第237回   KALEIDOSCOPE / Bahashishi

1:オアシス / 2:キセキ(Album Version) / 3:id / 4:まばたき / 5:アイコトバ / 6:空っぽの世界 / 7:Time Machine / 8:幸福島(しあわせじま) / 9:441 (instrumental) / 10:野良猫 / 11:約束 / 12:二人結び / 13:愛を見た日々

さて、今回はバハシシのニュー・アルバムを紹介しましょう。バハシシ(Bahashishi)については、ファースト・アルバムの紹介をしたことがあるので、覚えている人もいらっしゃるかも知れませんね。本当に若いバンドなのですが、聴き手の世代に関係なくいい音楽を創り出しているバンドです。そのバハシシのニュー・アルバムが今月初めにリリースされました。

今回のアルバムタイトルは「カレイドスコープ」。万華鏡ということになります。70年代と現代が程良くブレンドされたサウンド(僕の個人的見解ですが)にはふさわしいタイトルだなと思いました。

アルバムは、先行してリリースされていた三部作のシングルM1、M11、M2を中心に構成されています。初回限定版のDVDにはこの三部作をまとめたミニ・シネマ・ヴァージョンのPVや、インタビュー、メイキング、個別のPVなどが収められていてお買い得ですけどね。では、聴いていきましょう。

まずはM1です。シングル三部作の第一弾となった曲ですね。シングルを聴いたときにも感じたのですが、ラテン風のリズムが心地よい曲です。これでパーカッションが沢山入ったらほとんどサンタナになってしまいそうです。最初に聴いたときにはずいぶん70年代っぽいなと感じましたけどね。(笑)歌詞の譜割りには若干気になるところが残るものの、いかにもバハシシらしいサウンドの佳曲だと思います。

M2はシングル3部作の終章です。ここではアルバム・ヴァージョンになっています。正直なところ、シングルを聴いたときには、「えっ、この曲で締めなの??」と思ってしまったんですよ。(バハシシの皆様、ごめんなさい。)でも、このアルバム・ヴァージョンを聴くと、印象がずいぶんと変わりました。ミキシングの違いでしょうか、サウンドも厚くなり、曲を自然に盛り上げていっているように感じます。楽曲的には3部作で一番「普通」かな?(と言うよりも他の2曲が本当に素晴らしい楽曲なので)という最初の印象は変わりませんが、これなら三部作の締めにしても大丈夫だと感じる仕上がりでしょう。歌詞を第一義に大事にしながら、明るさと強さを失わないサウンドにしたかったのではないかとも感じますね。歌詞の面では、若い世代のファンにとっては強く訴えかけられるものがあるのではないでしょうか。

M3は、落ち着いた雰囲気で始まりだんだんと店舗をあげていきます。明日香さんのピアノの響きと、バックに流れる浩一くんのデヴィッド・ギルモアを彷彿させるスライド・ギターが印象に残りますね。M4はアダルティーでちょっとファンキーな曲ですね。サウンド的にはジャパニーズAORと言いましょうか、僕と同じ世代の方なら「シティ・ポップス」と言えばニュアンスが伝わるはずですけどね。(^^)浩一くんのギター・ソロの雰囲気もいい感じです。

M5は、アルバムの中で一番イマ風の曲かも知れません。明るい気持ちにさせてくれる曲です。M6のタイトルには「あれっ?」と思いましたが、あの名曲とは特に関連はないように聞こえます。ちょっぴりジャジーなサウンドに美しいメロディーが乗っかっていて、いい感じに仕上がっています。バックがシンプルなぶんだけメロディーが活きていますね。ここでも明日香さんのピアノが聴き所です。個人的には一番お気に入りの曲です。

M7はシングル「約束」のカップリング曲でしたね。キーボードの音に「ノー・クオーター」を思い浮かべるなと言うほうが無理な相談ですが、曲自体はカッコいいロック・チューンです。特にベースラインがいいですよ。M8はアコースティック・ナンバーです。ライヴを想定して作られた曲でしょうか。ステージでこの曲が演奏されたら、きっと爽やかな雰囲気でいい転換になるでしょう。

ほとんどチューニングのM9はインタリュードですね。で、M10はファンキーなロック・ナンバーです。ワウワウ・ギターにハモンド・オルガン.....70年代の香りがぷんぷんとしてきます。文句なしにカッコいい曲ですし、個人的には2番目のお気に入りです。この曲もライヴでは盛り上がりそうですね。

M11はシングル三部作の真ん中ですね。シングルで聴いたときから美しいメロディーだと思っていましたが、何度聞いてもいい曲ですね。メロディー的には70年代の歌謡曲の香りもしてくるのですが、うまく現代風にアレンジしていると思います。ギターソロは、アルバム中でこの曲のものが一番好きですね。

M12は、じっくりと聴かせるタイプの曲ですね。アコギのアルペジオを中心としたシンプルなアレンジが、曲を引き立てていますね。個人的には、3番目のお気に入りです。M13は、いかにもラスト・ナンバーっぽいバラードですね。少し単調かもしれませんが、イントロの弦から静かに始まって、だんだんと盛り上がっていきます。間奏のシンプルなスライド・ギターが耳に残りますね。

アルバム全体としての印象は、ずいぶんと楽曲のヴァリエーションが広がったなというものです。でも、どの曲にも共通のバハシシ・サウンドと呼ぶべきものが一本通っていますので、まとまっているという印象も強いです。ファーストの時にも書いたのですが、僕の世代の方々にも気に入ってもらえるようなサウンドですし、アルバム自体の出来もいいので、ぜひ聴いてみてくださいね。

では、また次回に。

「2008.4.30追補」本日、Bahashishiのライヴを見ました。数バンドのイベントのため短い時間でしたが、このアルバムからM1、M2、M5、M7、M10、M11、M12を演奏してくれました。どの曲もライヴでは何倍もカッコいい仕上がりでしたね。
特にM2の「キセキ」です。本当にライヴ映えする曲で、最初にシングルで聴いたときの百倍は良かったですね。アルバム評で書いたように、最初は「サビのメロディーがもう一皮..」と思ったのですが、ライヴでは歌詞が迫ってきて素晴らしい仕上がりでした。参りました。(笑)

また、今回感じたのは、前に一回見たライヴの時よりも明日香さんのキーボードの存在感が増しているなということです。特にロック・ナンバーでのオルガン・ソロ(あえてこう書きますが)は、惚れたぜ!と言いたくなるほどカッコ良かったですね。(^^)

ということで、アルバムを聴いてみようかなと思った人、一度ライヴも観てみてくださいね。きっとBahashishiの魅力がよくわかると思いますから。

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