第266回   (no title) / David Grahame

1. (Side A) / 2. (side B)

さて、2005年のベスト盤を最後に活動停止していたデヴィッド・グラハムのニュー・アルバムがリリースされました!!実は、このアルバムの前に6曲入りのEPもリリースしているんですが、今回はフル・アルバムとなります。デヴィッド・グラハムと言えば、ビートルマニアのポール役という肩書きを持ち出す必要もなくなったとは思いますが、基本的にはポール風のポップな楽曲を書く人ですから、復活を素直に喜びたいと思います。(^^)

このアルバムですが、(WIVでリリースされたベスト盤と初期のオリジナルリリース盤を除いて、)基本的にハンドメイドのCDRという、最近の彼の姿勢(予算?)を踏襲したものとなっています。余談ですが、彼のところのプリンターは新しくなったようで、オフィシャル・サイトのCDRはレーベルも全面直接印刷になっていますし、インナーの印刷も綺麗になっていますから、昔のCDRに比べるとずいぶんと見栄えは良くなったと思います。「ERIC」なんて、リリース当時はなかった表ジャケまでできてるものね。(笑)それにしても、セカンドの「Beatle School〜」も(公式サイトではCDR盤になっていますので)プレス盤は本当に入手困難になったものです.....いけない、話を戻しましょう。(爆)

このアルバムの最大の特記事項は、「アルバム・タイトルがない」ということでしょう。この5年間で最初のアルバムという説明文だけで、タイトルはなく、リリース告知の時はあったはずのジャケットのDavid Grahameの文字も消え、27曲入りと予告されたもののトラックは2つのみでそれぞれがA面とB面という設定になり、曲目は(CDはもちろん公式サイトにもこのアルバムを販売しているどのサイトにも)公開されないという、徹底した「秘密主義(笑)」を貫いています。ということで、ここでは各トラックごとに聴いていくしかありませんね。(笑)

まず「A面」です。M1は60年代風ブルース・ロックですね。でも、彼の資質を反映してか、とても軽いですし、1分で終わります。M2は、ポール風のミッド・テンポの楽曲です。彼の場合、こんな曲を歌うのが一番安心して聴いていられますが、曲も声も本当にポールしてますよねぇ。(^^)

M3は、イエスタデイ風のイントロで....と思ったら、本当にイエスタデイのカバーでした。まあ、いつぞやのアルバムのように1曲目からじゃないからいいか(笑)。アレンジは初期ウイングス風ですね。ウイングスがリハーサルでバンド・アレンジで演ってみて、ポールが「ダメダメ、これ、やっぱりオレがアコギのソロで演るよ。」と言いそうな雰囲気だな(爆)。M4は、少しビートを利かせてみましたって感じですが、風邪ひき声のポールという趣の楽曲です。いい感じの曲なんだから、わざと下手に歌わなくてもいいのにね。まあ、個人的にはお気に入りの1曲ですけど。(^^)

M5は、ポール風のピアノ・バラードですね。本当にポール(ソロ中期)が書いたみたいな曲ですから、ファンにはたまらない曲だと思います。M6は、軽快なアコギの刻みに乗っかった曲です。パートごとに声色を変えたりして面白いですね。曲自体は、いい感じにポップですし、曲想の変化もポールっぽくてGOODです。(^^)

M7は、ミッド・テンポのロック・チューンです。サウンドは軽めで、ウイングス風のコーラスが入り、あっという間に終わってしまいます((^^;)。M8は、前の曲を引き継いだようなイメージの曲ですね。この曲のリード・ヴォーカルは、誰でしょう?彼の裏声なのか、子どもに歌わせているのか、音声処理でオクターヴ上げているのか、クレジットもないのでわからないのですが、印象的な歌声であることは間違いありません。メロディー的には少し落ちるかな?

M9はカントリー風味のアコースティック・チューンです。M10は再びミッド・テンポのロック・ナンバーです。この曲はポール色は薄く、最近のギター・ポップの香りもしてきますね。ラストのギター・ソロはジョーイ(・モーランド)風かも知れませんね。聴き応えのある曲です。
そして、「これでA面が終わるよ。レコードを裏返して。」というデヴィッの声でトラック1が終わります。

では、B面です。M1は、バッドフィンガーを彷彿させるイントロから、完全なるポールの世界が始まりますが、またまた1分半で終了ですね。M2は、ジョージ風のギターに導かれた、ドラマチックなバラード・ナンバーです。これまたポールかバッドフィンガー風ですね。ポップではないかもしれませんが、メロディーの映えるいい曲だと思います。

M3は、イントロのマイナー調のギター・フレーズが印象的ですが、曲に入ると、再び完全なるポールの世界が始まります。間奏のハーモニー・ツイン(と言うほどハモってないけど)も面白いし、これまたいい楽曲だと思います。個人的には、この曲もお気に入りです。M4は、ミッドテンポ−アコースティック−小品ポールって感じの曲ですね。タイトルはきっと「Daybreak」でしょう。(笑)

M5は、少しイメージを変えてリズムをイマ風にして、弦もギターも逆回転を駆使して、面白いアレンジの曲です。ホワイトアルバムのように実験的なイメージがしますね。M6は、アコギのクリシェが美しいバラードです。ピアノがジャジーに絡んでくるので印象が違うかもしれませんが、ポールっぽい曲ですね。すぐ終わるけど。(笑)

M7は、「小品ですがちょっぴりロックっぽくやってみました」って感じの曲です。歌詞もなく、スキャットとギターの絡みで作った短い曲ですね。M8は、再びポールっぽさの高い曲です。でも、結構逆回転とかを使ってるので実験的な感じもする小品です。M9は、先行EPのタイトル・チューンですね。ビートル・ポール風の、良くできたロック・ナンバーです。

M10は、エレピで演ったポールの小品という趣の曲です。感覚的にはゲット・バック・セッションなのかな?切れ目なく続くM11は、ゆったりとしたビートルズ後期風の曲ですね。再び切れ目なくM12は、ちょっぴりファンキーな曲です。まあ、どうしようもなくポールの感覚がするんですけどね(笑)。切れ目なく美しいバラード・チューンのM13が流れてきます。どうしようもなくビートルズ風ですけど、メロディーの美しい佳曲だと思います。途中のブレイクがメロディーを際立たせていますね。いい展開ですし、楽曲的にも文句なしの1曲じゃないでしょうか。そして、また切れ目なくポール風のアコギのナンバーM14に続きます。ビートルズ風のコーラスに乗っかったアコギのソロも面白いですね。さっきゲットバック・セッションと書いたのですが、この展開では、それにアビーロードのイメージが加わっているように思います。

M15は、ポール風のアコースティックなロック・チューンです。ポップで軽快で、ギターソロもキマっていて、文句なしのポップ・チューンですね。M16は、「ジ・エンド」風のドラムから始まって...と思ったら、やっぱりカバーでした(笑)。元々ポール声の人ですから、まあ、キマってはいますけどね。(^^)

M17は、循環コードを使ったアコースティーック・チューンです。ポール風のメロディーもビートルズ風のハーモニーも素敵です。でも、いい楽曲を完璧にキメずにヘタウマ風味を残した作りにも味があると思います。
そして、この曲でB面は終了です。予告通り、A面B面合計で27曲入りでした。(^^)

全体的に見ると、いつものデヴィッド・グラハムの作品だと思います。良くも悪くも「ポール風」ですよね。まあ、ビートルズのカバーが入っているのは、リマスターCDリリースへの敬意かもしれないとは思いますし、ビートルズ風の構成をしているところもそれっぽいと思います。

ということで、デヴィッド・グラハムを知っている人には安心して買える1枚だと思います。知らなかった人も、これを機会に、ぜひどうぞ。(笑)

では、また次回に!

< (no title) / David Grahame / US / Dog Turner / no number >


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