第229回   Fit Me In / The Key

1.The Farmer and the Fisherman / 2.And the Rain / 3.Pamela / 4.Lazy Bird / 5.Pretty Little Star / 6.Old Fashioned Boogie / 7.Half as Much / 8.I'd Really Go for a Lady / 9.That Game /
10.Dragonmania / 11.Fit Me In / 12.Sometimes / 13.Western People // 14.Ba Uwa Mare Re / 15.Until the Day / 16.Should You Ever Meet Again / 17.Cause You're a Lady

さて、今回紹介するのは、先月初めにリリースされたThe Keyのアルバムです。僕はこのバンドのことを全く知らなかったのですが、なじみのショップの店長が「くぼたさん向けのが入荷しましたよ」って試聴用の1枚を渡してくれたんです。
ジャケットのメンバーの写真を見たときに予感はありました。一人はデヴィッド・ペイトン風の風貌であり、もう一人は、太ったカシム・サルトン風の風貌だったのですから。(笑)さすがに店長のオススメだけあって、1曲目のイントロの段階で購入を決めたのは言うまでもありません。(^^)

ライナーを見ると、彼らはドイツのバンドです。メンバーは、マルチプレイヤーのフォルカー・ランジフェルドとドラマーのアラン・ワーランの二人ですので、ユニットといった方がいいかもしれませんね。ライナーによると、このアルバムはもともと78年にリリースされたものだそうです。

トレーを開けてCDを入れ、再生ボタンを押します。流れてきたのは、70年代初期のブリティッシュ・ポップ・サウンドです。

M1は、10ccを彷彿させるようなコーラスで始まりますが、曲に入ると、ほとんどパイロットの世界です。ポール・マッカートニーに通ずるメロディーで、良質のブリティッシュ・ポップ・サウンドを聴かせてくれています。弦のアレンジはELOかな??曲は切れ目なくM2へとつながっていきます。ピアノの響きとストリングス、そして伸びやかなメロディーと厚いコーラス、ポール風のベースライン。これまた10ccを思い出させてくれますね。

M3は6拍子の曲ですね。メロディーは初期のポール・マッカートニーと言いましょうか。いかにもブリティッシュという佳曲です。アコギの弾き語り風のM4ですが、これはポールの遺伝子としか言いようがありません。唄い方までそんな感じです。でも、ポールを彷彿させるだけあって、メロディーは素晴らしいですよ。ギター・テクニックはポール以上ですし、超オススメの1曲です。真ん中にSEを挟んだ構成もお見事です。(^^)

M4がギターのみの伴奏だったためか、M5はキーボード類を多用した厚いサウンドですね。変拍子を使ったり、曲の構成も練っています。ベースも弾けまくり、これまたポールの遺伝子全開の曲ですね。ピカデリーサーカスに聴かせたい1曲です。(^^)M6は、またまたポールの小品のイメージのある曲です。管楽器が利いていますね。

ゆったりとしたM7は、キーボード、ストリングス、アコギのカッティングの絶妙なバランスが印象的な曲です。間奏のギター・フレーズはTULIPの安部さん風でもあります。M8は、これまでとはムードを変えて、明るいサウンドの曲です。南の島で歌うポールというイメージですね。この曲のサビは、ポールのファンなら、思わずにんまりとすることでしょう。これまたオススメの1曲です。曲は切れ目なくM9に続きます。これまたビートルズの香りを強く感じる曲ですね。

M10は、レボリューションを彷彿させるイントロからのロックン・ロールです。プレスリー-ロカビリーの香りのする楽曲も、やはりポールの遺伝子っぽいですね。続くM11はタイトル曲です。ポールの「ハルセイ提督」のバックで手拍子が鳴り続けているイメージと言えば、曲の感じが伝わるでしょうか?管楽器も効いていて、面白い曲ですが、一番カッコいいのは、ギター・ソロですね。

M12はアコギの弾き語りです。やはりポール風の美しい楽曲ですが、ギター・プレイは煌びやかですね。これまた味のある佳曲だと思います。ラスト・ナンバーのM13は、中期ビートルズの香りがします。ここでは、ポールの向こうにちょっぴりだけジョンの香りもします。後半はクラッシック風のコーラスにつながれて、曲は終わります。もともとのアルバムは、これで終わりなのですから、強引と言えば強引な終わり方かも知れませんね。でも、70年代らしいです。

ここからはボーナス・トラックです。M14は、波の音のSEから、まるでビーチボーイズばりのコーラスへと続き、哀愁味もある素晴らしいメロディー&ハーモニーを持ったメロディーが歌われています。ボーナス・トラックであるのがもったいないくらいのいい曲ですよ。オススメです。(^^)M15は、ドラムのアランの曲です。アルバムでは1曲目を共作しているだけなのですが、ここでは単独の作品ですね。ところが、ビートルズを彷彿させるようなビートとメロディーとハーモニーを持った曲で、アレンジもビートルズ風なのです。最高にポップでカッコいいのです。サビのメロディーも良いし、間奏のオクターバーを使ったギターもカッコイイし、個人的には一番のお気に入りです。(^^)ちなみに、この2曲はシングル曲ですね。

続いて、未発表曲が2曲続きます。M16は、完全に中期ビートルズのポールのバラードですね。アレンジもそれっぽいです。最高の曲なんですが、それなのにそれなのに...ラストの15秒の音が入っていないのです。(^^; 編集のミスなのか、意図的かはわかりませんが、演奏が唐突に途切れて、15秒も空白があります。意図的としたら、あまりにも意味不明だし、編集ミスだとしたら、あまりにも情けないし、謎ですね。(笑)M17も、ビートルズ風のロック・チューンです。ここでも間奏のギターがカッコイイですよ。クレジットを見ると、この曲はミカエル・ロウイという人が歌っているようです。

聴き終わってみると、何度も書いているように、ポール・マッカートニーの香りが強く残ります。楽曲のクオリティは高く、ほとんどの楽器を弾いて唄も歌っているフォルカーの才能を感じますね。それと、何曲かでゴキゲンな弾けるベースを弾いているクラウス・ゲルバーのプレイもいいですね。(^^)

ということで、70年代のブリティッシュ・ポップが好きな人にはたまらないアルバムでしょう。(本当にドイツのバンドなの?って思ってしまうほどです。)初期のポールやパイロットのファンの人にはマスト・アイテムですね。

では、また次回に。

< Fit Me In / The Key / Ger. / Revola / CR REV-211 >


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