You / 6. Hopes Up / 7. Can't Stop Thinking About Her / 8. Gonna Make You Mine / 9. Ooh Girl / 10. Free

さて、今回はリクエストによる1枚です。先日、「このあたりのアーティストはどうですか?」というメールをいただいたんですが、買った当時書こうとして、多忙でタイミングを失っていたこのアルバムのことを書くことにしました。

このバンドはMike RuekbergとSeth Swirskyという二人のソングライターのユニットになります。公式サイトによると、セスはアル・グリーンやティナ・ターナーをはじめ、いくつかの有名アーティストに曲を提供しているとのことですし、マイクもポップ・バンドのRex Daisyの中心人物だったということで、二人とも結構な経験値の持ち主です。(まあ、写真を見ても結構なおじさんですしね...失礼。(笑))

このアルバムですが、2007年にリリースされるとポップ・フリークの間でも話題になり、ポップ・ガーディアンでは2007年のベスト・アルバムにも選ばれているそうです。ご存じの人も多いとは思いますが、おつきあいくださいね。

M1は、60年代ブリティッシュ・マイナー調の「必殺」ポップ・チューンです。ポップ度もメロディーも捻りも、文句なしの1曲ですね。彼らはビートルズを引き合いに出されることが多いのですが、僕が感じるのはゾンビーズあたりです。この曲だけでも彼らの能力とこだわりがわかるでしょう。この曲にはヴィデオ・クリップもあって、60年代のミニスカ&ゴーゴー娘が満載です(笑)。彼らの狙いがミエミエのクリップだとは思いますけどね。
M2はタイトル曲です。ミッド・テンポで軽快なポップ・チューンです。甘く切ないメロディーを聴かせてくれますし、アレンジも爽やかです。コーラス・ワークは完璧だし、12弦の響きも心地よく、これまた文句なしの1曲ですね。さすがにタイトル曲だけのことはあります。(^^)

M3はピアノが効いているソフトロック風味の曲です。この曲でも甘酸っぱいメロディーが印象的ですね。前の2曲よりはギターが引っ込んでいますが、ビートルズ色は強いと感じます。M4は、曲が始まると一瞬FOWかと思いましたよ(笑)。でも、すぐに印象はゾンビーズに変わりました。間奏のギターのバッドフィンガーっぽさにも触れるべきかもしれませんが、メロディー、ハーモニー、アレンジすべてがロッド・アージェントっぽいですね。(^^)

M5のイントロは、まるでユートピアみたいですね。でも、曲に入れば逆回転を活かしたギター、ビートリッシュなコーラス、ジャジーな味付けのキーボードと、どことなくFOWみたいでカッコいいです。名曲ですね。M6は、どことなくコステロ(メロディーと唄い方)・ミーツ・ノーバディ(サウンド・アレンジ)って感じの60年代風ロックです。これまたビートリッシュでゴキゲンです。

M7はファンタスティックなミッド・テンポ・バラードですね。この曲でも、甘酸っぱいメロディーとコーラスが聞かれます。滲み出てくるフィーリングはビートルズよりもゾンビーズって気がしますけどね。M8は、個人的には一番のお気に入りです。ポップでチープでキャッチーなオルガンの音に導かれて、60年代ブリティッシュ・ポップ風味が弾けます。イメージ的には、(ゾンビーズX3+DC5)÷4ってところでしょうか、最高にカッコいい曲ですよ。(^^)

M9は、12弦のアルペジオが効いている、ミッドテンポの軽快なポップ・チューンです。爽やかな曲なんですが、Aメロのところは「シャラララ・リー」に聞こえてしまいます(笑)。でも、いい曲ですよ。M10は、イントロ聴いたらわかりますよね、「レイン」です.....と言えるほど、中期ビートルズ色満載の曲です。まあ、モチーフはやっぱりレインに聞こえるんですけどね(笑)。この曲では、ポール以上にポールっぽいベースラインが聴き処でしょうか。アレンジ面でも、逆回転も満載のサービスぶりです。ビートル・マニアはぜひどうぞ。

ラストのM11は、ミッド・テンポのバラードですが、メロディーは甘酸っぱいだけじゃなく、その美しさが際立っています。アレンジ的には、ビートルズだけでなくビージーズあたりへのオマージュも感じるのですが、フォーク・ロック調のサウンドと先述の美メロが絶妙のハーモニーを醸し出しています。アルバムのラストに相応しい佳曲だと思いますね。

ということで、「ビートルズ」を引き合いに出すだけでは収まらない60年代ブリティッシュポップへの造詣の深さを感じることのできるアルバムだと思います。改めて聴いてみて、「なんであの時に無理して書かなかったんだろう?」と思ってしまいました。(^^; ポップ・フリークなら、マスト・アイテムだと思います。ショップでも比較的安価だと思うので、まだ聴いたことのない人は、ぜひ聴いてみてくださいね。

では、また次回に!

< She's About To Cross My Mind / The Red Button / US / ?? / ?? >


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