第227回   Cosmic Surprise / Mark Mikel

1.Cosmic Surprise / 2.The Ride You're On / 3.Lovesick / 4.Girl in the Window / 5.All Thumbs / 6.Perpetual Mouth / 7.So Much Lost in Love / 8.Let's Go Get High / 9.Wherever You Are / 10.She Can Fly So She Might Try / 11.Backward Evolution / 12.Sleepy Head Awaits

さて、今回紹介するのは、ピルバグズのマーク・マイケルのソロ・アルバム「Cosmic Surprise」です。すでにリリース時にパティオでは紹介していたのですが、CD自体は、僕のところへ今月はじめに届きました。

封を切って中身を出した時「????」と思いました。出てきたのは(マークの言ったとおりの)CDRだったのですが、盤は「CDRに焼いてレーベル面に手書きタイトル」です。ジャケも手製のジャケ(パティオで紹介した時点よりもロゴはポップになっていますけど)をカラー(インクジェット)プリンターで打ち出して二つ折りにしただけのものでした。手作りとは言え、装丁はずいぶんとお粗末です。これで15ドル(+エアメール送料)というのはどうよ?と感じました。でも、二つ折りしたジャケを開いたら、白い無地の真ん中にマークの直筆サインがありましたし(これでずいぶん気は静まりましたが(笑))、レーベルのタイトルも「直筆」には違いありませんから、それはそれでありかな?とも思いました。(でも、せめて10ドルくらいにしてよね、マーク。(^^;)

マークのソロ・プロジェクトとしては、すでに数枚のアルバムが発表されています。それらのアルバムは、どちらかというとピルバグズとは違うカラーのハードな楽曲が多かったのですが、今回は、ピルバグズにも通ずるポップな楽曲が詰まっています。

まるでピルバグズを彷彿させるSEから始まるM1は、楽曲もピルバグズみたいですね。キーボードのサイケな音が印象的です。コーラス・ワークもアレンジもピルバグズそのものです。(^^)サビにも(ワンフレーズだけど)必殺のメロディーがありますし、いい曲ですね。M2は、70年代後半〜80年代風のギター・サウンドがカッコイイですね。メロディーとコーラスはピルバグズですが、ハーモニー・ツインをフィーチャーしたギターは、本当にカッコいいです。このあたりのアレンジは、マークのソロならではのものでしょう。ハーモニー・ツインが出てだけで、僕は大満足です。(爆)

M3は、いきなりの符割りにあれっと思いましたが、基本的にはシンプルなロック・ナンバーです。チェンバロ風のキーボードの音も印象的ですし、ちょっぴりハーモニー・ツインも出てきます。(^^)M4は、ポール・マッカートニー風のサイケデリック・チューンですね。イントロのギター・フレーズもウイングスっぽいし、メロディー展開もポールの直系ですよね。(^^)

M5は、ちょっぴり曲想を変えてミッドテンポの曲です。ところどころで出てくるピルバグズ風コーラスと、ギター・サウンドが効いていますね。ミドル8の部分以外はそんなにメロディアスではないのですが、惹きつけられる曲です。M6は、60年代ビート・バンド(アートウッズやゾンビーズのようなマイナー系)っぽいサウンドですね。ベースラインからもサイケな匂いがぷんぷんしてきます。カッコいいぞ。

M7は、ブリティッシュ・サイケ色いっぱいのピルバグズ・サウンドですね。メロディーも意外に(ゴメン!)感動的でいい感じです。M8は、イントロでホリーズを、スキャットでポール・マッカートニー(初期ソロ)を思い出すなと言われても無理な曲です。(笑)唄の部分は、ポップなピルバグズ・メロディーなんですけどね。

続くM9は、ビートルズの遺伝子の香りがぷんぷんしますね。ジョン・レノンからパイロットの曲のようなイメージです。コーラスはホリーズっぽいかな?この曲も60年代っぽくて、僕は大好きです。M10はスロー・テンポのサイケデリック・ロックですね。ドラムのサウンドとかは中期ビートルズっぽいですけどね。アルバム中ではメロディーの起伏が少ない曲の部類にはいるでしょう。

M11は、アコギとベースラインが洒落たイントロがいいですね。唄にはいると、完全にスクイーズの世界です。サビのコーラスにはオクターブ・ユニゾンのパートもあったりして、本当にスクイーズみたいです。もしかして、再結成したスクイーズへのオマージュかな??(笑)ラストのM12も、ブリティッシュ・サイケ・サウンドですね。逆回転とかも出てくるし、あの頃のサイケデリック・バンドへのオマージュいっぱいです。でも、ポール風のメロディーがいいのでサウンドが引き立ちますね。これまたピルバグズ・サウンドの極致です。

こうして聴いてみると、ピルバグズのシンプル・ヴァージョンとも言えるような楽曲揃いですね。何曲かは、ピルバグズの新作のアウトテイクと言っても違和感がないようなサウンドです。まあ、ピルバグズの音が凝りに凝っているから「シンプル」と表現しましたが、一般的な基準で言うと、十二分に練られた音ではあるのですけどね。(笑)アルバムの最初と最後が、いかにもピルバグズっていう曲なのも、意図的でしょうか?

ただ、ある意味ピルバグズよりもシャープなサウンドなので、こちらのほうが好みだという人がいても不思議のない作品です。もしかしたら、ピルバグズの新作から漏れた(あるいはそれ以降に書いた)楽曲群なのかもしれませんね。(^^)

最初にチープな装丁のことを書きましたが、中身は本当に「豪華な」粒ぞろいの楽曲ばかりです。いずれプレスCDが出ることになったとしたら(出るのか??>自分(^^;)、このCDRも価値を増すかもしれませんし、ピルバグズのファンならば買っても損はないと思います。ちなみに、毎度おなじみのバック・ステージ・レコードでも、このアルバムを取り扱っています。しかも、マークの使っているピック(特製ではなく、フェンダーの未使用ピックの裏に直筆でイニシャル「MM」が入っているだけのもの)がオマケについて2280円ということですから、興味のある人は急いでくださいね。ピックには数に限りがあるとのことです。

ということで、ピルバグズファンには嬉しい1枚の紹介でした。ピルバグズの新作の方も、本当にいい出来のアルバムですから、ぜひに買ってみてくださいね。(笑)


では、また次回に。

< Cosmic Surprise / Mark Mikel / US / ??? / no-number >


ご感想とかご意見とかがありましたら、どしどしメールくださいね。