第251回   Tears'n Cheers / FLINTLOCK

1. I'm Your Man / 2. Russian Roulette / 3. Taken All Away / 4. Amorous Lady / 5. Sea Of Flames / 6. Silby Hill / 7. Anything For You / 8. I’m On The Road / 9. Window / 10. Limbo / 11. Trudie baby / 12. Carry Me // 13. Saddle My Horse / 14. Freeloader / 15. Coming Around

 さて、今回紹介するのは、先日エアメールレコーディングから紙ジャケで世界初CD化されたフリントロックのセカンドアルバムです。(最も、本国ではライヴ盤を挟んでのサードアルバムとなるんですけどね。)フリントロックと言えば、かつてBCRの人気に続けと各社から売り出されたバンドの中のひとつです。BCRから派生したバンドを除けば、バスターと並んで比較的人気があったバンドのひとつではないでしょうか。メンバーはデレク・バスコー(ヴォーカルとサックス)、マイク・ハザウェエイ(ドラム)、ジョン・サマートン(ギター)、ビル・ライス(キーボード)、ジャミー・ストーン(ベース)の5人です。

ファーストアルバムの時にはブリティッシュ・ビート・バンド(それもロンドンやデラム系ですね)からの遺伝子を感じたのですが、このアルバムは、(曲によってクオリティにばらつきはあるものの)ポップにまとめられたいいアルバムだと思います。また、先述のライヴ盤を挟んで届けられた4枚目のアルバムは、ロック的なアプローチや演奏を全面に出した意欲作だったとは思いますが、ポップ度は薄まっていると思います。

では、聴いていきましょうか。オープニングのM1の12弦のサウンドとソフトなハーモニーは、心地よいポップ感覚を届けてくれています。ドラム担当のマイクのお父さん(TV局の社長でレーベルの社長)の作品ということですが、本当にいい曲だなって思います。余談ですが、この曲を聴いているとザ・グッバイの某曲を思い出してしまうのですが、そのあたりのことをヤッチンに訊いてみたいな。(笑)M2は本国ではシングルになったそうですが、地味なロック・ナンバーです。

M3は日本でのシングルになった、ミッドテンポのバラードです。これまたマイク父の作品ですが、メロディーが本当に美しい佳曲だと思いますね。アコギのソロも素晴らしいしですし、アレンジも文句なしです。個人的には一番のお気に入りですよ。(^^)M4も日本でのシングル曲ですが、ちょっと楽曲的に地味なんじゃないかな?

M5は本国でシングルとなった曲で、マイク・バットの作品です。M3以上に美しいメロディーをストリングスが支えてくれています。途中からアップテンポになるのですが、そこでもストリングスのアレンジが印象的ですね。これまたオススメの1曲です。M6はインスト・ナンバーです。

M7は、アルバム先行シングルで、ミッドテンポのポップなバラードです。ギターのアルペジオがあまりかちっとしていないところとか、コーラスとかが、ラズベリーズを思い出させてくれますね。いかにもその線を狙って作られたことが見え見えですが、やっぱりいい曲ですよねぇ。(^^)M8はファンキーなリズムを全面に出した曲ですが、ちょっと消化不良気味かもしれません。

M9はイントロのマイナーなギターが印象的ですね。ミドル8の明るくてポップなパートを挟んで劇的な展開を狙っているアレンジだと思いますが、楽曲自体の仕上がりは微妙です。((^^;)M10は、マイナー調のメロディーでカッコ良く迫ると思いきや、サビでは明るいアメリカン・ポップ調になってしまいました。僕の好みはマイナー調のパートのほうなので、そのままの曲想でいってほしかったな。(笑)

M11はロック・ナンバーですね。マイクのドラムの音はやけに軽いけど、ビルのオルガンとジャミーのベースの絡みはかっこいいかも?です。ラスト・ナンバーのM12は、美しいバラード・ナンバーです。いかにものベタなアレンジなんだけど、やっぱりいい曲ですね。

あとの3曲はボーナストラックで、シングルのB面曲です。ジャジーなM13には意表をつかれましたね。M14はなんとなくパンク=ニュー・ウェーヴの雰囲気もあるロック・チューンです。M15もファンキーな曲です。サビはM8よりもいい感じだと思いますけどね。まあ、この3曲はあくまで「ボーナス・トラック」ですね。いろんな意味で。(笑)

彼らの場合、ギターとキーボードの演奏力の高さが強みだったと思いますが、リズム隊とヴォーカルはちょっと弱いところがありました。そういう弱点がポップにまとめられた曲ではあまり目立たなく、楽曲のクオリティの高さとの兼ね合いですごく印象的に仕上がっているのは(皮肉と言えば皮肉かもしれませんが)このアルバムの「売り」だと思いますね。

ということで、もしこのバンドに興味が湧いて、どれか1枚だけと言われるのでしたら、このアルバムを聴いてみることをお薦めします。

では、また次回に。

< Tears'n Cheers / FLINTLOCK / JPN / airmail / AIRAC-1523 >


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