第240回   Voxx / Rollers

1. God save Rock and Roll / 2. Working for the people / 3. Soho / 4. The Hero / 5. "85" / 6. Honey, don't leave L.A. / 7.New York / 8. The Jig / 9. Only the young die old / 10. Rebel Rebel (Live)

さて、宿題消化シリーズの第2弾です。(笑)今年リイシューされたCDの中には、思わず驚いてしまうようなものも多くありました。たとえば、前々回のバスターもそうですし、今度出るイアンとパットのシリーズもそうです。

そんな中の数枚に、イギリスでリイシューされたローラーズのCDたちがあります。日本盤が出たものの廃盤になって久しく、プレミアまでついていた「風のストレンジャー」のCD化には涙した人も多かったんじゃないでしょうか。(^^)そうこうするうちになんと、「VOXX」や「RICOCHET」までリイシューされるじゃないですか。僕も本当にびっくりしました。特に後者のリリースの話を聞いた時には、素直に信じられませんでした。なんせ、ローラーズのアルバムの中でも、契約の関係でリリースはできないだろうと、ずっと言われ続けていた1枚でしたから。

そういう意味では今回は「RICOCHET」のことを書くべきだったかもしれません。ただ、リイシューされた「RICOCHET」は盤起こしだったので残念だったことと、今聴いてみるとシングル曲をはじめ元ネタがわかりやすい点が気になります。内容的には、確かにダンカンの才能全開の聴き応えがある作品ではありますけど、楽曲自体の魅力はどうなんだろう?って気もします。

ということで今回は「VOXX」ということになりました。このアルバムは、LP時代にも日本とドイツ(だったかな)でリリースされたのみで、比較的影の薄い存在になっていると思います。CDも、日本で出た8枚組ボックスセット(当然、うちにもありますよ(笑))のみの収録で、単売はありませんでしたからね。しかも、(日本のファンへの感謝の気持ちだったそうですが)ライヴのM10が収録されていたりして、なんか契約上の枚数合わせの1枚じゃないかという印象もありました。でも、こうして改めて聴いてみると、結構楽曲の魅力を再発見したという思いがあります。

シングル曲でもあるロックン・ロール・ナンバーのM1は、凄くカッコ良く仕上がっています。ギター・ソロもカッコいいですよ。(ギターソロは2本入っていますので、エリックとダンカンだと思いますけどね。)続くM2もロックン・ロールですが、ちょっぴりアメリカンな感じがするのが面白いです。ここでの聴きどころも2本のギター・ソロでしょうね。ハーモニー・ツインのパートもあるし、結構な仕上がりだと思います。

M3はずいぶんとポップなナンバーですね。この曲あたりを聴いていると、ブリティッシュ・ポップ(しかも一流半のバンドの雰囲気かな(^^))の流れを受け継いでいるんだなって思いがします。ギターのアルペジオに乗って静かに歌われていくM4は、バックのシンセサイザーが印象的な本当に美しいパートから、ポップに盛り上がる展開への対比が見事です。ラストでもうひと展開ありますし、本当によく練られた曲だと思いますね。きっと、このあたりがダンカンの才能なんでしょう。日本ではタイトル・トラックになったのも頷ける仕上がりです。(^^)

M5はミッドテンポのロック・チューンです。曲自体はちょっと地味ですかね。遠くで聞こえるギター・ソロは、紛いもなくエリックの指癖だとわかって、思わずにっこりとしてしまいます。(^^) M6は早いパッセージのギターから入り、一瞬プログレハードか?って思いが頭を掠めますが、曲に入るとゴキゲンなポップチューンでした。(笑)この曲あたりは、BCR時代の曲のイメージも残っているんじゃないかなと思います。

M7は地下鉄のSEの後は、ダンカンの弾き語りで歌われていく曲です。ですから、デモのような感じの作品にはなっています。でも、楽曲の良さは本当に際立っています。シンプルな弾き語りだから特にそう感じるのでしょうけれどね。続くM8は、短い曲ですが、変幻自在のインスト・チューンです。ちょっぴり実験的な曲なんでしょうね。

そしてM9です。ギターとキーボードのみのアレンジですが、本当にメロディーががいいのですよ。美しいメロディーをシンプルなアレンジで包み込み、哀愁のコーラスを重ねるという構成は、本当に見事だと思います。ただ、難点はひとつだけ。...エンディングくらいちゃんと考えんかい!!(笑)

ラストのM10は、日本公演のオープニングナンバーのようですね。サウンドが薄いので、ライヴではどんなフレーズを弾いていたのかが一目(一聴か?)瞭然だから面白いですね。歓声もあまり入っていないので聞きやすいです。

ということで、M10をボーナス・トラックだと考えれば、決して悪くないアルバムだと思います。なによりも、楽曲の良さが光っていますからね。特に、ほとんどデモのような後半のダンカンのM7が素晴らしいと思います。極論ですが、M7とM9(こっちはエリックの曲ですが)の2曲を聴くためだけに買っても損のないアルバムだと思いますね。(^^)

いったいどれくらいの人が僕と同じように感じていらっしゃるのかはわかりません。でも、このアルバムを聴きながら、昔からのローラーズのファンの僕の弟が、誰も何も言わなかった当時からこのアルバムを高く評価していたことを思い出しました。身内ながら、改めて感心したりもしましたよ。(笑)

そうそう、書き忘れていましたが、今回のCDのジャケットは、日本盤のLPから写真を撮っているのですが、しっかり見本盤シール貼ったままでジャケットを作っています。ある意味レアですが、笑っちゃいました。(^^)

では、また次回に!

< Voxx / Rollers / UK / 7T's / GLAM CD 49 >


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