第246回   How We Get To Hear It / Lithium Joe

1.Starting Again / 2.Wake-Up Call / 3.All I've Got Is What I Am / 4.Growing Pains / 5.Guessing Games / 6.This Is Your Life / 7.Upstairs At Park Street / 8.Red Flag / 9.Pretending That I Care / 10.When Your Upside's Down / 11.I'm Not Saying / 12.The Same Song / 13.Monkey Puzzle / 14.Do / 15.Losing The Losing Touch / 16.Hold On Tight / 17.Once Upon A Brand New Day / 18.Deserter / 19.At The Rainbow's End / 20.The Ghost Road

さて、今回紹介するのは、リチウム・ジョーのアルバムです。このバンドは、もともと90年代前半に活動していたバンドなんだそうです。当時は僕も全くこのバンドを知らなかったのですが、数ヶ月前になじみの店に行った時に店長に勧められたのがこの復刻CDR(日本のインディーレーベルからのリリースだそうです)なのです。で、店頭で試聴したのですが、M1のイントロが終わる頃には購入を決めていました。なんせ、20曲入りで500円という破格値でしたしね。(^^)

このCDRに収められている曲ですが、M1〜M13がアルバム「UPSTAIRS AT PARK STREET」をまるごと、M14〜M19がリリースされなかったEPから、M20がコンピレーションからの選曲だそうです。では、聴いていきましょう。

M1からして、最高のパワー・ポップ・チューンですね。イントロのリフもカッコいいし、曲とメロディーは「捻くれていないスクイーズ」という感じだし、ちゃんと哀愁味もあるし、コーラスもキマってるし、文句なしの1曲です。(^^)目覚まし時計のベルに導かれて弾むようなギターのリフが響いてくるM2も、見事な出来映えです。メロディー的には、少し80年代マンチェスター勢のような風味がありますね。このあたりが90年代のバンドだなぁって思います。(^^)

そしてM3です。美しいアコギの響きに、それ以上に美しいメロディーとコーラスが載ってくる、至高のポップ・チューンです。アレンジも素晴らしく、何度繰り返して聴いても飽きの来ないであろう、ナミダものの1曲ですね。もちろん、僕の一番のお気に入りでもあります。(^^)一転して、M4は豪快なパワー・ポップ・チューンです。でも、サビのメロディーとコーラスはポップで甘酸っぱく迫ってきます。やはり、一筋縄ではいきません。お見事!

M5は軽いドラムにヴォーカルが導かれていきます。リズミックなベースが若干単調なメロディーを補っていますね。続くM6は、いかにもイギリスのバンドらしく、スカのリズムを取り入れた曲です。軽快で明るく、スカのダンスバンドみたいな感じですね。(^^)

M7は、アコギの弾き語りで歌われるバラード・ナンバーです。シンプルなメロディーをシンプルなアレンジでということでしょうが、ワンコーラスで終わってしまいます。(笑)続くM8は、リズミックでカッコいいギター・リフが印象的なロック・ナンバーです。時々挟まれるスカ調のリズムで緩急をつけたんですね。

M9は、SEから始まります。ドラムのビートに導かれるのかと思いきや、アコギ(とエレアコ)のアルペジオの美しい響きを活かせた曲でした。この意外性はGOODです。(^^)メロディーは素直で美しいのですし、この曲もマンチェスターの香りがしてきますね。エンディングにもう一工夫ほしかったかも?です。M10は、映画風のナレーションが印象的なロック・チューンです。メロディーは抑え気味ですが、サビのところで一気にポップ展開を見せています。ただ、もう一捻りほしかった感はありますね。

M11は、ビートを利かせたポップ・チューンです。サビのポップなコーラスは凄くキャッチーで耳に残りますね。この曲あたりは、スクイーズの香りもしてきます。M12は、これまたイギリスのバンドらしく、レゲエ・ナンバーです。アルバム中でも、この曲だけ雰囲気も時間経過も違っていますね。ゆったりとうねって行く曲です。アルバムではラスト・ナンバーのM13は、割とオーソドックスなバラードナンバーですね。ゆったりとしたメロディーをバックが盛り上げていきます。ラストのギター・ソロは聴き所のひとつだと思います。

ここからは未発表EPなんですね。M14のイントロのギターのコード進行は典型的なパワー・ポップの展開ですが、ハーモニカが入ってくると印象もずいぶんと違ってきます。曲にはいると、カリプソ風味やスカ・ビートも取り入れて、軽々に仕上げていますね。いい曲だと思いますよ。(^^)M15は、イントロからギター・リフがぐいぐい曲を引っ張っていきます。マイナー調のメロディーもいい感じですし、サビでの哀愁味のあるコーラスも見事です。地味ではありますが、名曲だと思いますね。個人的には2番目のお気に入りの曲です。

M16も、ギターのリフが印象的な曲です。この曲のポップなコーラスを聴いていると、アメリカン・ハード系のバンドを思い出してしまいました。そう思えば、間奏のギターもそんな感じに聞こえてくるから不思議です。とはいえ、本当にカッコいい曲ですよ。M17は、カッコいいドラムのビートに乗って、ヴォーカルとコーラスだけで最後まで行ってしまう曲です。ギターやベースはないものの、カッコいいロック・チューンですね。ギターやベースが入ると、きっとクラッシュみたいになるだろうな?って思うのは、僕だけかな?

M18は、バラードナンバーです。メロディー自体が少し落ちるのと、楽曲としてかなり地味なのが辛いところかも?ですね。EPでのラスト・ナンバーになるM19は、アメリカンな雰囲気の強いバラードです。EPのタイトル・チューンになっている曲ですが、こういう曲を選んだあたりは、バンドのイメージを固定させたくなかったのかな?と思いますね。

ラストのM20は、典型的なパワー・ポップ・チューン(ややポップ・パンク寄り)です。メロディー的には当たり前すぎて、個人的にはあまり面白くないですけどね。(笑)若いファン向けの曲かな?

全体としては、(3種類のマテリアルが詰め込んでありますから当然でしょうが、)バンドのいろんな顔が見えてくるアルバムだと思います。最初のアルバムの13曲は、前半のパワーが後半になると若干落ちるのが残念ですが、彼らの作曲能力が存分に発揮されている好盤だと思いますし、EPの6曲は、バンドの新しいイメージ(懐が広くなった−そのぶんストレートなパワーは薄まった)が感じられます。また、コンピレーションの1曲は、バンドの若いパワーで行ってしまったってところでしょうか。

ということで、いい曲もかなり入っていますし、ポップ・フリークなら聴いてみてほしい1枚だと思います。とにかくM3の素晴らしさを、ひとりでも多くの人に知ってもらいたいなあって思います。

では、また次回に!

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