第256回   Full Tilt and Swing / Walter Clevenger & The Dirty Kings

1. Love Don't Mean Anything / 2. Hold On Tight / 3. Fast As I Can / 4. Jonathan Doe / 5. Stronger Than That / 6. I'll Be The One / 7. The Fool Who Used To Be / 8. Supermarket Checkout Queen / 9. Not Gonna Bend / 10. The Hurricane / 11. Let You Hair Down Tonight / 12. Radio Sea

 さて、久々の登場になりますね。「オレンジ・カウンティのニック・ロウ」ことウォルター・クレベンジャーがダーティ・キングスを率いての作品です。このアルバムのリリースは2003年ですね。

まずは自動車が投げ捨てられた池のモノクロ写真というジャケにびっくりしますね。デジパック仕様でサイズが広いだけに、印象に残ります。

M1は骨太なロックン・ロールです。かなりオーソドックスなアメリカン・ロックという感じに仕上がっていますね。続くM2では、最初のパートのSE的な処理に驚きます。途中から普通のサウンドになるのですが、その瞬間の音空間の変化とそれに続く哀愁味あふれるメロディーにも、はっとさせられますね。地味ながらもニック先生の香りもする曲だと思います。

M3では12弦ギターとハーモニカの音が印象的ですね。ニック先生の香りもかなり強く漂ってきます。歌い方的にはコステロっぽくもありますけどね。(笑)メロディーも良く、佳曲だと思います。
M4は、M3同様にブリンズリーズみたいなアレンジですね。これまたいい曲です。

M5もミッド・テンポのバラードですか。ニック・ロウの書きそうなメロディーとコーラスに、ペダル・スティールが花を添えています。M6は、残念ながらニック・ロウのカバーではありません。スリー・フィンガー奏法でのギターがいい感じに響いています。M3〜M5で似たような感じの曲が並んだので、よけい曲想が転換されたように感じますね。

M7は、再びミッド・テンポでカントリー風味の曲です。でも、メロディーもコーラスもアレンジも、一番キャッチーでポップでニック・ロウっぽいんじゃないかな?と思います。ニック・ロウのファンならば、この曲は涙ものですよ(笑)。もちろん、個人的にも大のお気に入りです。
さて、M8です。来ました、ロックパイル(笑)。それ以上の解説が必要ないくらいに典型的なロックパイル風のロックンロールです。お見事。

M9でも、ニック・ロウの香りがぷんぷんとしてきます。アコギのカッティングに乗ったカントリー風味のメロディーにポップなサビが絡んできて、いい感じですよ。M10はミッド・テンポのロックンロールです。SEっぽい効果も入っていてコード進行も若干捻っているのですが、ニック・ロウとスクイーズの香りがしてきますね。ミドル8では若干ビートルズの香りもしてきます。(^^)

M11は3拍子のアコースティック・ナンバーです。ここでもニック・ロウ(彼にも3拍子を上手く取り入れた曲がいくつかありますけどね)の香りがしてきます。またまた哀愁味のあるサビのコーラスもいいですねぇ。ラストのM12は、SEから入りますが、その後はパワフルでポップなロック・チューンとなっています。サビもキャッチーでポップで、アルバム中でも一番パワーポップっぽい展開の曲です。ミドル8での曲想転換も上手く、文句なしの1曲だと思います。この曲あたりは、普通のパワー・ポップ・フリークにも受けるんじゃないかな?

全体的には、ミッドテンポ、カントリー、ニック・ロウの3つのキーワードで語ることのできる楽曲が多いような気がします。ずいぶん前に紹介したことのあるアルバムで見られたビートルズっぽいところはほとんどありません。ファーストみたいにニック・ロウっぽい曲が多いので、ニック・ロウのファンの人ならば超オススメの1枚ですから、ぜひゲットしてくださいね。

ニック・ロウのファンじゃない人には、カントリー風味のロックとして聴いていただくことになると思いますが、地味ながらも渋いメロディーを堪能してください。まあ、M12は、ポップ・フリークならば結構いけると思いますので、興味が向けば手に取ってみてくださいね。

では、また次回に!

< Full Tilt and Swing / Walter Clevenger & The Dirty Kings / US / Brewery / BR0782 >


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